映画 Ned Kelly (ケリー・ザ・ギャング) のあらすじ・感想

映画 Ned Kelly (ケリー・ザ・ギャング) のあらすじ・感想

2003年に公開された 『Ned Kelly (邦題 ケリー・ザ・ギャング)』の映画について紹介します。

(出典: https://en.m.wikipedia.org)

この映画はロバート・ドルー (Robert Drewe) が1991年に書いた小説『Our Sunshine』が原作です。

ネッド・ケリーと言えばオーストラリアでは知らない人がいないほど有名な実在人物ですが、日本では知名度がないからか、豪華キャストのわりには劇場未公開だったそう。

タイトルNed Kelly (ケリー・ザ・ギャング)
監督Gregor Jordan
脚本John Michael McDonagh
公開2003年
上映時間110分

Ned Kelly役:
ヒース・レジャー (Heath Ledger)
Julia Cook役:
ナオミ・ワッツ (Naomi Watts)
Joe Byrne役:
オーランド・ブルーム (Orlando Bloom)
Francis Hare役:
ジェフリー・ラッシュ (Geoffrey Rush)
Dan Kelly役:
ローレンス・キンラン (Laurence Kinlan)
Grace Kelly役:
エミリー・ブラウニング (Emily Browning)
Kate Kelly役:
ケリー・コンドン (Kerry Condon)
Steve Hart役:
フィリップ・バランティーニ (Philip Barantini) 他

 

私の総合的感想:

なんかやっぱりカッコ良いんですよね〜。
でも、これが実際に起きた出来事だと思うと…。悲しい結末にはどうしても泣けてきました。

 

 

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あらすじ

舞台はビクトリア州がまだ “ビクトリア植民地” と呼ばれていた19世紀。

アイルランドから送られて来た流刑囚であった父の子供としてオーストラリアで生まれたネッド・ケリーですが、アイルランド人というだけで偏見を持たれ、無実の罪で独房に入れられたり理不尽な事件が起こったりと、苦労は絶えません。

やがてネッドたちは、金持ちや権力者を襲うギャング (ブッシュレンジャー) になり、賞金首がかけられるのですが、庶民に大変人気があり多くの人たちに応援されていました。

しかし最終的に仲間に裏切られ、警察との激しい銃撃戦で多くの人たちが巻き添えに…。

感想

オーストラリアのヒーロー的存在であるネッド ・ケリーを、同じくオーストラリア出身のヒース・レジャーが魅力的に演じた作品だと思います。とにかく彼の演技はかっこ良かったです。

きっとヒース・レジャーも小さい頃からネッド ・ケリーの話を聞いて育ったと思うので、思い入れとかもあったのではないだろうかと想像します。この映画の出演者のほとんどがオーストラリアやイギリス出身なので、違和感なく安心して物語に入って行けました。

さりげなくクカバラやロリキートなどオーストラリアの動物が出て来るのも良かったです。 (コアラとかカンガルーとかは出て来ませんけどね。)

レインボーロリキート

登場人物がハンサム過ぎるのと、みんな恋愛し過ぎなのが気になりましたが、あの時代の娯楽なんて限られていたでしょうからそんなものなんですかね〜。

注目すべきは19世紀の開拓時代という時代背景です。

オーストラリアはまだイギリスの植民地で、イギリス政府が幅をきかせていた時代。人種差別は普通に横行していました。

現代だったら警察の暴力も大問題になりそうですが、あの時代は殴ったり喧嘩したりって日常茶飯事だったのでしょうか。今とは価値観が全く違います。

作中の人々は自然の中で命がけで生きていて、生活は過酷そうですが少しだけ羨ましくも感じました。埃っぽい町や酒場などの雰囲気も、当時の様子がリアルに想像出来て思わず見入ってしまいます。

それにしても、ネッド一家の住んでいたような粗末な木の家は、強盗とかに襲われたらひとたまりもなさそうです。あんな環境で生活する為には、強くならないと生きていけなかったでしょうね。

19世紀の町並みって、こんな感じ。

そしてそんな厳しい生活とは対照的に、ネッドが父親が生きていた幼い頃を回想するシーンが度々出て来るのですが、彼がいかに父親に愛されて、それをどれだけ誇りに思っているを感じさせられ、ひとりの血の通った人間としてのネッド・ケリーの姿に共感を覚えます。

印象的だったのは、ネッドがやむをえず警察を撃ってしまい、倒れて血だらけになりながら「息が出来ない!こんな風に死にたくない!」と泣きわめいた警察に対して「撃ってごめん!」と言いながら必死に楽にしてあげようとするネッドの姿。

そして、撃たれた警察も奥さんと子供がいるひとりの人間だという事実。ラストシーンで敵対していた警察官が撃たれたネッドを戦友のように見る眼差しと言い、敵だから悪ではなく、あの時代の警察も大変だったんだろうなあ〜と考えさせられます。

でも、やっぱりちょっと警察は非道ですね。

ニューサウスウェールズからも警察を動員するくらいネッド を捕まえたかったのは分かりますが「撃たないで」と出て来た関係ない人たちまで撃つなんて、すごく残酷でした。

ネッドが庶民たちの気持ちをガッツリ掴んで味方にしてしまったのは良かったのですが、最終的に関係ない大勢の人たちが巻き込まれてしまったのは残念でした。

一緒に戦ってきた仲間たちの最後も悲し過ぎて、なんて救われない物語なんだろう…と思ってしまいました。

結局最初から最後まで権力に虐げられ勇敢に戦うものの、仲間も民衆も巻き込んでの悲しいエンディング。

ネッド・ケリーの最後の地 Glenrowan には現在ミュージアムが建っています。

ふと気になったのは、ネッド・ケリーの予備知識なくこれを観た人はどんな風に感じるのだろうかという事。

彼についての物語は大体知ってた私でも「ええ〜!そんな結末は酷過ぎる!」と悲しくなってしまったし、わりと最初から普通にネッド・ケリーに感情移入してしまっていたので最後はもう涙ボロボロでしたが、他の人はどうなんだろう?と。

なので、ネットで日本の人たちのレビューを結構色々調べてみたのですが、みなさん中々の高評価が多く、知らなかった人もネッド・ケリーについて興味を持った人もいたようです。

私的にもぜひ一度観て欲しい映画です。

おわりに

ネッド・ケリーは、オーストラリア人の反骨精神という国民性を形成するのに、大いに影響したのではないかと思うんですよね。

戦いに敗れ25歳の若さで亡くなってしまいましたが、だからこそ伝説となって現代まで語り継がれたのかもしれません。

オーストラリアの原点を知るのに良い映画だと思いますし、ネッドを始めとする登場人物が魅力的で、おすすめの映画です。

これからもネッド・ケリーを題材にした映画を色々と見比べて、レビューしていきたいと思ってます。

 

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