ハットリバー王国というオーストラリアの中にある不思議な国

ハットリバー王国というオーストラリアの中にある不思議な国

2019年2月13日に西オーストラリア州のハットリバー王国の王様、レオナルド・カースリー (Leonard Casley) さんが93歳で亡くなったというニュースが流れました。

ハットリバー王国 (The Principality of Hutt River / Hutt River Province) 、知っている人はどのくらいいるでしょうか?

「何それ?」という人の為にざっくり説明すると、ハットリバー王国は税金を払いたくなかった農夫のレオナルドさんが、1970年に勝手に独立して作った西オーストラリア州にある国です。

と言っても、オーストラリア政府は国として認めていないのですが、それでもとりあえずハットリバー王国は2019年今日も存続しているようです。

今回は、そんなちょっと変わったオーストラリアの一面を紹介したくて記事を書きました!

※ 本当は公国ですが、ここでは王国と表記します。

 

ハットリバー王国オフィシャルサイト
http://www.principality-hutt-river.com

 

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ハットリバー王国の成り立ちと現在

ハットリバー王国が出来た経緯を説明すると、1969年に政府が決めた小麦生産量規制と税金の問題が発端でした。

農夫のレオナルド・カースリーと5組の農夫家族たちは政府の新しい取り決めに不満を持ち、52万ドルの補償金を要求し抗議したのですが、却下されました。

そこでカースリーは “もう税金を払わない” と1970年4月21日に自分の所有地を “ハットリバー王国” としてオーストラリアからの独立を宣言してしまったのです。そして、自らをプリンス・レオナルド1世 (以後レオナルド王)と名乗りました。

(出典: https://maeharakazuhiro.com by 前原 和裕)

もちろん政府側はそんな言い分を認めるはずはなく揉めましたが、ハットリバー側は政府の取り決めを無視して小麦を売り続けました。オーストラリア政府の税金請求に対し、宣戦布告という無謀な行為をしていた時期もあったそうです。

こうしてハットリバー王国は独自の通貨や切手、パスポート (ただし、ハットリバー国内のみ有効)まで発行し、国として運営され、知る人ぞ知る観光名所ともなっていきました。

未だ国としては承認はされてませんが、結局事実上の自治州として規定され、容認されているようなされてないような曖昧な存在のまま50年近く過ぎました。

2004年、ハットリバー王国はツアーアトラクション会社としての登録は受け入れたものの、ハットリバー王国内で得た所得は納税が免除というルールで運営し、たびたび騒動が起こっています。

レオナルド王は2019年に肺の感染症にかかり病院で亡くなりましたが、王位は息子の Graeme 王子に引き継がれました。

ツッコミどころがいっぱいですが、人生をかけてここまで貫き通した彼の人生には驚きますね。

(参考: https://www.abc.net.au)

基本情報

では、ここでハットリバーの基本情報です。

位置: 西オーストラリア州の州都パースから517km 北
国土: 75km2
首都: Nain
公用語: 英語 (フランス語・スペイン語・エスペランス語)
民族グループ: アングロサクソン系・ケルト系オーストラリア、原住民 Nunda族
人口: およそ30人だが、全国に1万3千人〜1万8千人の市民がいる
通貨レート: 1ハットリバードル = 1オーストラリアンドル(参考: https://en.m.wikipedia.org)

首都まであったんですね。ちなみに国旗や国歌もちゃんとあります。

“center and put white circle instead of transparency to match the flag” by Offnfopt is licensed under CC BY-SA 4.0

2000年には30周年を記念して$100 コインが発行されたのだそうで、その後も色々な記念コインが出ていたようです。本当に国ですね!

実際の王国は⁉︎

私がハットリバーの存在を知ったのは2005年頃の日本でした。

オーストラリアのワーキングホリデーに関する本を買って、体験談を読んでいた時に現れた “ハットリバー王国” という名前に魅了され、何度も隅々まで読みました(笑)

その体験談によると、ハットリバー王国はパースから更に北上した4WDの車で行く必要があるような険しい僻地にあり、大きな王様の顔を形どった像があるそうです。そして王国では王様自ら観光案内をしてくれて、国には王様一人しか見当たらなかった、と。(実際は2013年に亡くなったお妃さまと7人子供をもうけてます。)

(出典: https://maeharakazuhiro.com/ by 前原 和裕)

それを読んで10年以上ずーっと行ってみたいと思っていたのですが、結局2019年現在もまだ西オーストラリア州すら行った事がありません。西オーストラリア州は、反対側のケアンズやシドニーなどの東海岸側からすると日本より距離があり遠いので、未だ行きそびれたままです。

でも、たびたびウワサは耳に入って来ていて、パースからハットリバーに行くツアーが出ているという事を知りました。

ハットリバー王国に入国したらパスポートにハンコを押されて、本物の空港で怒られるらしいとか、ハットリバー王国の通貨はおみやげ屋さんで売ってるとか、とにかくウワサを聞くだけでも面白すぎるんです。

これは実際に行った人の体験談を読んだ方が良いと思うので、前原 和裕さん (@Maechan0502) という方の記事をぜひ読んでみてください!

勝手に独立宣言!オーストラリアの中にある王国・Hutt River王国に行ってきました!【前編】

勝手に独立宣言!オーストラリアの中にあるHutt River(ハットリバー)王国に行ってきました!【後編】

王様 (左)と王子様 (右)と前原 和裕さん https://maeharakazuhiro.com

前原さんは台湾トラベルブロガーなのですが、オーストラリアについての記事も多数あるので旅行の参考にまりますよ。

写真やリンクもご本人が快く了承してくださったので、こうやって記事が書けました。感謝です!

前原 和裕さんのオーストラリア記事
https://maeharakazuhiro.com

おわりに

ハットリバー王国はいかがでしたか?

東側でハットリバー王国の事を知りたければ、オーストラリアの首都キャンベラのオーストラリア国立博物館 (National Museum of Australia) に行くと、オーストラリア内の分離に関する展示が常設されていて、そこでハットリバー王国も紹介されているそうです。

次の世代に引き継がれたハットリバー王国、これからどうなっていくのでしょう? これからも遠くながら見守って行きたいと思います。