歴史ある新しい西オーストラリア州の地ビール『ディンゴ・ラガー』

「せっかく西オーストラリア州に来たので、地元ならではのビールが飲みたい!」

そういう人は、ぜひ Dingo Brewing Co から発売されている『ディンゴ・ラガー (Dingo Lager)を飲んでみてください。

ディンゴは2020年3月に設立されたばかりで、ビールもまだ1種類しかありませんが、西オーストラリア州がギュッと詰まっています。

というのも、このビールは地元の原材料にこだわっているだけではなく、赤いディンゴのロゴは2008年には西オーストラリア州の遺産として登録もされている歴史あるものなんです。

 

ノースフリーマントルにある赤いディンゴのロゴ

Dingo Lager

西オーストラリア州の港町フリーマントル郊外にある製粉所『Great Southern Roller Flour Mills Limited』の壁に大きく描かれている赤いディンゴのロゴは、西オーストラリア州の象徴的な風景と表現されることもあります。

かつて、ノースフリーマントルに来た移民や難民、ヨットマンたちは、船の上からこのロゴを目印にしていたのだとか。

この工場は1922年に建てられたものですが、ディンゴの絵は1940年に芸術家レス・ナッシュ (Les Nash) が、わずか40ポンドの報酬で描いたものと言われています。

ですがもうひとつ説があり、西オーストラリア州のビジネスマン、アラン・ボンド (Alan Bond) が描いたんだという話も。ただ、このロゴは第二次世界大戦中に一度消されて、戦後に再び描き直されているので、彼が携わったのはその時だった可能性も大きいようです。

いずれにしてもこの地域は海風が強いため、このディンゴの絵は何回も塗り直されています。

実際にディンゴが描かれた壁を見に行こう!

Dingo Lager

そんな話を聞くと、実際にそのディンゴが描かれた壁を見たくなりませんか?

『Great Southern Roller Flour Mills Limited』はパースとフリーマントルをつなぐ Stirling Highway 沿いにあり、ランドマークとされているくらいなので、すぐに見つかります。

Great Southern Roller Flour Mills Limited
111 Stirling Hwy, North Fremantle

車で行っても良いですが、フリーマントル行きの電車の中からでもしっかりと見れます。

フリーマントル駅手前、ノースフリーマントル駅に着く前に進行方向左側に見えるので、その時に窓の外を見ていれば見逃すことはないくらい目立つ建物です。

でも、ノースフリーマントル駅の周辺はノースフォーク島の松の木があるだけで何もないので、そこで降りずに電車の中から見るだけで十分かもしれません。

Dingo Lager

 

ディンゴ・ラガーは、そんなディンゴのロゴにインスピレーションを受けて作られたビールです。

Dingo Brewing Co のビール

Dingo Lager

ディンゴ・ラガーの創業者であるマシュー・ウォーカー氏 (Mathew Walker) は、もともと Great Southern Flour Mills の小麦栽培や、和牛を生産する Stone Axe Pastoral に携わっていた経緯もあり、地元の農家に強い思い入れがあります。

そのため、西オーストラリア州産の大麦や麦芽を使用することにこだわり、オーストラリアのホップ (Pride of Ringwood・Cluster・Melba) が使われた無添加のビールが完成したのです。

ビールは White Lakes Brewing (Gastevグループ) の責任者ショーン・シモンズ氏 (Sean Symons) の協力を得て醸造されています。彼は過去に Malt Shovel (Lion) で働いた経験があり、2013年に閉鎖された Swan Brewery の最後の責任者でもありました。

Swan Brewery が閉鎖されてから伝統的な地元のラガービールがなかったので、これからディンゴがそれに変わって飲まれていくのではないでしょうか。

ディンゴ・ラガーを飲む

Dingo Lager

私もディンゴ・ラガーを実際に買って飲んでみました。

しっかりとした苦味と、後を引かないあっさりとした爽やかさを感じるビールで、飲みやすかったです。

(アルコール度数は4.5%)

ディンゴ・ラガーはどこで飲める?

2022年現在、ディンゴだけのブリュワリーはまだありませんが、西オーストラリ州のいくつかのパブにはディンゴ・ラガーのタップがあるようです。

Dingo Lager

もしパブで見つけられなかったら、ボトルショップへ行ってみてください。

 

おそらくまだ他の州では売ってないと思いますが、ウェブサイトから注文もできますので、もう一度ウェブサイトを載せておきます。

フリーマントルマーケットでディンゴグッズが買える!

Fremantle Market

ところで、後から写真を見て気付いたのですが、フリーマントルマーケットでディンゴのグッズが買えるようです。左下に看板が出てますよね。

見逃したのは残念ですが、この時点で私はディンゴのロゴについての知識がなかったので、見てもピンと来なかったでしょうね。いつか機会があれば見てみたいです。

おわりに

このロゴは西オーストラリア州のものと言われても、この州に馴染みがある人でないとピンと来ないかもしれません。

ですが、このビールがいかに西オーストラリア州の要素がたっぷり入っているか、そう考えるとより一層親しみがわいてきます。

 

(参考にしたウェブサイト: WA’s Curly & Curious Tall Tales – Dingo Brewing / Dingo Flour Mill – Perth, WA, Australia – Local Business / Alan Bond’s Red Dingo connection confirmed – 9News)

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