1853年創業フロッグケーキで有名なパイの老舗「Balfours(バルフォーズ)」で、アデレード名物を!

アデレードの有名ベーカリーBalfours(バルフォーズ)は、自社の歴史を1853年に創業した「オーストラリア最古のベーカリー」と紹介している老舗です。

植民地時代に小さな店から始まり、社交場として栄えたティールーム、深夜のパイカートでも親しまれてきたお店は、現在は歴史的な建物ではなく大型ショッピングセンター内で営業しています。

Vili’sと並ぶ、南オーストラリア州の2大パイブランドのひとつであり、看板商品のカエルの顔をした愛嬌のあるフロッグケーキはスーパーマーケットでも販売されていますし、四角い形をしたスクエアパイも南オーストラリア州を象徴するローカルフードとして現在も愛されている商品です。

今回この記事では、観光でも行きやすいアデレード中心部にあるショッピングセンター『City Cross』にあるカフェと一緒に、バルフォーズの歴史やおすすめ商品を紹介します!

「せっかくアデレードに来たなら名物を食べたい」と思っている人は、参考にしてみてください。

 

Balfoursとは?

Balfours

Balfours(バルフォーズ)は、パイ、パスティ、ソーセージロール、ケーキ、ドーナツなどを製造する、南オーストラリア発祥のベーカリーブランドです。

代表的な商品は、次の4つ。

  • Frog Cakeカエルの顔を模した、南オーストラリア州のヘリテージ・アイコン
  • Square Pie1958年に登場した四角いミートパイ
  • Choccy Donut世代を超えて親しまれてきたチョコレートドーナツ
  • Custard TartBalfoursを代表する昔ながらのカスタードタルト

かつてはアデレード中心部で複数のカフェやティールームを経営していましたが、現在の中心事業は、小売店やカフェ、学校、スポーツ施設、スーパーマーケットなどへ商品を供給する卸売ベーカリーです。

現在のBalfours Caféは2店舗

Adelaide CBD

2026年8月現在、アデレードで確認できるBalfours Caféは、City CrossとWestfield Marionの2店舗になります。

店舗場所向いている人営業時間の目安
Balfours Café City CrossアデレードCBD、Rundle Mall市内観光中に立ち寄りたい人月~土 7:00~17:00、日曜休業
Balfours Café Westfield MarionOaklands Park、Westfield Marion南部郊外で買い物や食事と組み合わせたい人曜日により8:00または9:00開店、17:00または21:00閉店

Balfours Café City Cross店

Balfours

旅行者には、アデレード中心部のRundle MallにあるCity Crossショッピングセンター内のカフェが、便利です。かつてのBalfours CaféもRundle Streetにありましたが、現在のCity Cross店は旧ティールームとは別の店舗になります。

Balfours Café City Cross
場所:City Cross Ground Level, Shop FC05, 31–39 Rundle Mall, Adelaide SA 5000
営業時間:月~土曜日 7:00~17:00/日曜日休業
電話:0452 562 883
店舗情報:City Cross公式サイト
地図:Googleマップで見る
Balfours

小さい店舗ですが、よく見ると古い写真が飾られていて、長い歴史を感じさせられます。

Balfours
Eri
Eri
実は私、アデレード滞在中に何度もこのカフェの横を通っていたのですが、フロッグケーキを調べていてここがその生みの親であるバルフォーズだと知り、とても驚きました。

フロッグケーキ、スクエアパイ、チョッキードーナツ、カスタードタルトなど、バルフォーズの代表商品がずらり。

Balfours

初めてこのカフェに来たのは2024年6月26日。アデレードを発つ前日にこのカフェの存在を知り、どうしても食べたくて早起きしてこのカフェに来たので、ショーケースにちゃんとフロッグケーキがあって嬉しかったです。2025年7月3日にもリピートしています。

お目当ては、もちろんフロッグケーキ!

フロッグケーキはどんなケーキ?

Balfours

フロッグケーキは、ジャムを挟んだスポンジケーキの上に、丸いクリームのドームをのせ、全体を厚いフォンダンで覆ったケーキです。

ドーム部分へ熱したナイフで切れ目を入れると、大きく口を開けたような形になります。最後に目をつけて、カエルの顔が完成します。現在も口や目など、仕上げの一部は人の手で行われているといいます。

最初は緑色だけでしたが、後にピンクとチョコレート色も加わりました。クリスマスやフットボールの試合などに合わせ、特別な色やデザインが登場することもあります。前にインスタを見ていたら、アデレードの老舗お菓子FruChocsとコラボして、オレンジ色のフロッグケーキを作ってました。

Balfours

そしてこのケーキ、めちゃくちゃ甘いです!
この甘さが昔ながらのオーストラリアっぽいような気もしますが、スポンジ、ジャム、クリーム、厚いフォンダンを重ねているため、小さく見えても食べ応えがあります。日本人的には喉がキューっとなるくらい甘いと感じる人が多いと思うので、コーヒーや紅茶と一緒に少しずつ味わうのがおすすめです(笑)
Balfours
ちなみにコーヒーは、1983年にアデレードで生まれたコーヒーブランドBrasiliaのコーヒー豆を使ってました。

テイクアウェイの場合

フロッグケーキのテイクアウェイをする場合は、プラスチックの箱に入れてくれます。
…が、箱にケーキがくっつきやすくて、訪問した2回とも綺麗なまま持ち帰るのが至難の業だと感じました。なので、もし買う時は気をつけて持って帰ってくださいね。
Balfours

スーパーマーケットでもフロッグケーキが売られている!

実は、Balfoursは現在、カフェを多数展開するベーカリーチェーンというより、幅広い小売店へ商品を供給する商業・卸売ベーカリーとして営業しています。そのため、地元のスーパーマーケットでもフロッグケーキを買えます。

パッケージにBalfoursのブランド名が入っている商品なら、スーパーで売られているものも正真正銘のBalfours製フロッグケーキです。

フロッグケーキは2001年、ナショナル・トラストによって南オーストラリア州のヘリテージ・アイコンに認定されました。同じ年、模倣品が広がったことを受け、BalfoursはFrog Cakeの名称と形状を商標登録しています。

2026年8月現在、Balfoursのフロッグケーキは、次のスーパーマーケットの商品ページで確認できました。

  • Woolworths:グリーンの2個入り
  • Coles:グリーンの2個入り
  • Drakes:店舗により単品または2個入り

このほか、一部のFoodlandやIGAなど、独立系スーパーマーケットで取り扱われることもありますが、店舗ごとに品ぞろえが違うため、事前確認が必要です。

すべての店舗へ毎日入荷するわけではなく、在庫は店舗によって異なります。オンライン上で商品が表示されても、その日の受け取り店舗では品切れの場合があるようです。私もシティのスーパーマーケットを探したことがありますが、その時はありませんでした。

なので、確実に買いたい場合や複数個必要な場合は、事前にスーパーまたはBalfours Caféへ問い合わせるのがおすすめです。スーパーでは冷蔵デザートやベーカリー周辺に置かれていることが多く、グリーンの2個入りが比較的見つけやすい商品です。

フロッグケーキだけではないBalfoursの名物

Square Pie|四角いミートパイ

Balfours

1958年に登場したSquare Pie(スクエアパイ)は、同社史上もっとも人気を集めた商品のひとつだそうで、フロッグケーキと並ぶバルフォーズの代表商品です。

四角い形は、生地を効率よく使うために考案されたといわれています。後には、カレー味やセイボリー味など、さまざまな四角いパイも開発されました。

四角いミートパイ自体は他州にもありますが、現在も南オーストラリア州を象徴するローカルフードとして愛されているパイです。

Choccy DonutとCustard Tart

Choccy DonutとCustard Tartも、南オーストラリアの人々が子どもの頃から親しんできたBalfoursの定番です。観光客にとってはフロッグケーキが最も目を引きますが、地元の日常に近いBalfoursを知りたいなら、これらも一緒に見ておきたい商品です。

その他

Balfours

南オーストラリア州で有名なヨーヨービスケットも置いてありました。

Balfours

こんなケーキ類なども。

Balfours甘いクリームが乗っていて、中にバターが入っているパン

では、バルフォーズがどんな風に現在のような形態になったのか、少し歴史を追っていきましょう。

バルフォーズの歴史

1853年、スコットランド移民がアデレードで創業

バルフォーズの歴史は、アデレード建設からまだ17年ほどしか経っていなかった1853年に始まります。

スコットランドから移住したパン職人ジェームズ・カルダー(James Calder)と妻のマーガレット(旧姓Balfour)は、アデレードのRundle Streetに小さなベーカリー兼ショップを開きました。当初、店名に「Balfour」は入っていませんでした。

1859年にはマーガレットの甥、ジョン・バルフォー(John Balfour)が見習いとして参加。1877年に共同経営者となり、店はCalder & Balfourと名乗るようになります。

事業はビスケット製造で成長し、蒸気機械を導入したCity Steam Biscuit Factoryへ発展しました。1867年にヴィクトリア女王の次男プリンス・アルフレッドが南オーストラリアを訪問した際には、一行へビスケットを供給しています。

経営危機から店を立て直したエリザベス・バルフォー

事業は拡大し、ほかのオーストラリア植民地へ商品を輸出するまでになりました。しかし、新工場への投資と1890年代の不況が重なり、経営は行き詰まります。

そこからBalfoursを立て直した重要人物が、ジョンの妻エリザベス・バルフォー(Elizabeth Balfour)です。

エリザベスは、それ以前からティールーム運営を担っていました。1894年、Rundle Streetに自ら新しいカフェ、ケーキショップ、ベーカリーを開業。「以前のCalder & Balfourのティールームを10年間運営していたMrs Balfourの店」と広告し、昔からの顧客を呼び戻しました。

この店はその後、約110年にわたりRundle Street、のちのRundle Mallで営業を続けるBalfours Caféの基礎となります。企業名よりも、その店を再建した女性の名字が現在まで残ったという点も、Balfoursの歴史の興味深いところです。

ティールーム全盛期に生まれたフロッグケーキ

1920年代、バルフォーズはアデレード市内に3軒のカフェを構え、ビジネスマンや買い物客、社交界の人々が集まる場所になっていました。誕生日会、結婚式、ダンスなども開かれ、単にパンやケーキを買う店ではなく、街の社交場として親しまれていたのです。

このティールーム文化の中で、1923年頃に誕生したと考えられているのがフロッグケーキです。

発案者については複数の説があり、正確には確定していません。長く語られてきたのは、バルフォー家の人物がヨーロッパ旅行中に見た菓子から着想を得たという説です。食文化史家ジャン・オコンネルの調査では、1923年にパリを訪れたジャック・バルフォー(Jack Balfour)が、フランス菓子店のフォンダンで覆ったプティフールから発想した可能性が指摘されています。

ただし、なぜカエルの顔にしたのかは、はっきり分かっていません。

Balfoursとアデレード駅前のパイフローター

バルフォーズは南オーストラリア州で有名なパイフローターの発祥店ではありませんが、アデレードでこの名物を広く記憶に残した、重要な提供者のひとつです。

1987年、Balfoursは、アデレード駅前で営業していたOven Door Pie Cartと営業許可を取得。翌1988年には、南オーストラリアの旧型鉄道車両「Red Hen」をイメージしたGreat South Australian Pie Cartを開業しました。

夕方から早朝まで、クリスマス以外ほぼ毎晩営業し、Balfoursの四角いパイを使ったパイフローターを提供。1998年頃には、年間約4万食のパイフローターを販売していたと記録されています。

2005年にパイカートはSkyCity Casinoへ売却され、その後、North Terraceのトラム延伸など街の変化によって姿を消しました。フロッグケーキがBalfoursのティールーム文化を象徴するなら、駅前のパイカートは、アデレードの深夜のストリートフード文化を象徴する存在だったといえるでしょう。

昔の本店はどこへ?Balfoursがスーパー中心になった理由

かつてRundle Streetで栄えたBalfours Caféは、昔ながらのティールームを利用する人の減少とともに規模を縮小しました。最後まで残ったRundle Mallのカフェも2004年に閉店。同じ年、製造拠点もアデレードCBDからDudley Parkの工場へ移りました。

旧カフェの建物は、地域社会との強い結びつきを理由に、現在も州遺産(State Heritage Place)として登録されています。しかし、現在営業しているBalfours Caféは、この歴史的店舗とは別の場所です。

カフェや直営小売店から、スーパー、学校、スポーツ施設、一般のカフェなどへ商品を卸す製造業へ。Balfoursは時代に合わせて、事業の中心を変えてきました。

そのため、巨大なショッピングセンター内に現在のカフェがあり、フロッグケーキがスーパーにも並ぶという、一見すると老舗らしくない姿になっているのです。

Balfours

Balfours Café Westfield Marion

Westfield Marion店のインフォメーションも書いておきます。アデレード南部のOaklands Parkにある大型ショッピングセンター内のカフェです。Balfours商品だけでなく、地元の専門ベーカリーから仕入れたケーキなども扱い、コーヒーと食事を店内で楽しむことも、テイクアウェイすることもできます。

店舗はJB Hi-Fiの近く、Bus Interchange Car Park Level 1側にあります。大きなショッピングセンターなので、訪問前に公式フロアマップで位置を確認しておくと安心です。

Balfours Café Westfield Marion
住所:297 Diagonal Road, Oaklands Park SA 5046
場所:Westfield Marion内、JB Hi-Fi付近
営業時間:曜日により異なるため公式ページで確認
電話:(08) 8296 6930
店舗情報:Westfield Marion公式サイト
地図:Googleマップで見る

170年以上、姿を変えながら生き残ったアデレードの味

Balfoursの現在の姿だけを見ると、大型ショッピングセンターにあるベーカリーカフェや、スーパーで買える菓子メーカーに見えるかもしれません。

しかし、その背景には、スコットランド移民が開いた植民地時代のベーカリー、経営危機から店を再建したエリザベス・バルフォー、市民の社交場だったティールーム、南オーストラリア独特のフロッグケーキ、そして深夜のパイカートという、アデレードの食文化そのものがあります。

会社は何度も経営危機と所有者の変更を経験しました。2008年には南オーストラリア発祥のSan Remoが買収し、2023年には西オーストラリア州のAus Pie Coへ売却。2026年、南オーストラリア州の家族経営メーカーUnique Homestyle Foodsが取得し、Balfoursは再び南オーストラリア資本へ戻りました。

現在の経営者は、フロッグケーキ、Square Pie、Choccy Donut、Custard Tartといった昔ながらの商品を残す方針を表明しています。

南オーストラリアを訪れたら、ぜひBalfoursのフロッグケーキを探してみてください。カフェで選んでも、スーパーでBalfoursのパッケージを見つけても、どちらも170年以上続く老舗の歴史につながる本物です。

 

参考・関連情報
Balfours公式:Our Story
Balfours公式:Balfours is back in SA!
State Library of South Australia:A Brief History of Balfours
Experience Adelaide:Former Balfour’s Shop and Cafe
Australian Food Timeline:Balfours Frog Cakes introduced
ABC News:アデレードのパイフローター文化

※店舗・商品・所有者情報は2026年8月25日に確認しました。営業時間、取扱商品、価格、在庫は変更されることがあります。