アデレード名物!ノースアデレード『Blue & White Cafe』発祥の豪快ローカルフード「AB」ってなに⁉︎

南オーストラリア州には、パイフローターやフロッグケーキなど、その州独自の食べ物が多くありますが、AB(エービー)と呼ばれる個性的なローカルフードもそのひとつです。

熱々のチップスにラムやチキンのイロス肉をたっぷり載せ、ガーリックソースなどをかけた豪快な一皿。東海岸で広く知られているHalal Snack Pack(HSP)とよく似ていますが、アデレードではそれより以前から親しまれてきたといわれています。

現在、ABはGreater Adelaide各地のイロス店やケバブ店で提供されていますが、その発祥地として知られているのがアデレード中心部の北側にあるNorth Adelaide(ノースアデレード)にあるBlue & White Caféです。

この記事では、そんなABと発祥カフェについて紹介します!

※ イロス(Yiros)とは、味付けしたラムやチキンを回転式グリルで焼き、表面から薄く削いだギリシャ系の肉料理です。

 

アデレード名物「AB」とは?

North Adelaide

ABは、器いっぱいに盛られたチップスの上にイロス肉を載せ、ガーリック、チリ、バーベキュー、トマトなどのソースをかけた料理です。店によって肉やソースの組み合わせ、チーズや玉ねぎなどの追加トッピングが異なります。

現在Blue & White Caféで提供されているABは、次の3種類です。

  • Lamb AB:ラム肉
  • Chicken AB:チキン
  • Lamb and Chicken Combo AB:ラムとチキンの両方
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2026年8月にUber Eatsへ掲載されている価格は、いずれもA$30です。ただし、店頭価格やメニューは変更される可能性があります。

あと、量に注意!

ABは、軽いスナックというより「食事の中にもうひとつ食事が入っている」と表現されるほどボリュームのある料理です。食べ切れるか心配な人は、注文時にサイズを確認するか、複数人でシェアするのをおすすめします。

Halal Snack Pack(HSP)とは何が違う?

チップスの上に肉とソースを載せる見た目から、ABはしばしば、Halal Snack Pack(HSP)のアデレード版と説明されます。実際、こちらもオーストラリア発祥で、料理の構成はよく似ています。

しかし、ABはNorth Adelaideのバーガーショップやイロス文化の中で育ったローカルフード。一方、HSPはハラール対応の肉を使用することが前提となる名称。ABという名前だけでは、ハラール対応を意味しません。宗教上の食事制限がある場合は、使用されている肉や調理方法を店に確認してくださいね。

HSPがオーストラリアで広く話題になる以前から、南オーストラリア州では同様の料理がABとして食べられていたというのも、地元の人たちがこの料理に強い愛着を持つ理由のひとつです。

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ちなみに80年代発祥ということで、子供の頃にアデレードからシドニーに引っ越したうちのパートナーは、存在を知りませんでした。もちろんHSPは知ってます。

「AB」は何の略?

気になるのが、ABという少し謎めいた名前です。

その由来には複数の説がありますが、どれも食べ物の名前としてはかなり強烈。

実は発祥店だと主張するお店は2つあり、2016年のBroadsheetによる両店への取材では、Blue & White Café側は「Abortion」、ライバル店だったNorth Adelaide Burger Bar(通称 Red & White)側は「Afterbirth」という俗称を紹介しています。

おそらく、肉・チップス・ソースが混ざった見た目を、Abortion = 人工中絶、Afterbirth = 出産後に出てくる胎盤や卵膜などのように、わざと生々しいものにたとえた悪趣味なジョークなのでしょうが、そのままでは刺激が強いため、やがて頭文字だけの「AB」が定着したとのこと。

North Adelaide Burger Bar側では、後にメニュー上の意味を「Atomic Bomb」へ変更していました。それはそれで…ですけどね。

この名前の由来を知らなかった方が美味しく食べれたかもしれませんが、この少し悪趣味なユーモアも含めて、夜遅くに学生や地元客が食べてきたアデレードらしいB級グルメなのかもしれません。

ABの元祖はどっち?North Adelaideのライバル2店

North Adelaide

ABの歴史を語るうえで欠かせないのが、O’Connell Streetにあった2軒の老舗です。

  • Blue & White Café(43 O’Connell Street)
  • North Adelaide Burger Bar(通称 Red & White)(51 O’Connell Street・2024年閉店)

両店はわずか数軒しか離れておらず、どちらもABの元祖を主張していました。

Blue & White Caféの説

Blue & White Caféは1954年創業。Broadsheetの取材に対し、当時の店主Tony Formato氏は、1989年頃に近くのLincoln Collegeの学生たちと一緒にABを作ったと説明しています。

もともと神学生のひとりが食べていた「チップスと肉にガーリックソースをかけたもの」を発展させ、ABという料理にしたという説です。North Adelaide Burger Bar(Red & White)側も、Blue & Whiteがこの料理に「AB」という名前を付けたとは認めていました。

Red & White側の説

一方、Red & Whiteは、名前が付くずっと前からチップスと肉を組み合わせた料理を提供していたと主張。過去の店主から受け継いだレシピがあり、1960年代頃から似た料理を食べていたという客の証言も紹介されています。

つまり、料理の原型を先に出したのはRed & White、ABとして名前を付けて完成させたのはBlue & Whiteという見方もできます。ただし、決定的な記録はなく、元祖争いの答えは現在もはっきりしていません。

残念ながら、Red & WhiteことNorth Adelaide Burger Barは、約73年にわたる営業を終え、2024年6月に閉店しました。ということで、現在、発祥地North AdelaideでABの歴史を受け継いでいる店は、Blue & White Caféということになります。

(旧Red & Whiteのあった51 O’Connell Streetは、現在別の店になっています)

Blue & White CaféでABを食べる

North Adelaide

Blue & White Caféは、North Adelaideの中心を通るO’Connell Street沿いにある昔ながらのテイクアウェイ店です。ABのほか、イロス、ハンバーガー、ホットドッグ、フィッシュ&チップスなども販売しています。

店名Blue & White Café
住所43 O’Connell Street, North Adelaide SA 5006
電話(08) 8267 2243
営業時間月曜:休み
火〜木曜:11:00〜22:30
金曜:11:00〜翌1:30
土曜:12:00〜翌0:30
日曜:12:00〜22:30
ABの種類Lamb/Chicken/Lamb & Chicken Combo
リンクGoogleマップ / Facebook / Instagram / Uber Eats掲載メニュー
営業時間とメニュー、価格は2026年8月25日に確認した情報です。祝日や店舗の都合で変更されることがあるため、訪問前に公式SNSや店舗へご確認ください。デリバリーサービスと店頭では価格が異なる場合があります。

North Adelaideで味わいたい、知る人ぞ知るアデレード名物

チップス、肉、たっぷりのソースというシンプルな料理ながら、ABには学生街North Adelaideの歴史と、2軒の老舗による元祖争いが詰まっています。

HSPに似た料理はオーストラリア各地で食べられますが、ABという名前で長年親しまれてきたのはアデレード。せっかくSouth Australiaを訪れるなら、発祥地とされるO’Connell Streetで、この豪快なローカルフードに挑戦してみてはいかがでしょうか。

ほかにもSouth Australiaには、FruChocs、ヨーヨービスケット、フロッグケーキ、パイフローターなど、州外では知られていない独特の食べ物がたくさんあります。詳しくは「アデレード出身のパートナーが必ず買う南オーストラリア州でしか食べれない物7選」もご覧ください。

 

参考資料
Broadsheet:Halal Snack Pack? No, Adelaide’s Version is Called an “AB”
Uber Eats:Blue and White Cafe掲載メニュー
Adelaide Localista:Blue and White Cafe
Nine:North Adelaide Burger Bar閉店の報道