鮮やかな色彩が印象的なケン・ドーンのアート

ケン・ドーン (Ken Done) はとても色鮮やかな絵を描くオーストラリアの有名なアーティストです。 その力強い色彩は、まさにオーストラリアの雰囲気そのもの。日本でも80〜90年代頃に日本の雑誌の表紙を飾ったりと一世を風靡した時代があったので、名前を聞いた事がある人もいるのではないでしょうか。 そんな彼のアートに直接触れてみたいという人は、ぜひシドニーのロックス (The Rocks) にある彼のギャラリーに行ってみてください。 とても小さなギャラリーですが、ケン・ドーンの生の絵を間近で見る事が出来るほか、洋服やポスター、関連書籍なども販売されています。  

ケン・ドーン アートギャラリー

シドニーのロックスにケン・ドーンのアートギャラリーがあり、規模はそんなに大きくありませんが、彼の本物の絵の鑑賞やグッズ販売もしています。
THE KEN DONE GALLERY 1Hickson Road, The Rocks, Sydney NSW 2000 http://www.kendone.com.au
数年くらい前まで州を問わずケン・ドーンのお店があちこちにあって、ロックスのメインストリートにもお店があったのですが、現在は姿を消しています。 現在売られている衣服は、Tシャツ、パーカー、水着がメインでしょうか。 Ken Done 昔はもっと種類が多くて「なんてかわいいんだろう…」と、いつもお店の前を通ると見とれていました。 オーストラリアを象徴するようなデザインも多いので、オペラハウスのタンクトップを来ていたら「それ、観光客が着るシャツじゃないの?」とか言われたこともありますが、気分が上がるのでたまに着ています。

ケン・ドーンについて

1940年にシドニー北部の町で生まれたケン・ドーンは、14歳の時に高校を中退し、1954年から1959年までの間シドニーのナショナルアートスクールでアートを学んだ後、ニューヨークやロンドンに拠点を置く広告代理店でアートディレクター・デザイナーとして成功を収めていました。 しかし、40歳の時にその仕事を去る事を決意して画家活動に専念し始めます。 1980年にシドニーで彼の一番最初の個展を開いてから現在までに日本、フランス、アメリカ、イギリスなど、50以上の個展を開催しています。 1988年にクイーンズランド州の州都ブリスベンで開催された世界博覧会で大きな注目を集め話題になったアートが上の写真です。 たまたま2007年にゴールドコーストからヌーサに車で行く途中、道路沿いで見掛けたのですが、その時私はケン・ドーンの作品だとは知りませんでした。 そして、彼のアートがプリントされた洋服などで有名な “Done Art and Design” という会社は設立当初は小規模でしたが、シンプルで大胆なシドニーハーバーがプリントされたTシャツはすぐに話題となり1993年にはオーストラリアのファッション産業大賞を受賞しました。 そして1989年から1999年までの間、日本の雑誌 “Hanako” の表紙を毎回担当。

写真: http://www.kendone.com.au/からお借りしてます。

1995年には当時のオーストラリア首相 Paul Keating に 旗のデザインを依頼されたり、2000年のシドニーオリンピックのアートも任されたりと、重要なプロジェクトにも参加しています。 基本的に明るくて色彩豊かな彼の絵ですが、2012年に日本がシドニー湾を攻撃した時の絵とかも描いてます。 これらのアートワークはホームページの PROJECTS に載っていますので、興味があれば見てみてください。現在でも彼の活動は続いています。

おわりに

初めて彼の絵を見た時「何故こんな子供みたいな絵が人気あるの?」と思ってしまったのですが、一見単純そうに描いた線のようで、周りがぱあ〜と明るくなるような不思議な魅力があります。 それに、彼が実物に忠実に描いた貝殻の絵は、まるで写真のようにキレイでした。 オーストラリア人も好んで彼の絵を家に飾る人は多く、何といってもケン・ドーンの絵はこの国によく似合うんですよね。 たとえオーストラリアにいなくても、部屋に絵を飾ればきっとオーストラリアの気分になれるでしょう。   [itemlink post_id="58844"] ]]>