ノース・アデレード(North Adelaide)はアデレードCBDのすぐ北にありながら、観光客が通り過ぎてしまいがちなエリアです。
しかし実際に歩いてみると、24時間営業のベーカリー、落ち着いたビストロ、多国籍レストラン、そして19世紀の面影を残すパブまで、食べ歩きの選択肢は驚くほど豊富で、アデレード再訪者や長期滞在者にもおすすめしたい、もうひとつの「食の街」です。
この記事では、旅行者が店を選びやすいように、ノース・アデレードの飲食店をエリア別・利用シーン別に紹介します。掲載店は現地での実食ランキングではなく、各店と公的観光情報の発信内容をもとに選んだ候補です。実際に訪れた店については、今後、体験記を別記事として追加していきます。
飲食店は閉店・移転・営業時間変更が比較的多く、特に月曜・日曜、祝日、Adelaide Ovalのイベント開催日は通常と異なる場合があります。この記事では細かな営業時間を固定せず、各店の公式ページへリンクしています。(営業情報確認:2026年8月25日)
- 1 まず知っておきたい、2つの飲食エリア
- 2 O’Connell Street周辺|選択肢の多いメインストリート
- 2.1 Bakery on O’Connell|時間を選ばない24時間ベーカリー
- 2.2 Perryman’s Artisan Bakery|建物でも選びたい老舗ベーカリー
- 2.3 Eighty Eight O’Connell|新しい食のまとまり
- 2.4 Mercato|イタリア食材店とカフェ・バーを一度に
- 2.5 Shadow Baking + Gelato Messina|朝のペストリーから夜のジェラートまで
- 2.6 Yakisan|火を軸にした日本料理で、少し特別な夜
- 2.7 ODÉ Bistro|ワインと季節料理を楽しむ近隣型ビストロ
- 2.8 Ruby Red Flamingo|にぎやかに囲むイタリア料理
- 2.9 Marrakech Restaurant|タジンやクスクスを楽しむモロッコ料理
- 3 Melbourne Street周辺|落ち着いた街歩きと多国籍料理
- 4 Adelaide Oval・St Peter’s Cathedral周辺|観戦前後の歴史あるパブ
- 5 目的別に選ぶなら、この店
まず知っておきたい、2つの飲食エリア

ノース・アデレードの飲食店は、主にO’Connell Street(オコンネル・ストリート)とMelbourne Street(メルボルン・ストリート)の2か所に集まっています。どちらも街路樹と歴史的建築が残る散策向きの通りですが、雰囲気と使い方が少し違います。
| エリア | 雰囲気 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| O’Connell Street周辺 | 店数が多く、新旧の店が混在。2025年開業の複合施設「Eighty Eight O’Connell」も加わった | 店を見比べたい、朝食、ベーカリー、デザート、少し特別な夕食 |
| Melbourne Street周辺 | 低層の歴史的建築と小規模店が続く、落ち着いた“村”のような雰囲気 | ゆっくり朝食、多国籍料理、ホテル周辺の夕食、歴史あるパブ |
| Adelaide Oval・大聖堂周辺 | 試合・コンサートの日は一気に賑わう。歴史あるパブが点在 | 観戦前後の食事、ビール、建築散策と組み合わせる |
O’Connell Street周辺|選択肢の多いメインストリート
Bakery on O’Connell|時間を選ばない24時間ベーカリー
南オーストラリア名物も食べれる24時間ベーカリー
パイ、ドーナツ、ペストリー、ケーキなど選択肢が多いベーカリーは、店内で200種類以上を製造し、24時間・週7日営業しているという、旅行者にとっても使い勝手がよい店のひとつです。出発前の早朝散歩や夕食後の甘いものなどにも利用できます。
南オーストラリア名物のPie floater(パイ・フローター)を扱う店としても知られているので、ローカルフードをひとつ試したい人もぜひ!
公式サイト
Perryman’s Artisan Bakery|建物でも選びたい老舗ベーカリー
朝食やテイクアウェイと歴史建築
Tynte Streetにある、ベーカリーそのものの歴史を味わえる店です。この場所では1850年代からほぼ継続してパンが焼かれ、Perryman家が店を始めたのは1925年。現在も伝統的なレシピを受け継ぎ、パン、パイ、ソーセージロール、ケーキなどを店内で焼いています。

24時間型のBakery on O’Connellに対し、こちらは小さな歴史散歩に組み込みたいベーカリー。建物は州遺産にも登録されています。朝の散策中にパンや焼き菓子を買うのに向いています。
Eighty Eight O’Connell|新しい食のまとまり

長く空き地だった旧Le Cornu跡地に、複合施設Eighty Eight O’Connellが2025年10月に正式開業しました。17以上の商業区画を含み、新しい飲食店が集まるため、短時間で数軒を見て回りやすい場所です。
Mercato|イタリア食材店とカフェ・バーを一度に
朝食・ランチ・買い物・ワイン
1972年に始まった南オーストラリアの家族経営ビジネス。イタリア食材、デリ、パンや菓子、ワインなどの買い物に加え、コーヒーや軽食、バー利用もできます。「レストランで一食」だけでなく、滞在中の食料調達や、お土産探しにも使えるのが強みです。
公式サイト
Shadow Baking + Gelato Messina|朝のペストリーから夜のジェラートまで
ペストリー・コーヒー・ジェラートの新店
2026年4月に開業した、ベーカリーとジェラート店の共同店舗です。午前中はShadow Bakingの甘い・塩味のペストリーやフォカッチャ、コーヒー、昼以降はGelato Messinaのジェラートが中心。朝と夜で使い方が変わるため、散策ルートに入れやすい店です。
開業後に屋外席の調整があり、ブランチ提供が変更された時期もあります。「着席ブランチ」ではなく、まずはペストリーやジェラートのテイクアウェイ候補として考え、当日の提供内容を確認すると安心です。
Yakisan|火を軸にした日本料理で、少し特別な夜
火を使った調理を中心に据える、日本料理に着想を得たレストラン。オープンキッチン、カウンター、ブース、屋内外の席があり、調理の様子も含めて楽しむタイプの店です。気軽な寿司店というより、料理と空間を目的に予約して出かける夕食の候補です。
公式サイト
ODÉ Bistro|ワインと季節料理を楽しむ近隣型ビストロ
ディナー・ビストロ・ワイン・予約向き
自らを“neighbourhood bistro”と表現する、料理とワインをゆっくり楽しむ店です。大げさな高級店というより、質の高い料理を落ち着いて味わう現代的なビストロ。夫婦や友人同士での夕食、旅の中の少し特別な一食に向いています。
公式サイト
Ruby Red Flamingo|にぎやかに囲むイタリア料理
O’Connell Streetから少し入ったTynte Streetにあるイタリア料理店。料理をテーブルで分け合うような食事や、家族・友人とのにぎやかな夜に合わせやすい雰囲気です。週の前半や日曜は営業形態が限られるため、日付が決まったら公式サイトで確認・予約を。
公式サイト
Marrakech Restaurant|タジンやクスクスを楽しむモロッコ料理
タジン、クスクス、モロッコ風のパイやミントティーなどを扱う店。オーストラリアのカフェやパブとは違う夕食を選びたいときに頼れる存在です。複数人なら宴会形式のメニューも検討しやすく、香辛料の香りと異国的な雰囲気を楽しめます。
公式サイト
Melbourne Street周辺|落ち着いた街歩きと多国籍料理
UR Caffè|朝食とオールデイ・ブランチ

2011年からMelbourne Streetで営業し、朝食とオールデイ・ブランチを週7日提供するカフェ。朝の時間を使って散策したい旅行者が、その前後に入りやすい店です。公式サイトでは予約を取らず、ウォークインのみと案内されています。
住所:117 Melbourne Street
公式サイト
Lotus Story|ランチにも使いやすいベトナム料理

ベトナム料理を現代的に見せるレストランで、公式サイトでは週7日のランチとディナーを案内しています。パブ料理や西洋料理が続いたときに、麺、ハーブ、野菜を使う料理へ切り替えたい旅行者にも選びやすい一軒です。
住所:83 Melbourne Street
公式サイト
The Himalayan Kitchen|家庭的なチベット・ネパール料理

家族経営で、家庭料理を軸にしたチベット・ネパール料理店。肉料理だけでなく、ベジタリアン、ヴィーガン、グルテンフリーの選択肢も発信しています。派手な観光店ではなく、近隣の通りで長く親しまれてきた多国籍店を試したい人に向いています。
住所:73 Melbourne Street
City of Adelaideによる紹介
Edi’s Kitchen|ホテル内で楽しむスリランカ×南オーストラリア
Mantra Meridien Adelaide内のレストラン。南オーストラリアの食材に、スリランカ料理の香りやスパイスを組み合わせています。宿泊者なら、移動せずに朝食や夕食を取れるのが最大の利点。営業しない期間が案内される場合もあるため、宿泊予約やフロントでの確認が確実です。
住所:21–39 Melbourne Street(Mantra Meridien Adelaide内)
公式サイト
The Lion Hotel|飲食店であり、旧醸造所の入口でもある

カジュアルなパブ料理、レストラン、バー、屋外スペースを持つ大きな店で、時間帯や同行者に合わせて使い分けやすいのが特徴です。南オーストラリア産ワインにも力を入れており、「ビールだけのパブ」ではありません。
そしてブリュワリー好きなら見逃せないのが、この場所が1870年にLion Brewery and Malthouseとして始まったこと。William BaileyとFrederick Stanleyが建築家Daniel Garlickに設計を依頼した醸造所、モルトハウス、窯、倉庫の建物は現在も残っています。今のホテルで食事をしながら、19世紀の産業施設の一部を見られる、ノース・アデレードらしい一軒です。
住所:161 Melbourne Street
公式サイト / 公式ヒストリー
Adelaide Oval・St Peter’s Cathedral周辺|観戦前後の歴史あるパブ
Adelaide OvalとSt Peter’s Cathedralの周辺には、州遺産に登録された古いホテルが残っています。観光と食事を組み合わせやすい一方、試合やコンサートの日は混雑し、営業時間やメニューが通常と変わることがあります。
Queen’s Head Hotel|1838年から続く場所で一杯

1838年創業で、同じ場所で営業を続ける南オーストラリア最古級のライセンス店として知られるパブ。Adelaide Ovalの近くにあり、観戦前後の食事やビールに便利です。イベント日は営業時間が変わる可能性があるため、公式サイトの案内を確認しましょう。
Cathedral Hotel|大聖堂の向かいで休憩

St Peter’s Cathedralの向かい、Adelaide Ovalから短い徒歩圏にある州遺産登録のホテル。2つのバー、ダイニングルーム、Kermode Street側の屋外席を備えます。大聖堂やOvalを見たあと、CBDへ戻る前に休憩する場所として位置が分かりやすいのが利点です。
住所:45 Kermode Street
公式サイト / ホテルの歴史

パブの向かい側にはCathedral Snack Bar & Cafeも。南オーストラリア州で有名パイブランドBalfoursのロゴが目立っていますが、バインミー(ポークロール)をメインとしたお店のようです。
アデレードの有名ベーカリー『Balfours(バルフォーズ)』は、自社の歴史を1853年に創業した「オーストラリア最古のベーカリー」と紹介している老舗です。 植民地時代に小さな店から始まり、社交場として栄えたティールーム、深夜のパイカ[…]
目的別に選ぶなら、この店
| こんなとき | 候補 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 早朝・時間が読めない | Bakery on O’Connell | 24時間営業で、軽食から甘いものまで選べる |
| 朝食をゆっくり | UR Caffè、Mercato | 朝食・ブランチまたはコーヒーと軽食に使いやすい |
| 歴史散歩に食を足す | Perryman’s、The Lion | 食べ物だけでなく建物の歴史も見どころ |
| 一人で気軽に | Bakery on O’Connell、UR Caffè、Shadow Baking、Lotus Story | 短時間利用や軽めの一食に調整しやすい |
| 旅の特別な夕食 | Yakisan、ODÉ Bistro | 料理と空間を目的に訪れたい。事前予約向き |
| 家族・グループでシェア | Ruby Red Flamingo、Marrakech | 複数人で囲みやすい料理と雰囲気 |
| 多国籍料理を楽しむ | Himalayan Kitchen、Lotus Story、Edi’s Kitchen | ネパール・チベット、ベトナム、スリランカ系から選べる |
| ビールと歴史 | The Lion、Queen’s Head、Cathedral Hotel | 19世紀の建物やパブ文化と一緒に楽しめる |
| デザートだけ | Gelato Messina | 食後や散歩途中に立ち寄りやすい |
短時間しかない旅行者への選び方
1~2時間なら、1本の通りに絞る
O’Connell StreetとMelbourne Streetは離れているため、短時間で両方を回ろうとすると「歩いて終わった」になりがちです。滞在先がMelbourne Streetなら、UR CaffèやThe Lionを軸に近所を歩く。店の多さを楽しみたいならO’Connell Streetへ移動する、という選び方が現実的です。
営業時間より先に「食べたいもの」を決める
ベーカリー、ブランチ、パブ、予約型レストランでは、使える時間帯がまったく異なります。「朝のペストリー」「夕食後のジェラート」「歴史ある場所でビール」など目的をひとつ決め、次に営業を確認すると候補を絞りやすくなります。
Adelaide Ovalのイベント日を確認する
イベント日はOval周辺のパブだけでなく、King William RoadやO’Connell Streetにも人が流れます。にぎやかさを楽しむなら好都合ですが、静かな夕食を希望するなら予約するか、Melbourne Street側を検討するとよいでしょう。
ノース・アデレードは、「観光地の外」ではなく、暮らすように食べ歩く場所。
有名スポットを急いで巡るより、歴史ある通りを歩き、気になるベーカリーに入り、古いパブの建物を眺める。そんな過ごし方が似合います。今回すべて回れなくても、次のアデレード旅行の候補リストとして少しずつ試していけるエリアです。
記事作成時の主な確認先
City of Adelaide:O’Connell Street
Experience Adelaide:North Adelaide
Eighty Eight O’Connell:開業案内
各飲食店の公式サイト・公式営業案内(本文中にリンク)
