さあ、南オーストラリア州の州都アデレードから西側を走っていますが、次の町はアデレードから Princess Hightway を北へ約150kmほど行ったスノータウン (Snowtown) という町です。
なぜこの人口約500人の小さな町に来たのかと言うと、私のビッグシングスのリストがヒットしたからです。
…は?
その前の話
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スノータウンという町
そうなんです。普通の旅行者は素通りしてしまうような何でもない町なのですが、この町は1999年に発覚したオーストラリア史上最悪な殺人事件の現場でもあり、その話は『スノータウン』という映画にもされ、不名誉に有名になってしまった町でもあるのです。
…そう思ったら、スノータウンという名前の由来は人の名前でした。
1878年に南オーストラリア州知事 William Jervois がこの町を正式に町として承認した時に付けられた名前で、補佐官の Thomas Snow からなのか秘書の Sebastian Snow からなのかは定かではないようですが。
Kaurna語を喋る原住民が住んでいたこの地にヨーロッパ人が来たのが1867年 〜 1869年頃。
この町は、ウィートベルトと呼ばれる南オーストラリア州の小麦生産地域のひとつでもあります。
町のインフォメーション (英語)
http://www.aussietowns.com.au
ビッグブレード?
ここに来た主な目的はこれ、スノータウンの『Big Blade』。町を入ったら奥に公園があって、すぐに見つかりました。
ブレードって何かと思ったら、風力発電のハネの部分だそうです。2006年、2013年とスノータウンに風力発電所 (ステージ1、2) が作られ、南オーストラリア州の10%の電力はこの町で供給されています。これはその象徴といったところでしょうか。
うーん、“ビッグシングス” ってだいたいはその土地で採れる名産とか有名人とか動物とかが多いんですけど、これは実際に使われていた部品を飾ってるんですよね?
なので、これをビッグシングスに入れるのかは微妙な気もしますが、まあ私もこれがきっかけでここに来たわけですし、こういうのもその土地を知る手掛かりになって良いですね。
ビックブレードの隣には、風力発電について詳しく書かれた説明の看板もあります。
この公園にはバーベキュー台や休憩も出来るベンチもあるので、ここでゆっくり出来ます。…って、暑過ぎて今日は無理ですけどね。
12月下旬、この時オーストラリア中が暑かったので、いつもこの気温ではないとは思いますが、とにかく外にいると焦げるんじゃないかというほどの暑さでした。
ちゃんと犬用の袋も
ちなみに公園の片隅には、ひっそりと開拓者の記念碑もありました。私、こういうのが地味に好きなんですよね〜。
映画にも使われたストリート
そして、この町には古い建物が多く残っていて、特にこの Railway Terrace という道路は映画の中にも出て来ます。
何となく雰囲気がありますね。
Old Institute (1889年) に併設されている Snowtown Memorial Hall(1919年)
スノータウンホテル (1868年)
それにしても…この日、ものすごい猛暑でクリスマスホリデーのせいもあったのか、人を全く見掛けないのがゴーストタウンのようでちょっと不気味でした。
さっきビッグブレードの所で観光客っぽい白人カップル1組だけ見た以外、人っ子ひとり歩いていません。
しかも、パートナーが「あ、多分あの建物が事件の現場じゃないかな?」なんて言うので、更に怖くなってしまって…。(スノータウンの人、ごめんなさい。)
この旅行の後、シドニーに戻ってからすぐ映画を観て確認しましたが、ビンゴ…。
建物はそのまま映画に使われていて、内容は想像以上におぞましい感じでした…。後でパートナーに「Did you enjoy?」と聞かれましたが、エンジョイじゃねーよw
信じられない事に、事件現場の古い銀行跡は$180,000で売りに出され、カップルが買って住んでいたみたいなんです。え…?(現在の状況は謎。)
その映画のレビュー記事も書いてますので、もし興味があればどうぞ。
映画『スノータウン』(2011年公開)
年代を感じさせるスーパーマーケットに…
同じストリートにはスーパーマーケットもあり、とにかく本当に暑かったので飲み物でも買おうという事に。
中は冷房が入っていて快適。それにレジにちゃんと人がいました!ああ、良かった。当たり前の事なのにホッ…。
それにしてもこのスーパーマーケット、体育館を改造したのかと思うような不思議な内装です。
併設されているポストオフィスもかなり古そう…。
更に、お会計の時にふと見るとレジ台が木製‼︎ こんなの初めて見ました!
昔のレジ台がどうだったのかは知りませんが、まるで何十年か前にタイムスリップしたような、もしくはここだけ時間が止まって取り残されたような錯覚を覚えました。
※ 私の好きな妄想ごっこです、すみませんw
冗談はさておき、このレジ台はおそらく事件がある以前からずっと変わらずここにあったんだと思うと、不思議な気がします。
そして、この小さな田舎町で起こった大事件のせいで、レジのお姉さんは人生の中で何十回、何百回となく「ああ、あの事件のあった町の…」とか言われて来てるんじゃないだろうか…。お姉さんがフレンドリーだったので尚更複雑な気持ちで勝手な妄想をしてしまいました。
ちょっと事件の話が強烈だったので、色々と関連付けて考え過ぎたかもしれませんね(汗)
おまけ
最後に、この町に入って来た時にすぐ見えた、カラフルな建物の近くまで行ってみました。
ウォータータンク?派手なペイントが遠くからでもかなり目立ちます。
先日、お義母さんにサイロ (小麦粉などを格納する巨大な倉庫) にペイントするサイロアートが流行っていると聞きましたが、これもまたその一環のようなものでしょうか。
裏側
中の様子
近くに行くと、中にいた鳥の大群がけたたましく鳴きながら一斉に出て来たので、ものすごくびっくり(笑)
おわりに
町を出てちょっと北上していたら、遠くに風力発電所 (Wind Farm) が見えました。分かりますかね〜?
スノータウンは、今回の旅で特に印象に残った町のひとつです。
スノータウンから少しだけ足を伸ばせば、湖が塩でピンク色に見えるバンバンガ湖 (Bumbunga Lake) も近いですし、ワイナリーのあるクレアバレー (Clare Valley) にも約45km (車で30分くらい) で行けますよ。
私たちはエアー半島に向かいますけどね!
エアー半島までの道のり
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