映画 SNOWTOWN (スノータウン) のあらすじ・感想

映画 SNOWTOWN (スノータウン) のあらすじ・感想

今回紹介するのは、実際の事件を映画化した『スノータウン (Snowtown / Snowtown murders) 』です。

(出典: https://en.m.wikipedia.org/wiki)

この映画は南オーストラリア州アデレードから北へ約140kmほどの小さな町スノータウンで、1992年から1999年にかけて起こった猟奇殺人事件を元にしていて、この地域で育った監督のジャスティン・カーゼルのデビュー作でもあります。

カーゼルは演技経験のない地元の人たちを多く採用してこの映画を作ったのですが、彼の予想に反して出演を渋る人たちの説得は苦労したそうです。

2011年のアデレードフイルムフェスティバルで “オーディエンスアワード” を受賞し、同年のカンヌ国際映画祭では特別審査員賞を受賞した作品なのですが、日本では劇場未公開。作中では日本ではアウトになりそうな表現が多々あるのでそれは納得です。

タイトルSnowtown / Snowtown murders (スノータウン)
監督Justin Kurzel
製作Anna McLeish / Sarah Shaw
脚本Shaun Grant
公開2011年
上映時間120分

 

出演:
Jamie Vlassakis役:
ルーカス・ピッタウェイ (Lucas Pittaway)
John Bunting役:
ダニエル・ヘンシュオール (Daniel Henshall)
Elizabeth Harvey役:
ルイーズ・ハリス (Louise Harris)
Barry役:
リチャード・グリーン (Richard Green) 他

 

 

私の総合的感想:

 

えーっと、最初からこんな事を言うのもどうかと思いますが、描写が残酷過ぎるので私はあまりおすすめはしません。実話を映画化したものだから仕方ないですけど、救われない話過ぎて落ち込みます。出演者の演技は上手過ぎ。

 

あらすじ

アデレード郊外にある貧困層の町に住む16歳のジェイミは母子家庭の4人兄弟の次男。母親には近所に住む恋人がいました。

しかし、その母親の恋人には少年に対するおかしな性癖があり、それに気付いた母親が警察に通報するものの、消極的対応しかしてくれません。そんな折に家族の前に現れたのが、小児性愛者に対して憎悪を持つジョンという男性でした。

ジョンは恋人だった男性の家に嫌がらせをし、子供達にも加担させました。そして、その一方では優しい大人を演じたので、家族が彼に心を開くのにはそれほど時間はかかりませんでした。

ジェイミも初めは純粋に彼に親しみを抱いていましたが、徐々にジョンの残虐性を知り、葛藤しながらも逃げられない軟禁状態で次第に自ら犯罪に手を染めて行く事になっていきました。※ かなりマイルドに書いてます。

最後の字幕では、1999年5月20日に南オーストラリア警察によってスノータウンにある銀行の格納庫や家のバックヤードから複数の遺体が発見された、とあります。最終的に11名の被害者がいた事が明らかにされました。

感想

まず、出演者たちが迫真の演技過ぎて怖かった、というのが一番の感想です。特に事件の元凶であるジョンの表情がとっても怖いんです。笑顔なんですけどゾッとする顔。

ジョンの最初の登場はバイクのヘルメットから目が見えてるだけなんですけど、それだけでもう異様な雰囲気なんですよ。サイコパスってあんな顔なんだろうなと思いました。あれ、演技上手すぎでしょう…。

この映画が公開された少し後くらいに、北九州でも日本中を震撼させるような事件が起こりましたが、その犯人の男性の表情とそっくりだと思いました。彼は捕まった時に笑顔を浮かべてましたが、あんな雰囲気。

うーん、私はグロいのやホラーって結構平気で、どちらかと言うと自分から観に行ってしまうタイプなのですが、こういうのはちょっとなあ…。描写が色々リアルで「ああ、そこまで詳しく観せてくれなくて良いのに…」と思う事が何度かありました。

あと、登場する人たちの言葉遣いも良識ある人なら眉をひそめるくらい悪いです。

全体的に淡々とゆっくり物語が進んでいくのですが、私はこの描写こそが恐怖だと思いました。音の効果も相まって逃げ場のない日常生活を延々と見せられ続ける感じ。

この映画を観る前にいくつか他の人の感想 (日本語) も読んでみたのですが、最初の約1時間くらいの描写が単調過ぎるとか眠くなるとかいう評価がちらほらありました。確かに雰囲気ではなくスピード感が欲しい人にはスローだと感じるかもしれませんね。

あと、ちょっと時間の流れが分かりにくく、登場人物の髪の長さなどで時の流れを察しなければいけません。

全体を通してフィルターがかかっているような薄暗い画面なのですが、それが私にとっては唯一リアリティが薄れて残念だと思った所…なのですが、よく考えたらあまりにもはっきりと残酷なシーンを観せられても嫌ですよね。

実際に町に訪れて

リアリティが欲しいと思ってしまったのは、ついこの間、実際にこの映画の舞台になったスノータウンに行ったので、そのイメージを重ね合わせながら映画を観ていたせいかもしれません。

本当に小さな町で、猛暑だったせいか町には人っ子ひとりいない上に、うちのパートナーが「ここで起きた事件は映画になってて、多分あの建物が…」なんて言い始めたので、もう不気味な気分になってしまって。

とにかく暑かったので「何か飲み物でも」と近くのスーパーマーケットに入ったのですが、レジに人がいるという当たり前の事にホッとしてしまいました。

お会計をしようとふと見ると、レジ台が私が今まで見た事がなかったような年代物でした。まるで何十年か前にいるような錯覚を覚え、その上レジのお姉さんがとてもフレンドリーだったので私は余計に複雑な気持ちになりました。

おそらくこのレジ台は事件があった頃からずっと変わってなくて、この小さな田舎町で起こった大事件のせいでお姉さんは何十回、何百回となく「ああ、あの事件のあった町の…」とか言われてるのかな、と勝手に想像してまったからです。

しかも、この町には映画に出てきた建物が普通に残ってるんですよ。今回、映画を観ながら思わずその時撮った写真と照らし合わせて確認してしまったのでした。

ちなみににわかに信じられないのですが、事件が明らかになった古い銀行跡は$180,000 で売りに出され、カップルが住んでいるらしいです。大丈夫なんでしょうか…。

 

町のインフォメーションはこちら

おわりに

最終的にジョンは終身刑、ジェイミは26年の刑期を受けているそうです。

この映画は一度は観る必要がありましたが、一度で良いかなと思ってます。実際の人物についてはもう少し情報を調べてみても良いかもしれないですけど、とにかく救われない暗い気持ちになりそうです。

 

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