ビクトリア州立図書館はただキレイなだけじゃない!

「キレイ!」「ハリーポッターに出て来そう!」などと多くの人からブログやSNSなどで絶賛されているビクトリア州立図書館 (State Library Victoria) は、メルボルンの市内観光場所としても人気があります。

時にはその内装の美しさだけが強調されがちな印象を受ける事もありますが、実はオーストラリア最古の公共図書館であり、世界初の無料で開放された図書館のひとつです。

約200万冊の著作物や貴重な資料が所蔵され、博物館も併設されている美しい図書館は、無料Wi-Fiも完備。それが全て無料で利用出来るとあれば、勉強目的でなくても一度は行ってみたいと思うのも無理はありません。

歴史と概要

19世紀、オーストラリアのゴールドラッシュが始まりビクトリアがニューサウスウェルズから独立したばかりの頃、 “市民が無料で知識を得られる環境こそ都市発展に不可欠だ” という理念に基づいて建てられたのがビクトリア州立図書館です。

State Library Victoria

State Library Victoria
328 Swanston St, Melbourne VIC 3000
https://www.slv.vic.gov.au/

月〜木 10am-9pm / 金〜日 10am-6pm
※ 開館時間はエリアによって若干変わりますので、詳しくはこちらで確認してください。

State Library Victoria図書館正面入り口の前にあるアートとクレープ屋さん

1856年2月11日にオープンしたこの図書館は、次世代に歴史的・文化的資料を残す事にも重点が置かれていて、現在でも毎年7万点を超えるコレクションを収集されています。

また、利用者のニーズにいち早く応える為のデジタル化プログラムも積極的に導入する事で、毎年約200万人が図書館を訪れ、430万人以上がオンラインで訪問するなど、年々利用者は増えているそうです。

State Library Victoria

そんな図書館の正面口には、植民地裁判官レドモンド・バリ-(Redmond Barry 1813–1880)の銅像が建っています。

彼はロイヤルメルボルンホスピタルやメルボルン大学の基礎も築き、最初の大学学長、図書館やバララットの学校の理事などを務めた他、アボリジニの非公式顧問として無性で彼らを助けたり、同じアイルランド出身のネッド・ケリー裁判にも関わっていたりもします。

図書館建設には、当時まだビクトリアに到着して間もなかった建築家ジョセフ・リード (Joseph Reed) が選ばれ、彼は後にメルボルンタウンホールやロイヤルエクスビションビルディングなど、19世紀のメルボルンを象徴する建物を含む多くの建設を手掛けています。

図書館についての歴史は無料ガイドツアーもありますので、英語ですが参加してみても良いかもしれません。

ビクトリア州立図書館の中へ

では、中に入ってみましょう。この図書館は1階から6階までありますが、入り口を入ると2階で、そこがグランドフロアになります。(1階はトイレとスタッフルーム)

State Library Victoria

特に美しいと言われるザ・ドーム (The Dome) は、3階〜6階です。写真を撮るなら個人的には4階がおすすめです。

State Library Victoria

エレベーターは3カ所あり、6階までストレートで行けるエレベーターと3階や4階までしか行かないエレベーターがあります。(そこからエレベーターや階段を利用すれば良いので、特に心配する必要はないですが。)

地図を見る

State Library Victoria

階段もありますので、元気な人はそれを利用しても良いですね。

2階 (グランドフロア)

State Library Victoria

2階はコンピュータが使える机や新聞・雑誌が読めるコーナー、ギャラリー、カフェなどがあり、コピーもここで。中2階にも勉強スペースがあります。

State Library Victoria

子供が遊べるエリア (Children’s Quarter) は、光がたっぷりと入ってとても明るい感じでした。

3階 『ラ・トローブ読書室』

State Library Victoria

ザ・ドームと呼ばれるエリアの3階は、建設に携わった当時の副総督チャールズ・ラ・トローブ(Lieutenant-Governor Charles La Trobe)の名前にちなんでラ・トローブ読書室と呼ばれる読書・勉強スペースです。4階から上はここがぐるっと見下ろせるような構造になっています。

このザ・ドームは最初に図書館が建てられた時には存在していなかったのですが、少しずつ改装が続けられ、1913年に完成しました。

State Library Victoria

1959年から数年間は天窓からの雨漏りで銅板に覆われた暗い室内だった時期もありましたし、1990年から2004年の間には大規模な工事をしていました。それからここが再オープンしたのは2003年です。

そして、1859年5月24日のビクトリア女王誕生日にリニューアルオープンし、2003年から閉鎖されていた別室のイアンポッタークイーンズホール (Ian Potter Queen’s Hall) も2019年12月、16年ぶりに再オープンしています。

State Library Victoria

では4階に行きます。

4階 『世界の本ギャラリー』

State Library Victoria

4階と5階はギャラリーで、4階は『世界の本コレクション』。中世から現在までの様々な本が展示されていて、ぐるっと円形に歩いて見て回れます。

State Library Victoria

ちなみに、4階から中央の図書館を見下ろすとこんな感じで、まだ少し角度的に低いですよね。

State Library Victoria

今度は5階に上がってみます。

5階 『ビクトリア史ギャラリー』

State Library Victoria

State Library Victoria

5階はビクトリアの歴史に関する資料を展示しています。

State Library Victoria

前年まではずっとネッド・ケリーの鎧が展示されていたのですが、今回行った時はデスマスクだけでした。年2回、スプリングコレクション、オータムコレクションの展示もあるようです。

ブッシュレンジャー ネッド・ケリーの人生

State Library Victoria

昔の階段も残っているのが面白いですね。

State Library Victoria

こちらが5階から見下ろした景色。高さが写真を撮るのにちょうど良いと思いません?

6階

State Library Victoria

6階はバルコニーがあるだけで狭いので、やっぱり5階からの景色がベストだと思います。

おわりに

このすぐ近くには『QV』や『メルボルンセントラル』というショッピングセンターがあります。北側の La Trobe St を挟んで反対側には『旧メルボルン監獄』もありミュージアムにもなっているので、そこへ行っても良いかも。

図書館から Swanston St を南に行くと『Bourke St Mall』『タウンホール』『フェデレーションスクエア』などにたどり着きますよ。