オレンジ、マンダリン、タンジェリン…?日本のミカンは英語で何?

  • 2020年9月10日
  • 2020年9月11日
  • 食材

8月の終わり頃に Coles に行ったら、柑橘系果物がずらりとたくさん並んでいたので驚きました。

どうやら今がシーズンのようで、ネーブル、カラカラ、マーコットマンダリン、アフォーラマンダリン、アウロマンダリン、アムールマンダリン、ミネオラタンジェロ…8種類もあったんです。

せっかくなのでどれか試してみたいと思ったのですが、そもそもオレンジやらネーブルやらマンダリンやら一体何がどう違うんだろう?とふと思いました。

今回詳しく調べてみたら、柑橘類は掛け合わせや突然変異などで種類がたくさんあって結構ややこしかったです。

※ この記事は英語のウェブサイトで情報収集しました。

オレンジは柑橘類の総称

Oranges Fruits

簡単に言うと、“オレンジ” はネーブルやバレンシア、マンダリンなどの総称です。つまり、オレンジという果物の中に色んな種類があるという事。

ただ、オレンジとマンダリンは区別される事も多いです。

一般的には、マンダリンよりもひとまわり大きくて、まん丸で皮が厚いタイプをオレンジと呼びます。

Oranges Fruits

そして、ひと回り小さくて皮も薄め、丸というよりも楕円形のようなひしゃげた形をしているものをマンダリンと呼びます。もともと中国が原産なので、マンダリン (北京語) と呼ばれるようになったんだそうです。

マンダリンとタンジェリンは別品種?

ちなみに、私は長い間マンダリンとタンジェリンは別の品種だと思っていましたが、正確には数多くあるマンダリンの品種の中のひとつで、日本のミカンもこのマンダリングループに入ります。

とは言え、タンジェリンはマンダリンよりも赤みがかったオレンジ色の厚い皮を持ち、特徴的なのでマンダリンと区別される場合も多いです。

こういうイメージ (分類の仕方は諸説あり)

昔「ミカンは英語でオレンジ」と習ったのに、オーストラリアに来てから「本当はマンダリンじゃん!」と思ったのですが、どちらも合ってたという事ですね…。

だた、マンダリンには色々な種類があるので、日本のミカンにも英語名が付いています。

日本のミカンは英語で “サツマ” と呼ぶらしい

日本で流通しているミカンも様々な品種がありますが、総称で温州うんしゅうミカンと呼ばれ、これは700年以上前に中国の温州から持って来た種子を日本で撒いたら出来た品種という事に由来しています。

が、この温州ミカン、英語圏では “Satsuma” もしくは “Mikan” と呼ばれているんです。これは、1876年 (明治9年) に鹿児島県からアメリカのフロリダに紹介されたからで、その後愛知県から紹介されたので “Owari satsuma” と呼ばれました。他にも “Okitsu satsuma” “Miho satsuma” など色々あるようです。

欧米では “とても甘くて皮が剥きやすい反面、柔らかいので傷つきやすく、扱いが難しい” という感覚のようで、確かに今まで私が見てきたどのマンダリンも、日本のミカンほど皮が剥きやすくて甘いものはありませんでした。

でもオーストラリアで全く買えないわけではなく、あまり見掛けはしないものの、たまーにチャイナタウン周辺で売っているイメージです。それに、最近では温州ミカンに近い感じのマンダリンも出回ってます。

 

では、オーストラリアで流通しているオレンジ・マンダリンはどんなものがあるのか、次は具体的に種類を見ていきたいと思います。まずはオレンジから。

 

豊富なオレンジの種類いろいろ

オレンジの中でも特にバレンシアオレンジネーブルオレンジは世界的にも2大オレンジとして知られていて、オーストラリアもこのオレンジが中心に栽培されています。

まあ、実際のスーパーマーケットでは “オレンジ” としか表記されていない事も多いのですが、これらの見分け方はわりと簡単です。

それを踏まえて、他の代表的なオレンジも一緒に見ていきましょう。

バレンシアオレンジ

Oranges Fruits

バレンシアオレンジ (Valencia oranges) は、オレンジジュースの愛称で世界中で最も流通しているオレンジで、果汁はネーブルよりも劣化が遅く、加工にも適しています。

夏のオレンジとも言われていて、オーストラリアでは11月〜2月がシーズンで、主な生産地はニューサウスウェルズ州西南に位置するリベリナ (Riverina) 地方です。

バレンシアという名前は、オレンジの木がたくさんあるスペインの都市から来ていますが、実際はアメリカのカリフォルニア州の農家でスイートオレンジと掛け合わされて生まれました。現在はカリフォルニアではなく、フロリダで多く栽培されています。

ネーブルオレンジ

Oranges Fruits

そして、ネーブルオレンジ (Navel oranges) はバレンシアよりも甘味があり、種もほとんどありません。バレンシアとの見分け方は、 Navel (へそ) という名前の通り、ヘタとは反対側にあるおへそのような穴です。

19世紀初頭にブラジルで発見された突然変異種で、1870年代にアメリカに紹介され、南カリフォルニアで最初に植えられました。

基本的に冬のオレンジと言われていて、オーストラリアでは6月〜10月がシーズンですが、夏は Lane Late、Barnfield、Wilson、冬は Washington、Navelina、Leng と品種によって出回る時期も違うようです。

ニューサウスウェルズ州のマレーバレー (Murray Valley)、リベリナ (Riverina)、南オーストラリア州のリバーランド (Riverland) が主な産地で、最近オーストラリアではバレンシアよりもネーブルを作る生産者が増えているんだそう。

カラカラネーブル・オレンジ

Oranges Fruits

こちらは今回初めて見たオーストラリア産のカラカラネーブルネーブルオレンジ (Cara Cara navel orange) 。あまり耳慣れない名前ですが、南アメリカではよく食べられているネーブルなんだそうです。

通常のネーブルよりも赤みがかった果肉にはタネがなく、柔らかな酸味と甘味があり、ワシントンという品種に少し似ているとの事。

1ネット買ってみましたが、程よい甘酸っぱさでおいしかったですよ。

シーズンは 6月〜7月です。

ブラッドオレンジ

Oranges Fruits

ブラッドオレンジ (Blood Orange) も忘れてはいけないポピュラーなオレンジですよね。濃い赤色の果肉と他のオレンジよりも固い皮を持ち、特徴的な味や風味があります。

19世紀後半から食べられるようになったというブラッドオレンジは地中海南部で自然に突然変異した品種で、おそらくザボン (Pomelo) とタンジェリン (Tangerine) が交配したものだと言われています。

最も一般的な品種は主に Tarocco (イタリア原産)、Sanguinello (スペイン原産)、Moro (シシリア原産) ですが、他にもたくさんの品種が存在し、品種によっては皮が赤黒いものも。

収穫後は、冷蔵庫のような冷たい場所で保存するのが好ましいそうです。

ハムリンオレンジ

ハムリンオレンジ (Hamlin orange) は、アメリカのフロリダで生まれたオレンジで、名前は果樹園所有者の A. G. Hamlin が由来しています。オーストラリアでも少しだけですが流通しているようです。

ビターオレンジ

Oranges Fruits

ここでそもそもの話になるのですが、オレンジはスイートオレンジグループ (Citrus sinensis) ビターオレンジグループ (Citrus aurantium) があり、今まで紹介して来たオレンジもスイートオレンジグループでした。

一方、ビターオレンジはセビリアオレンジ (Seville orange)、サワーオレンジ (Sour orange)、ビガラードオレンジ (Bigarade orange)、日本語ではダイダイなど色々な呼び方があり、大きくデコボコした皮が特徴です。

スイートオレンジと違って苦いので、マーマレードや調味料など料理用に使われます。あとは、プチグレンやネロリなどの精油もこのビターオレンジが原料ですね。

シーズンは冬の終わりです。

 

さて、オレンジはいかがだったでしょうか?たくさん種類がありますよね。でも、マンダリンはもっと多くてややこしいかもしれません。

 

マンダリン

最初に書いたように日本の温州ミカンやタンジェリンなどもマンダリンに分類されるのですが、本当に多くの品種が存在します。他の品種との交配も簡単なので、世界中の様々な気候の場所で育てられている品種は150種類以上もあるんだそうです。

ただ、マンダリンはオレンジと違って、あまり品種では呼ばれないように思います。タンジェリンなどは特徴があるので別として、 Imperial、Murcott、Hickson などは有名らしいですが、あまり聞いた事がなくないですか?

今回はたくさんの種類があったので、スーパーマーケット側もわざわざ品種名を書く必要があったのだと思うのですが、普段は品種を気にして買う人は少ないのでははないでしょうか。

でも、ずらっと並べられると迷ってしまいますし、好みの品種を知っておくのも良いと思うので、実際にスーパーマーケットで見掛けたものを中心に品種を調べてみました。

マーコットマンダリン

Oranges Fruits

マーコットマンダリン (Murcott Mandarin) ハニータンジェリン (Honey Tangerine) とも呼ばれ、1913年頃にフロリダで生まれたマンダリンとスイートオレンジを掛け合わせたタンゴール (Tangor) の一種だとされていますが、はっきりした元の品種は分かっていません。名前は苗木商の Charles Murcott Smith に由来しています。

甘くて皮も比較的剥きやすいですが、種が多めだそうです。

アフォーラマンダリン

Oranges Fruits

アフォーラマンダリン (Afourer Mandarin) は、マーコットマンダリンを掛け合わした品種で、甘くて皮が剥きやすいのが特徴です。

これは私も買って食べてみましたが、多少皮が固くて甘酸っぱいものの、ちゃんと手で皮が剥けて日本のミカンっぽかったので感動しました。

オレンジ派のうちのオージーパートナーは「マンダリンとオレンジの中間みたいな味でおいしい」と言っていて (よく分かりませんが) 気に入っていたようです。

アウロマンダリン

Oranges Fruits

アウロマンダリン (Auro Mandarins) は、ゴツゴツして特徴的な見た目をしています。(詳しいインフォメーションは見付けられませんでした)

これも気になって買ってみたら、皮は分厚いですが剥きやすく、アフォーラマンダリンよりも甘味があっておいしかったです。

ちなみに、パートナーがこのマンダリンを見て「あ、ブッシュオレンジ買ったんだね」と言ったので詳しく聞いてみると、オーストラリアでは見た目の良くないオレンジの事をブッシュオレンジと呼ぶそうです。初めて聞きました。

Oranges Fruitsこれ、おすすめです!

アムールマンダリン

Oranges Fruits

アムールマンダリン (Amour Mandarin)、全くインフォメーションを見付けられなかったのですが、新種なんでしょうか?機会があれば、今度食べてみます。

タンジェリン

Tangerine

そしてこちらがタンジェリン (Tangerine)。マンダリングループの中でも人気のある品種で、他のマンダリンと比べると皮の色が濃い赤みがかったオレンジ色です。皮はやや硬め。オレンジよりも甘いものの、酸味もそこそこ強いです。

1800年代に北アフリカを経由してヨーロッパに紹介された品種で、モロッコのタンジェ港 (Tangier) から輸出されたのでタンジェリンとして知られるようになりました。

タンジェロ

Tangelo

タンジェロ (Tangelo) は特徴のある形をしていて、味はタンジェリンとそっくりですが、果汁がとても多いのが特徴です。

3,500年以上前に東南アジアで発生したと言われている品種で、おそらく昆虫が花粉を集める際に偶然タンジェリンとグループフルーツかザボンが交配されたと考えられています。

19世紀後半にはフロリダで人工的にこのような交配が行われ、商業化されていきました。

品種はオーランドタンジェロ (Orlando tangelo)、ミネオラ (Minneola tangelo) などがあります。

ミネオラタンジェロ

Oranges Fruits

ミネオラタンジェロ (Minneola) は、1931年にフロリダで開発された品種で、フロリダ州ミネオラに由来します。別名ハニーベル (Honeybell) としても知られ、オーストラリアで栽培されるタンジェロの中では最も一般的なタイプ。

クレメンタイン

クレメンタイン (Clementine) はマンダリンの中でも最も小さいタイプで、滑らかで艶がある赤っぽい皮は柔らかいので手で剥けます。甘くて種がないのが特徴で、品種も様々です。

100年以上前にアルジェリアのフランス人宣教師だった、Marie-Clement Rodier に由来していると言われています。

需要が高まるオーストラリアのオレンジ産業

Orange tree

現在2000を越える生産者が毎年60万トンの柑橘類を生産しているオーストラリア。Aussie Oranges というウェブサイトによると、オーストラリアで育てられている柑橘類の果物の割合は、オレンジ (76%)、マンダリン (16%)、レモンとライム (5.5%)、グレープフルーツ (2.5%) なんだそうです。

近年のオーストラリアでは年々国内外での柑橘類需要が高まっていて、供給を上まっているほど人気との事。それに伴って消費者のニーズに合わせて新しい品種も色々と考えられているのだとか。

2020年の生産量は5年前の2〜3倍になっていて、今後も増加していくと予想されているそうです。なので、ますますこれから色んな柑橘類を見る機会が増えるかもしれませんね。

植民地時代のごく初期にすでに始まっていたオレンジ栽培

そんなこの国のオレンジ栽培はいつ頃どんな風に始まったんだろう?と思ったら意外に早く、1788年にイギリスの植民地として白人が入植して来たのと同時でした。

もともとのオレンジの起源はおそらく中国やインドと言われていますが、紀元前79年に火山の噴火で埋もれたイタリアの町ポンペイの遺跡からも柑橘類が描かれた絵画が発見されているそうです。

そして1450年頃にはアラブの商人によって地中海周辺の国々にオレンジが取引され、その後ポルトガル船が中国から違う品種をブラジルに持ち込み、次第に世界中に広がっていきました。それはオーストラリアも例外ではありません。

オーストラリア大陸が公式にイギリスの植民地とされたのは1788年1月、現在のオーストラリアデーの日ですが、その時の囚人を乗せた11艘の第一艦隊は様々な動物や食料も積んでいた事はよく知られています。

オレンジ、ライム、レモンの種子も、航海途中で寄ったブラジルで入手していたそうです。そして、すぐに現在のニューサウスウェルズ州シドニー周辺に植えられました。

第一艦隊は本当に色んなものを積んでいたんですね〜。

ビクトリア州産のアフォーラマンダリンを買ってみた

Oranges Fruits

とりあえず、この間は店頭に並んでいるたくさんの柑橘類の中から、きれいにパッキングされているビクトリア州ハッピーバレー産のアフォーラマンダリンを購入してみました。ちゃんと袋を開け閉めできるようになっていて凝ったパッケージですよ。

本当はパートナーにオレンジを頼まれていたのですが、個人的にはオレンジは剥くのが大変なのでマンダリンの方が好みですし、何となく日本のミカンっぽく見えたので、試してみたくなったんですよね。

感想は上でも書いたようにわりと日本のミカンっぽくておいしくて、最初はブーブー言っていたパートナーも気に入ったようです。

昔はオーストラリアって日本のミカンより大ぶりで皮が固いものしか売ってないんだ…と思った記憶があるので、こういうマンダリンが食べれて嬉しいです。

(ふう…、この事が書きたくて、長々と何日もかけてこの記事書きました 笑)

おわりに

調べれば調べるほどこんがらがりそうになるオレンジの事。それもそのはず、交配された品種や突然変異の品種が複雑に生み出されているので、はっきりと分類するのは困難なんだそうです。

とりあえず、スーパーマーケットに行く楽しみも増えましたし、日本で普通に食べていたミカンは、他の品種と比べて甘くて柔らかくサイコーの品種という事が分かりました!

時間はかかりましたがまとめられて良かったです。