世界でも有数の UFO 目撃情報が多い場所!? 宇宙人だらけのワイクリフウェル (Wycliffe Well)

少し前にオーストラリアにまつわる都市伝説を調べて記事を書いたのですが、その時にノーザンテリトリーには「UFO Capital of Australian」と言われている ワイクリフウェル (Wycliffe Well) という場所の存在を知りました。

ここはかつて、世界トップ5にも入るくらい UFO の目撃情報がとても多い場所と言われていて、一晩中起きていて見れたらラッキーではなく、見れなかったらアンラッキーだと謳われるほどとのこと。

本当なのかは私には分かりませんが、ネット検索してここの写真を見る限り、UFO モチーフにした絵やらオブジェやらがたくさん並べられているて、観光地としてすごく楽しそうな場所だなと思いました。

 

そこで、最近ツイッターで始めたオーストラリアのトリビア Bot でも流してみたんです。

 

…するとなんと、実際に行ったことがあるという人が数人‼︎ (やっぱりツイッターはすごいですね!)

僻地だと思っていましたが、意外と寄りやすい場所にあるんだなとますます興味をひいたので、今回はこのワイクリフウェルについて、もう少し詳しく調べてみました。

ワイクリフウェルはこんなところ

Northern Territory

かの有名なウルル (エアーズロック) のあるアリススプリングスから Stuart Highway を約375km北上した場所にあるワイクリフウェルは、バークリーテーブルランド (Barkly Tableland) に位置します。

アウトバックのど真ん中というのもあり、定住している住民はほんの数人だそうなので、町ではなくて集落みたいな感じでしょうか。ただ、長い長い長距離ドライブの途中にあり、トイレ休憩やガソリン補給場所としてここを走るほとんどの人が立ち寄るようです。

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次のトイレまで250kmは走らないといけないのもあるし、デビルズマーブルズなどの観光地から近いので、見逃すことはないみたい。

 

ワイクリフウェルにはロードハウスキャラバンパーク、釣りが出来るもあります。

そして特徴的なのは、ひと昔前に流行ったようなグレイと呼ばれるタイプの宇宙人の絵が壁に描かれていたり、錆びた宇宙人の人形が置かれていたり、とにかくここは UFO をモチーフにしたオブジェだらけ。レストランの壁にもたくさんの UFO関連の新聞の切り抜きが貼られているみたいです。

ちょっとしょぼくて安っぽい感じなので「まるで放棄されたテーマパーク」と表現する人もいるようですが、アウトバックの真ん中でこんな場所に出会ったら、ちょっと楽しくなりそうじゃないですか?

キャラバンパークは電気の供給にムラがあるようですし、姉やんさんによるとお湯が出なかったらしいですが、UFO を見るのには最適なロケーションのようです。

 

 

ちなみにこの地域、夏は猛暑で知られていて、日中の気温は約35度前後、夜は21度前後。冬でも日中は21度、夜も15度から下がることはあまりないそうです。なので、一応ネットにはそれぞれの部屋にエアコン完備とは書かれています。

 

それにしてもここ、一体どういう場所なのでしょうか…⁉︎ 次にワイクリフウェルが UFO で有名になるまでの歴史を辿っていきたいと思います。

ワイクリフウェルの歴史

もともとのワイクリフウェルは、160年以上前に水飲み場として設立されました。

テナントクリークとアリススプリングス間に、当時の通信手段であったテレグラフのケーブルを繋いでいたのですが、その休憩地点として設立された4カ所の中の1つで、1875年に潰されるまで実際に井戸があったとのこと。

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あっ、だから名前に Well (井戸) がついてるのか!

その後、1917年には野菜を栽培する畑になり、1939年頃までは近くで働く労働者に売るための野菜でしたが、1941年に入ると陸軍農場として使用されています。

現在ロードハウスとして使われている建物は60年代に軍事用に建てられたもので、同時に燃料補充場所も設置されたことによって、ここに人が立ち寄るようになりました。

空に浮かぶ不思議な光、すなわち UFO の目撃情報が相次ぐようになったのも、この頃からです。

UFO に着目したリュー・ファルクス氏

そんな折、リュー・ファルクス氏 (Lew Farkus) は、アメリカの雑誌でワイクリフウェルで UFO の目撃情報が頻発しているという記事を読み、ワイクリフウェルがアリススプリングスの通り道で多くの人々がここに寄ることに着目しました。

1985年、彼はワイクリフウェルのロードハウスとキャラバンパークの所有権を取得し、ただの給油所だった場所を「オーストラリアの UFO キャピタル」として観光地にしていったのです。

25年間携わった事業

リュー氏はワイクリフウェルにバラマンディが泳ぐ湖を建設し、全盛期の80年代には小さな動物園や300席あるレストラン、歌ったり踊ったりするステージがあり、観光列車も走っていました。

その間には個人的な UFO 体験をした人、イギリスから来た科学者など様々なゲストが訪問し、中には「今まで誰にも打ち明けられなかったけど…」と自らの不思議な体験を打ち明けて来る人もいました。そんな何百にも及ぶ訪問者の物語は、今も彼の日記に残されています。

初めは5年間だけこの事業が上手くいくか試してみるつもりだったリュー氏ですが、結局は25年間この地に住んでいました。

事業を売却したのは2009年で、理由はアリススプリングスに住む家族と暮らすためです。

この地を去ることはとても勇気がいることで、彼の生活も180度変化することになりました。しかし、学校に通う娘には父親がそばにいる必要があるということを悟り、決意したそうです。

そんなワイクリフウェルは、現在も他の人の手によって運営されています。

 

ワイクリフウェル周辺の観光地

 

さて、今回はワイクリフウェルに焦点を当てて紹介していますが、最初の方にも書いたようにワイクリフは長いロードトリップの途中で寄る場所であり、旅の目的地ではありません。

しかし、アリススプリングスまでは遠くても、ワイクリフウェルを拠点にしてデビルズマーブルやダベンポート山脈への日帰りトリップも可能です。

デビルズマーブル

Warumungu族の人々の言葉で Karlu Karlu とも呼ばれているデビルズマーブル (Devils Marbles) は、テナントクリーク (Tennant Creek) から南95kmにあります。

重力に逆らうような不安定なバランスで巨大な丸みを帯びた奇石が、ゴロゴロと転がっている不思議な場所です。

ここにもキャンプサイトがあるようですが、特に施設等はないようです。

ダベンポート山脈国立公園

ダベンポート山脈国立公園 (Davenport Ranges National Park) は、Iytwelepenty とも呼ばれ、Alyawarr、Wakaya、Kaytete、Warumungu の人々が伝統的に所有している場所です。

この地域は砂漠地域に生息する水鳥や魚など生態学的に重要な野生動物の休憩地点ともなっていて、同時に開拓時代にヨーロッパ移民が残した跡もあります。古いポリスステーション近くの滝では泳ぐことも。

ただし、4WD の車が必要です。

おわりに

オーストラリアは広いので私もまだまだ知らない場所がたくさんありますが、ノーザンテリトリーにこんな場所があったというのはとても興味深いです。

あれだけ広ければもしかしたら UFO がいてもおかしくないかも?という気分にもなりますし、いなくてもアウトバックの星空はきれいなので、星空観察だけでも十分見応えがありそうですね。

 

(参考にしたウェブサイト: The Strange Story of Australia’s Outback UFO Capital – VICE / Wycliffe Well is out of this world – Without a Hitch / Wikipedia )