日本でも流行ったUGG (アグ) ブーツ、日本よりも安く手に入るというのでおみやげに買って帰る人は多いですよね。羊の皮で作られたUGGブーツは本当に暖かくて履き心地が良いので冬にはとても重宝します。
よくUGGブーツを履いていると「それって本物?」と聞かれる事があるのですが、一体UGGブーツの本物と偽物とは何でしょうか?
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そもそもUGGブーツとは
まず質問なのですが、あなたは何を指してUGGブーツと言ってますか?ブーツそのもの?それともブランド名?
答えは、どちらも正解です!
何をもってUGGブーツと言うかによって本物か偽物かは変わって来ます。何故なら UGGブーツはオーストラリア発祥のブーツですが、日本で流行ったブーツはアメリカの “UGG®︎” というブランドだからです!
紛らわしい事に、数年前までアメリカのブランドなのにロゴの下に “Australia” とまで書かれていました。
おそらく日本人がUGGブーツと言っているのはアメリカのブランドの事を言っている可能性が高いですね。だとしたら、オーストラリア産のUGGブーツは全部偽物という事になってしまいます。
それに対して本場のオーストラリアやニュージーランドでは “UGGブーツ” というのはブランド関係なくムートンブーツの事自体を指すので、それをUGGブーツと言っているならシープスキンで作られたブーツは全部本物という事になりますね。
オーストラリア国内には日本ではあまり知られていないメーカーも含めて30以上もアグブーツを作っているメーカーが存在します。もちろんメーカーによってかかとに付いているロゴが違います。
オーストラリアに来たら色々なロゴがあるので、是非見てみてください。Australian Collection とか Emu Australia とかはわりと有名です。
要は、海外セレブが身につけているのと同じUGG®︎ のブーツが欲しいのか?それとも本場オーストラリアのオリジナルブーツが欲しいのか?です。どれが本物でどれが偽物なのかというのは、結局その人の価値観です。
アメリカブランドのUGG®︎ は、オーストラリア産よりも少し値段が高めで中国で生産されていますが、洗練されたおしゃれなデザインが多くてしっかりした作りになっています。
ブランドを気にしないのなら、オーストラリア産のブーツも普通に暖かいですよ。ただ、オーストラリア人はどちらかと言うと “アグは家で履くもの” と思っている人も多いですけどね。
完全に偽物のUGGには注意!
でも、UGGに似せて作られた人工素材のブーツや、UGG®︎ に見せかけた中国製品も存在するようです。これらは完全に偽物と言っていいでしょう。
人工素材は安いので、本人がそれを知っていて購入するのなら良いのですが、アグブーツだと思って買ってしまうと最悪ですよね。
オーストラリア産かどうかを見分けるには、必ず付いているタグを確認してください。
オーストラリア製の場合 “Australian Made” のタグが付いています。上のような三角のタグ以外は、オーストラリアと書いていてもオーストラリア産という意味ではありませんのでご注意ください。
アメリカのUGG®︎のブーツをオーストラリアで買うなら、正規店に行きましょう。
シドニー、メルボルン、ゴールドコーストに正規店がありますので、下のリンクでチェックしてみてください。
https://au.ugg.com/page/retail-stores
アメリカが火付け役となったブーム
UGGブーツという存在が世界中に知れ渡るきっかけとなったアメリカのUGG®︎ というメーカーは、1872年にオーストラリア出身でサーファーだったブライアン・スミス (Brian Smith) が小規模のブーツ販売をしたのが始まりでした。
彼は南カリフォルニアのリラックスしたカジュアルな雰囲気がオーストラリアと似ている事に目を付け、その狙いは的中。80年代半ばになると南カリフォルニア文化の象徴とまで言われるほどの人気となったUGGブーツは、次第に他の都市や小さな街でも売られるようになって行き、どんどん広がりました。
最初は西オーストラリアのシープスキン会社 Country Leather のブーツを販売していましたが、後にUGG®︎を自分のブランドとして商標登録。90年代後半に Deckers Outdoor Corporation 社が UGG®︎ を買収しました。
その後、有名人やファッション界の人々がこのブランドに注目し始め、それが日本にまで広がって人気となったのが日本のUGGブームです。
衝撃的なUGGの意味
セレブたちのお陰でファッションとして支持されるようになったUGGブーツですが、実はもともとは一般的にあまり良いイメージのブーツではなかったんです。
70年代のオーストラリアでもシープスキンで作られたUGGブーツは特にサーファーの間で大人気だったのですが、その頃のシドニーでは映画館では破れたジーンズ同様UGGブーツも禁止だったんです。
UGGブーツは不良が履くもの、という感じですかね。今では考えられませんよね。
ブーツの起源は1800年代後半〜1900年代前半頃のオーストラリアのアウトバック(内陸の田舎) と言われていて、最初の原型は羊の皮を羊飼いたちの足に巻きつけて革の紐で結び付けたような簡単なものでした。
ブーツとして売り始めたという最初の記録は1933年、NSW州の Blue Mountains Ugg Boots だと言われています。
この会社は現在でもブーツを販売しています。
Blue Mountains Ugg Boots
http://www.uggboots.com.au
第一次世界大戦・第二次世界大戦が始まると、イギリス軍のパイロットたちが凍傷を避けるためにアグブーツを着用しました。が、その時のブーツは足の付け根の方までしっかりカバーされた長いブーツでした。
このブーツはあまり魅力的ではない外見から “Fug Boots(ブサイクなブーツ)” と呼ばれてたそうです。
ちなみにFugとは、Fuglyの事だと思います。
あまり良い言葉ではないんですが、F○ckin’ + ugly もしくは Fat + ugly と、2つの単語が合体した言葉で、ものすごくブサイクという意味になります(^_^;) 残念…。
UGGという名前の由来には諸説があるようですが、有力なのは1958年にアグブーツの販売を始めた Mortels Sheepskin Factory の主張です。
第1作目のブーツを見たフランク・モーテルの奥さんがブーツの事を「Ugly Boots! (ブサイクなブーツ!)」と言ったからUGGと呼ばれるなったとの事。
つまりUGGブーツというのは『ブサイクブーツ』という事なんですね!
ちなみに、この Mortels Sheepskin Factory も現在でも家族経営の工場をニューキャッスルのほうに持っていて、直接工場からシープスキングッズを買う事が出来ます。
Mortels Sheepskin Factory
https://www.mortels.com.au/
この工場についてはこちら
オーストラリアのメーカー
探せばまだまだたくさんあるはずですが、ザッと探したただけでこんなにありました。
Australian Collection
http://www.uggaustraliancollection.com
Australian Leather
https://www.australianleather.com.au
Emu Australia
http://www.emuaustralia.com.au/home
Uggs-N-Rugs
http://www.uggs-n-rugs.com.au
Urban Ugg Co.
https://www.urbanuggboots.com.au
Original Ugg Boots
https://originaluggboots.com.au
Cobber Australia
https://www.clobber.com.au
おわりに
あなたはアメリカのブランドとオーストラリア製、どっちを買いますか?
どちらにしても、UGGブーツは本当に暖かいのでおすすめです!