国土の広いオーストラリアは国内でも時差があります。
例えば東側のシドニーと西側のパースは時差が2時間。でも、10月になるとデイライトセービングス (サマータイム) 、いわゆる夏時間が始まる州もあるので更に時差が生まれてややこしいんです。
それによって日本との時差が更に1時間開きますし、これで大切な予定の時間を間違えたり飛行機に乗り遅れたりしたら大変なので、時差がある州をまたぐ時やデイライトセービングスで時間が変わる時期には気をつけてくださいね。
デイライトセービングス (サマータイム) とは?
デイライトセービングスというのは、決まった時期だけ通常の時間をずらすこと (国によって時間や時期は異なります) で、オーストラリアで採用している州はニューサウスウェールズ、ACT、ビクトリア、タスマニア、南オーストラリアの5州。
毎年10月の第1日曜日午前2時に時計が1時間進み、だんだん風が冷たくなって来る4月の第1日曜日午前2時 (夏時間の午前3時) には、また時計の針が1時間戻ります。
例えば今まで午後5時だった時間が、実地期間中は1時間早い午後6時になり、シドニーやメルボルンなどは日本との時差が1時間から2時間に変わるといった具合ですね。
時間が変わるのは午前2時なので、朝起きたら勝手に時間変わっているという感じです。スマホなどはインターネットに繋がっている時計の機能は放っておいても自動的に時間が調整されます。
ですが、アナログの壁時計や電子レンジ、車に付いている時計などは手動で時間を合わせないといけないので少し面倒です。
英語で『サマータイム (Summer Time)』とも言いますが、これは主にヨーロッパでよく使われる言葉。オーストラリアではあまり通じず「は?夏の時間がどうした?」なんて、話が噛み合わないことが起こります。
なので、オーストラリア、アメリカ、カナダ出身の人たちと話す時は『デイライトセービングス (Daylight Savings』と言ってください。
基本的なオーストラリア国内の時差
もともとオーストラリア国内には時差があり、東部・中部・西部の3つの時間帯 (タイムゾーン) が存在します。
東部標準時間 (Australian Eastern Standard Time) UTC +10
- クイーンズランド州 (QLD)
- ニューサウスウェールズ州 (NSW)
※ Broken Hill だけは、東部ではなく中部の標準時間を採用。 - オーストラリア首都特別地域 (ACT)
- ビクトリア州 (VIC)
- タスマニア州 (TAS)
中部標準時間 (Australian Central Standard Time) UTC +9.30
- 南オーストラリア (SA)
- ノーザンテリトリー (NT)
- Broken Hill
※ 南オーストラリア州にあるアデレードとの経済的結びつきが強いBroken Hill は、ニューサウスウェールズ州ですが中部標準時間を採用しています。
西部標準時間(Australian Western Standard Time)> UTC +8
- 西オーストラリア(WA)
※ UTCとは、協定世界時(Coordinated Universal Time)という経度をもとに測定された世界基準のタイムゾーンの事です。ちなみに日本の時間はUTCは+9です。(東経135度から計算)
これが通常のタイムゾーンですが、デイライトセイビングス期間中の10月〜3月は、国内の異なる時差が3つから5つに増えます。
デイライトセイビングス期間中の日本との時差
以下のように、分かりやすく日本との時差で時間の違いを表しました。
4月〜9月
10月〜3月
(デイライトセイビングズ期間中)
デイライトセイビングスを採用している州及び準州 (10月〜3月に時計を1時間進める州)
- ニューサウスウエールズ州 UTC +11
- オーストラリア首都特別地域 UTC +11
- ビクトリア州 UTC +11
- タスマニア州 UTC +11
- 南オーストラリア州 UTC +10.30
※南太平洋に浮かぶオーストラリア本土から東に約600kmに位置するニューサウスウェールズ州に属する島、ロードハウ島 (Lord Howe Island) だけは例外で30分進めます。
デイライトセイビングスを採用していない州及び準州 (1年を通して時間の変更はない州)
- クイーンズランド州 UTC +10
- ノーザンテリトリー UTC +9.30
- 西オーストラリア州 UTC +8
デイライトセイビングスを採用するかしないかはそれぞれの州の判断なので、実施してる州としてない州があります。ただ、南にある州は時間を早めても遅くまで明るいので、採用している州が多いですね。
デイライトセイビングスについて
夏に時間を早める理由は、日の出が早く日の入りが遅くなるので時間をずらせば余暇活動など日中の活動がもっと活発になり、それによって経済効果向上を狙えること、そして電気を使う時間が減る事による省エネ効果が期待されていることが挙げられます。
もともとは、1916年に不況だったドイツが節電のために行ったのが始まりで、現在では70カ国以上がこの採用されているようです。
日本人にはあまり馴染みがないですが、実は日本でも戦後の1948年 (昭和23年) に GHQ (占領軍) の指導下において採用されいたらしいですよ。でも不評で1951年(昭和26年)に廃止されたのだと。
これによってシドニーの夏は午後8時くらいまでは明るいですし、メルボルンはもっと遅くまで明るいです。
おわりに
デイライトセイビングスが始まると、実質今までよりも1時間早く起きないといけないので損した気分になる人もいるかもしれません。そして、半年後には消えた1時間が戻って来ます。
時間がずれると睡眠不足になったり生活リズムが崩れたり、体を慣らすのが大変だったりしますよね。
でも、大事な仕事や待ち合わせなどがある場合は注意してくださいね!