これだけ覚えたら大丈夫!オーストラリアワイン基礎の基礎

オーストラリアには数多くのワイナリーが点在し、安くておいしいワインもたくさんあります。

なので、せっかくだからワインを味わってみたいと思うものの、最初は難しく感じるかもしれません。というのも、例えばただ赤ワインが飲みたいと思っても種類がたくさんあって、ワインリストから選ばなければいけないからです。

でも、基礎さえ押さえていれば大丈夫なので、これだけは覚えておきましょう!

オーストラリアワインの特徴

Jacob’s Creek

オーストラリアワインは、値段が安くてもおいしい手頃なワインから、何百、何千ドルもする高級なものまで好みと予算に合わせて購入出来ますし、最近ではオーガニックのワインも人気があります。

良質なワインを生産する新世界ワイン

オーストラリアのワインは、 “新世界” のワインに分類されるのですが、これはフランス・ドイツ・イタリアなど大昔から存在する伝統的なワインの産地に対して、アメリカ大陸を発見した事で有名コロンブスが活躍した大航海時代以降くらいから発展したワインの事を指します。

新世界ワインの産地は、ニュージーランド・チリ・アメリカ・南アフリカなど。日本もこのグループですね。

ワイン自体の歴史はとても古くて紀元前のメソポタミア文明にまで遡るそうで、ヨーロッパ人にとってワインは権力の象徴であったり神聖なものとして扱われたりするなど、古くから重要な役割を果たして来ました。

オーストラリアはヨーロッパの伝統的な製法 (丘の標高で決まるランクや植える間隔、ボトルの表記の仕方等) などの厳しい規定に縛られずに、作り手が自由な発想で自由に革新的な方法などを試せるので、安くてもおいしい、そしてユニークなものも多いんです。

それに、国土の広いオーストラリアは気候条件や土壌がワイン造りに適していて、生産地域も広範囲にわたる為に年度や気候でヨーロッパほど品質が左右されないと言われています。

ブドウの品種を覚えておこう!

とりあえず難しい事は置いておいて、ワインの品種だけ覚えておきましょう!ひとまず、それさえ知っていれば何とかなります。

赤ワインの種類

Wine

では、オーストラリアでよく見る赤ワインのブドウの品種を挙げてみます。もちろん産地などによって味は全然違って来ますが、大まかな特徴です。

  • シラーズ (Shiraz)
    オーストラリアで多く栽培され、最も有名な品種です。基本的にスパイシーな感じのものが多いです。
  • カベルネ・ソービニヨン (Cabernet Sauvignon)
    日本語でカベルネ・ソービニヨンと表記されますが、英語の発音だとカバネー・ソービニヨンの方が近いと思います。略してカブサブとも。味も色も濃厚で人気。メルローとも相性が良くて、カベルネ・ソービニヨンと混ぜたブレンドもよく見ます。
  • ピノ・ノワール(Pinot Noir)
    口当たりが軽くて飲みやすく、色も比較的薄く透き通っているので、グラスに注がれたらすぐにピノ・ノワールだと分かります。だから、アルコール度が低いような気分にはなりますが、別に他のワインと変わりません。
  • メルロー(Merlot)
    フランスのボルドーなどでも有名な品種で、甘くてまろやかなものが多いです。

白ワインの種類

Wine

次は白ワインの種類です。

  • ソービニヨン・ブラン(Sauvignon blanc)
    辛口が多く、爽やかでフレッシュな味の物が多いです。
  • シャルドネ(Chardonnay)
    やわらかいフルーティな味。産地や醸造方法によって大きく味が変わり、オーク樽の香りを付けたものも人気です。品種固有の主張が少ない分、様々な表情が楽しめるワインです。
  • セミヨン(Semillon)
    辛口から甘口まであり、濃厚でシャープな口当たりで酸味が少ないのが特徴。ソービニヨン・ブランとブレンドする事も多いです。
  • リースリング(Riesling)
    辛口と甘口と両方あり、オーストラリアは辛口を好んで生産する事が多いようです。爽やかで繊細な酸味。

まだまだ色々ありますが、とりあえずこの品種くらいを覚えていれば大丈夫です。ワインの好みは、色々飲んでいくうちに分かってくると思います。

赤と白、何が違う?

赤と白、色も味も全然違うのはブドウの品種の違いもありますが、製造過程も違います。

赤は紫色(黒)のぶどうの品種から皮と種も一緒に、白は緑色(白)のぶどうから皮や種を除いて発酵させて作ります。

飲み方も基本的に赤は常温、白は冷やして飲むのがおいしく飲める温度と言われていますよね。でも、赤に氷を入れて飲む人も見た事あるので、自分が好きなら何でもありなんだな…という気がします。

飲みやすくて女性に人気なロゼ

Wine

そしてピンク色のワイン、ロゼ (Rose) も、特有の製造過程があり、紫色のぶどうが使われます。決して赤と白を混ぜたものではないのですが、そういうロゼも登場しているというウワサも聞いたので、色々あるようです。

あと、ワインが苦手な人でもマスカット種のブドウで作ったモスカート (Moscato) や食後などに飲むデザートワイン、場所によってはマンゴーで作られたデザートワインなんていうのもあるので、お好みで色々選んでみてください。

スパークリングワインはシャンペンじゃない?

Wine

そして、スパークリングワイン (Sparkling Wine) も人気ですが、シャンペン (Champagne) とどう違うのだろう?と思った事はありませんか?

これは、ただ産地の違いの問題で、昔はシャンペンと呼ばれるものが多く存在していたのですが、ブランドを守るためにフランスのシャンパーニュ地方で生産されたものだけがシャンペンと呼ぶという決まりが出来ました。

なので、オーストラリア産のものはスパークリングワインなんですよね。

ちなみに、赤のスパークリングワイン (シラーズやピノノワール) もあるので、お土産などにもおすすめですよ〜!

 

好きなワインをオーダーしよう!

という事で、さっそくレストランやパブでワインを注文してみましょう!とりあえず、好きな品種名が分かれば「Can I have a grass of Shiraz please.」などとオーダーすればOKです。

ワインリストがある場合も別に難しくはありません。例えば、下のようなメニューがあるとしますよね。

RED

TWO TRACKS    PINOT NOIR
MARLBOROUGH (NZ)

VASSE FELIX   CABERNET MERLOT
MARGARET RIVER (WA)

PENFOLDS BIN 2 GRENACHE   SHIRAZ
MOUVEDRE MCLAREN VALE (SA)

KATNOOK FOUNDERS BLOCK   CABERNET SAUVIGNON
COONAWARRA (SA)

INGOLDBY   SHIRAZ
BAROSSA VALLEY (SA)

TAMBURLAIN   MERLOT
ORANGE (NSW)

“Red” というのは赤ワインの事。

一番下の「TAMBURLAIN  MERLOT   ORANGE (NSW)」を例にとって説明すると、TAMBURLAIN はワイナリーの名前MERLOT はブドウの品種ORANGE (NSW) は作られた場所となります。(メニューによっては2016とか年度を書いている事も)

この “ORANGE” という場所もワインが有名な地域です。NSWやWAなどはオーストラリアの州ですが、リスト一番上の (NZ) は州ではなく、お隣の国ニュージーランドの事です。ニュージーランドワインもオーストラリアでよく飲まれてるんですよね。(白が多い印象)

ちなみに、ワインボトルのラベル (エチケット) にも、同じように書かれています。

もちろん店員さんにおすすめを聞くのもありですが、どの品種が好きなのかと聞かれると思うので、知っておくと便利ですよ。

テーブル席でボトルで頼んだ場合は、選んだ人が味見を促される事もあるかと思うので、一口飲んだら大丈夫かどうかをウィエイター / ウエイトレスさんに伝えましょう。頷くだけでオッケーです。

味や香りの表現 (オプション)

もしもっと深くワインを知りたければ、ワインのラベルをよく読んでみると良いです。

「Vibrant spicy berry and cherry aromas, savoury flavours and velvety mellow…」などと書かれていますが、別にベリーやチェリーが実際に入っている訳ではなく、あくまでも香りや味の表現です。

ワインの味を表現する時、Elegant(エレガント) ⇔ Bold(ボールド) / Savoury(セーバリー)⇔ Fruity(フルーティ) などの言葉を使う事があります。

他にも赤ワインの場合には、ボティと表現される事もあり、これは重めか軽めかの口当たりの目安になります。

  • フルボディ
    渋みや香りが強く、色が濃い目の重厚なコクがあるワイン。
  • ライトボティ
    渋みが少なく色も薄い軽いフレッシュな感じのワイン。
  • ミディアムボディ
    フルボディとライトボティの中間。

ぶどうの収穫から熟成して飲み頃を迎えるまでの期間によりアルコールやタンニンの含有量が異なるため、飲んだ時の口当たりが違って来ますが、一般的に1年くらいから飲み頃なワインをライトボティ、5年〜10年と寝かせた方がおいしくなるワインをフルボディと言ったりするようですが、はっきりと区切る基準はないそうです。なので「こういうのもあるんだな」くらいで良いかもしれませんね。

白ワインの場合は甘口・辛口で表現され、発酵により糖分がアルコールに変われば変わるほど辛口 (Dry) になります。

ワインを買いに行く

オーストラリアでアルコール類を買おうと思ったら、スーパーマーケットや普通のお店では買えませんので、必ずボトルショップ (Bottle Shop) に行ってくださいね。ここが日本の酒屋さんに当たります。大きなショッピングモールなら、スーパーマーケットの隣などに大概あると思います。

有名なチェーン店では、BWS (Beer Wine and Spirts)、Liquorland、Dan Murphy’s などありますが、ワイン専門店や小さくても品揃えが良いボトルショップなど色々あります。

ただ、ボトルショップは夜の10時以降になると閉まるので、遅くなるようでしたら先に買っておくのをおすすめします。

BYO を活用するのもおすすめ!

また、レストランには BYO (Bring Your Own) がオッケーなところも多いので、たくさん飲みたい人は自分で買って持ち込むと安く飲めます。だいたいボトル1本いくらのチャージか、人数分のチャージだと思います。

アジア系レストランでは、アルコールは置いてないので飲みたければ自分で持って来てくださいというスタイルも多いです。

ただし、あくまでもお店によってはで、高級店ではダメな事も多いので確認してください。

個人的にワインは開封から1週間以内に飲んだ方が良いと思います

ワインは開封から時間が経てば経つほど空気に触れて、酸化していきます。

ワイングラスに入ったワインをクルクルとまわすのを見た事があるかもしれませんが、あれは空気となじませて変わっていくワインの味を楽しんでいるんですよね。

ワインによっては開封直後が一番おいしかったり1日あけたらもっとおいしくなったりしますが、自宅でボトルを開けたら3〜4日くらいで飲み切るのが理想です。

私はひとりで飲む時によくやってしまうのですが、1週間くらい経ってくると、だんだん酸化してきて苦くなり、まずくて飲めたものではなくなります。(私の場合は赤ワイン)

これでボトルの中の空気を抜きます

酸化を防ぐために空気をボトルから抜いて保存する道具もありますが、それでも限度があります。でも、一度に全部飲みきれない人は、この道具は必須かも!

いっぺんに飲めないならこんな方法も

カスクワイン

あと、産地や味にそんなにこだわらないという人には、カスクワイン (箱ワイン) もおすすめです。

アルミ製の袋に入ったワインが箱の中に入っていて、付属のプラスチックバルブからワインを注ぐとワインの入っている袋も一緒にしぼむので、ワインが空気に触れる事がないという仕組みになってます。

実はこれ、60年代にオーストラリアで発明された物なんですよ〜!

安くて量があるので、ワーホリ御用達のワインというイメージもあるのですが、あまりにも安過ぎるワインは悪酔いしやすいので気を付けてくださいね。

最近では缶のワインも売ってるそうなので、それなら飲み切れると思います!

これもオーストラリアの発明品

余談ですが、コルク栓が常識だったワイン界でスクリューキャップを世界で一番最初に導入したのもオーストラリアです。

このスクリューキャップを使用する事でボトル内の密閉度を上げワインの酸化を遅らせる事が可能になり、今では当たり前に使われていますが当時は画期的アイディアでした。

ワイナリーに行くのも◎

試飲の出来るワイナリーで実際に飲んで買うのともっと自分の好みが分かりやすいですよね。

ワイナリーは比較的冷涼な南部のニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州などに集中していますが、暖かいクイーンズランド州やノーザンテリトリーにもあり、オーストラリア全土合わせると2400以上のワイナリーがあります。

歴史ある産地のひとつと言われる南オーストラリア州のバロッサバレー(Barossa Valley)やニューサウスウェールズ州のハンターバレー(Hunter Valley)、ビクトリア州のヤラバレー、西オーストラリア州のマーガレットリバー(Margaret River)などは観光地としても有名です。

他にも挙げればキリがないほどたくさんの有名な産地が存在しますので、そちらはいずれまたこのブログで詳しくやりたいと思います。

赤ワインが苦手だという人、まだ分かりませんよ?

ところで「でも、赤ワインってなんか苦手なんだよなあ…。何がおいしいんだろう?」という人も一定数いるように思います。

実は私も同じでした!今でこそほとんど赤しか飲みませんが、最初は全くおいしさが分からず、飲みやすい白ワインばかり飲んでたんですよ。本当のワイン好きは赤を飲むと聞いて、飲めるようになりたかったものの、飲むと喉がイガイガしておえーとなってました。

でも、それが悔しくて何度も何度も飲んでいたら、いつの間にか「おいしい‼︎」と感じるようになり、今はむしろ赤ワインしか飲みません。

そう、赤ワインのおいしさは、後から獲得する味覚と言われていて、ある程度の訓練が必要みたいです。なので、飲んでいくうちに分かってくる可能性も高いですよ〜。

Eri
働いてたレストランでお疲れドリンクが出た時、あえて赤ワインを選んで練習しました

オージーはワイン好き

日本食にもワイン

オーストラリアの人たちが集まるパーティーに行くと、必ずというほどワインが用意されています。

なんていうか、日本ではお酒を飲む時は非日常のような特別な感じがするのですが、オーストラリアではランチと一緒ちょっと嗜むのは別に普通ですし、もっと生活に密着しているものという感じがするんですよね。

そう言えば、昔ファームで働いていた時、年末ファーム側から仕事納めのお疲れビールが配られたり、別のファームでもオーナーが仕事中に「少しのアルコールで仕事がはかどるよ!」とワインを勧めて来たのには少しびっくりしました。

でも、みんなそんなにかしこまった様子はなく、カジュアルに楽しんでますよ!

 

おわりに

オーストラリアは、1788年にイギリスから入植者たちがやって来た時に様々な物が持ち込まれましたが、その中にはヨーロッパのワイン技術もありました。

オーストラリアのワインの歴史はまだまだ新しく、今もどんどん発展しているみたいです。

私のオーストラリア人パートナーは、実はワインが全然飲めませんが、ゴルフで勝ったと言って時々私に赤ワインを持って帰って来るので、わりと良いワインを飲む機会も結構あります。

なので、私もちょっとずつレビュー出来たら良いんでしょうけどね。

>Acknowledgement to Country

Acknowledgement to Country

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