イースターについてオーストラリアから詳しく解説

イースターについてオーストラリアから詳しく解説

2月のバレンタインデーの頃、オーストラリアのスーパーマーケットに並ぶのはバレンタインチョコレートではなくイースターのチョコレートです。

イースターは3月末〜4月のはずなので「早っ!」と毎年思ってしまいますが、卵やうさぎなどをモチーフにしたイースターのチョコレートをこれだけアッピールされると意識せざるを得ません。

 

イースターのチョコレート


でも、イースターって何??

イースター時期には各地で様々なイベントが開催され4日間の祝日となりますが、日本人にはあまりなじみがないですよね。

宗教に深く関わる行事なのでキリスト教や歴史の話も多くなりますが、オーストラリアにいる以上は知っておきたいもの。一体どんな行事なのか詳しくみていきましょう。

ちなみに2019年は4月21日〜、2020年は4月10日〜です。連休中の金曜日〜日曜日は休みになるお店も多いので注意してください。

 

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イースターとは?

イースター (Easter) は日本語では復活祭と訳される事からも分かるように、十字架に架けられて亡くなったイエス・キリストが復活したお祝いです。

イースターの語源は、ゲルマン民族の神話に出てくる春の女神エオストレ (Eostre) が由来していて、イエス・キリストが存在したイスラエルを始め、アメリカやヨーロッパなどの北半球の地域では春の訪れを感じる行事と言われています。

ただし、南半球のオーストラリアは当然季節が逆なので秋の訪れを感じる行事。実際、イースターが終わる頃から寒くなって来るので、毎年イースターの時期になると「ああ、夏も終わりかあ…」と思います。

イースターのモチーフ

よくイースターのモチーフとして使われるウサギや卵。

ウサギは女神エオストレの化身、もしくは使いだったと言われ、生命の復活や春のシンボルです。また、ウサギは子供をたくさん産むので子孫繁栄のシンボルでもあるので、キリストの復活、新しい命の象徴として使われるようになりました。卵も生命の誕生そのものですしね。

それに付随して、ヒヨコ、てんとう虫など生命を連想させられるモチーフがイースターのシンボルとなっています。

復活したキリスト

キリスト教徒でなくてもキリストが十字架にかけられた事は誰もが知っているでしょうが、その3日後に復活したという話は知ってますか?

『新約聖書』では、十字架にかけられてすぐ墓に安置したはずのイエス・キリストの亡骸が次の日に消え、その後、弟子たちの前にキリストが姿を現したと書かれていて、これはキリスト教圏ではとても重要な意味を持ちます。

キリスト復活については、今まで多くの研究家たちによって 「殺されたキリストは実は替え玉だったのではないか?」 「弟子たちが遺体を持ち去ったのではないか?」 などと様々な仮説も立てられましたが、今となっては歴史の謎に包まれたままです。

ともかく、この復活があったからこそイエス・キリストはカリスマとなり、その教えは2千年以上の長い歴史の中で紆余曲折しながらも現在まで篤い信仰心によって受け継がれて来たというのは間違いありません。

だから、このイエス・キリストが復活したと言われるイースターの日曜日は、キリスト教徒にとって一年のうちで最も重要な日なのです。

ちなみに “イエス・キリスト” は古代ヘブライ語とギリシア語を合わせたものをカナカナにしたものなので、英語では Jesus Christ ですね。

イースターの時期は?

基本的にイースターホリデーと呼ばれる祝日は4日間です。

金曜 (Good Friday)
キリストが十字架にかけられて亡くなった日
土曜日 (Holly Saturday又はEaster Eve)
キリストが墓に安置された日
日曜日 (Easter Sunday)
キリストの遺体が墓から消えた日
月曜日 (Easter Monday)

春分の日から数えて最初の満月の後の金・土・日・月曜日がイースター (ただし南半球のオーストラリアは春分ではなく秋分の日) なので、毎年日付が異なります。

ややこしいのですが、ローマ・カトリック教会プロテスタントの教会が属する西方教会(Western Christianity)と、中近東を中心とした東方正教会(Eastern Christianity)の一部ではイースターの日付が異なり、西方教会では3月22日から4月25日の間、東方正教会では4月4日から5月8日の間だそうです。オーストラリアはもちろんカトリックやプロテスタント系が多いので、西方教会の日付になります。

どうして日付が違うのかと言うと、ユリウス暦かグレゴリオ暦か、暦の算出方法の違いです。イースターをいつ祝うかは2世紀頃に論争が起こっていたようですが、16世紀に当時のローマ教皇グレゴリウス13世が、現在多くの国で使われているとユリウス暦よりも正確なグレゴリオ暦を作った後も、東方正教会の国々は受け入れず、今でもユリウス暦を使っている地域が多いそうです。

Pope Gregory XIII (1572-1585) 

それに加えてイエス・キリストの生きた時代の暦はユダヤ暦という暦だったので、現在の暦では正確に日付けを算出出来ないので、月の満ち欠けもあわせて日付を決めているのです。

こういったややこしさが日本でなかなか定着しない原因ではないかとも言われています。

イースターには何をするの?

この時期に町に出るとイースターのモチーフとされるウサギやヒヨコ、卵などの飾り付けを目にする事も多く、宗教的行事というよりは日本人のクリスマスのように、ただ楽しいイベント化されているような印象を受けなくはありません。

伝統的には家族や親しい人たちと食事をする日なので、我が家は家族で集まってレストランに行ったり、お互いにイースターのチョコレートを送ったりします。人によってはカードを送る人も。

イースターバージョンのパブロバ!

他には卵に色付けをしたり、小さな子供がいる家では庭に隠されたイースターエッグ (プラスチック製かチョコレート) を探すエッグハントをします。

このエッグハントのイベントは、オーストラリア各地でも開催されます。

(Photo Taken: 2007 Gold Coastにて。)

イースターは連休ですしイベントが満載なので、家族で出掛けたり旅行したりする人が多いのです。

特にこの時期の有名なイベントに、シドニーやメルボルンで開催される “イースターショー”があります。イースターショーでは移動遊園地、展示物、ショッピング、動物ふれあいコーナーなど、全部見ようと思ったら丸一日かかるほど広く、大人から子供まで楽しめてかなりの見応えです。

 

シドニーイースターショーについて

伝統的なイースター

そんな賑やかなイースターホリデーですが、最初に紹介したようにもともとはキリスト教に由来する行事です。

敬虔なキリスト教徒はイースターまでの40日間 (日曜日は入らないので実際は46日間) は “Lent” といってキリストの死を偲ぶ期間として、嗜好品を避けて食べる物に配慮するそうです。

中世くらいまでは断食をしていましたが、時代が下ると卵や魚を食べないようになり、だんだんとゆるやかに変わってきたようです。

40日間と言うのはキリストの40日間の断食、モーゼがシナイ山で過ごした40日間、預言者エリヤが歩き続けた40日、ノアの箱船で有名な大洪水が続いた40日間などに起因しています。

うちのパートナーもキリスト教に所属はしてますが教会に行くのも好きではないような人ですし、現在どれくらいの人がこの文化を守っているのか、私には分かりませんが。

そして18世紀頃のイギリスで、キリストが十字架に架けられた金曜日にホットクロスバン(Hot Cross Buns) を食べる習慣が始まりました。

ホットクロスバンとは、上に十字架のような模様のついたドライフルーツやシナモンなどを混ぜ込んだパンで、魔除けになるとか幸せになれるとか、数え切れないくらいの言い伝えが残されているパンです。

イギリス文化が根付いたオーストラリアでは、現在でも普通にスーパーマーケットやベーカリーで売っているのを見ます。

おわりに

イースターを知ろうと思ったら、キリスト教の理解が必要になって来ます。キリスト教は宗教という意味合いだけではなく、歴史的書物としても重要な役割を持っているんですよね。

ざっくりとでしたが、少しでも理解が深まっていただけたなら幸いです。

では、楽しいイースターをお過ごしください!
Happy Easter!