母の日には白い菊の花を

母の日には白い菊の花を

オーストラリアの母の日は日本と同じ5月の第2日曜日です。(ちなみに父の日は9月の第1日曜日)

母の日と言えば一般的にカーネーションを贈るのが主流ですが、オーストラリアの伝統的には母の日に白い菊の花を贈る習慣があるって知ってました?

日本人からすると菊の花を贈るなんて縁起が悪そうでギョッとするかもしれませんね。でも、日本と違ってオーストラリアでは菊の花は入院のお見舞いで差し入れる事もある、ごく普通の花なのです。

じゃあ、オーストラリアの母の日ってどんな感じなんでしょうか。

 

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オーストラリアの母の日

基本的にオーストラリアの母の日は、日本とそんなに変わらないと思います。

プレゼントは花の他にチョコレートとかマッサージ券とか、お母さんが喜びそうな物なら何でもオッケー。家族そろって食事するのも定番ですね。

人気なのは、朝遅く起きたお母さんが子供たちの作った朝食をベッドの上で食べる Breakfast on the bed。これはオーストラリアっぽくて素敵ですね。

花も白い菊と言いましたが特に縛りはなく、好きな花を贈る人が多いです。

どうして白い菊?

でも、どうして白い菊が母の日の花と言われたのでしょうか?これには理由が2つあります。

まず南半球のオーストラリアは季節が北半球とは逆なので、母の日は秋。ちょうどこの時期に開花を迎えるのが菊の花だからです。

そしてもうひとつの理由は名前。菊は英語で Chrysanthemums、略して Mums と呼ばれる事があり、だからつまり Mum (お母さん) の花なのです(笑)

Chrysanthemums

菊の白は花言葉で『献身的な愛』を意味するからで、それは母の日を最初にオーストラリアで広めたある献身的な女性に由来します。

かつて男性は襟元に菊の花を刺して、母親に敬意を表したそうですよ。

菊の花言葉 = ハッピネス、愛、長寿、喜び
赤 = 愛と感謝 / ピンク = 正直な愛 / 黄 = 忘れられた愛や悲しみ / 白 = 忠誠心と献身的な愛 / 紫 = 早い回復を (Get well soon)

菊の色は花言葉で決めても良いでしょうし、菊っぽくない菊など様々な品種がありますのでお好みで。

小さくてかわいい Pom Pom Chrysanthemums

母の日の始まり

では、献身的な愛から始まった母の日について、歴史を辿ってみましょう。

母の日は1905年にアメリカで始まり、1914年からはアメリカの祝日として正式に導入されました。

そこからじわじわ世界中に広がっていったのですが、オーストラリアで母の日が始まったのは第一次世界大戦敗戦後の1924年から。ただ、全土に浸透するまでには時間を要したようです。

きっかけはシドニーのライカートに在住ジャネット・ハイデン (Janet Heyden) という女性の活動でした。

ジャネットは友人を訪ねて定期的に病院 (Newington State Hospital) に通ううちに、戦争によって夫や子供を失い孤独に年老いていく女性が数多くいる事に気付きます。

彼女はその女性たちを元気づける為にプレゼントを贈りたいと考え、新聞で寄付を呼びかけるキャンペーンを実施。

地元企業の支持を得たり学校訪問で生徒たちに協力をお願いしたりして、最終的に1トン近い寄付が集まり、孤独な女性たちに贈られました。

これが母の日の始まりで、彼女のこの活動は1960年に彼女が亡くなるまで毎年続けられたのです。

母の日は次第にアメリカと同じく商業化されていき、ジャネットは本来の意味が喪失していく事に失望も覚えたようですが、かくしてオーストラリア全土で母の日が祝われるようになって行きました。

そして、白い菊が贈られるようになった理由は前述した通りなのですが、「あれ?でもカーネーションだったら白は亡くなった母親に贈る花じゃない?」って思いません?

母の日発祥地はアメリカ

1908年5月、祭壇に白いカーネーションが飾られたウエストバージニア州の教会で、アン・リーヴス・ジャービス (An Reeves Jarvis) の追悼式が行われました。

白いカーネーションは、生前のアンが好きだった花。

アンは、アメリカ南北戦争戦争 (American Civil War 1861− 1865年) 中に負傷兵を介抱し、公衆衛生上の問題に取り組む為に “母の日ワーククラブ” を創設した平和活動家でした。

1905年に彼女は亡くなりましたが、娘のアンナ・マリー・ジャービス (Anna Marie Jarvis) が “母の日” を作って意思を受け継ぎ、3年後の追悼式では白いカーネーションと多くの人たちに見守られる大きな式に発展。

だから、白いカーネーションは亡くなった母親へ手向ける花、赤いカーネーションは健在の母親へ贈られる花となったのです。

その後、アンナの努力の甲斐あって、母の日はアメリカ全土だけではなく世界各国にまで浸透していき、日本では1913年に青山学院にアンナのメッセージが届いて礼拝が行われています。(母の日が日本に定着するのはもっと後ですが。)

どのくらいの人が知ってる?

では、オーストラリアのどのくらいの人が白い菊を意識してるのでしょうか?…ぶっちゃけ、60年代生まれの私のパートナーは知らなかったみたいです(笑)

先週の日曜日 (2018年5月13日) 、母の日のランチで私が白い菊をお義母さんに贈った時に初めて知ったようですね。

 

ねえ、本当に何も用意しなくて良いの?

大丈夫だよ。高いレストランで食事するんだから、それで充分だって。

我が家では毎年のように家族で集まって母の日のランチをするのですが、事前にお義母さんのプレゼントを用意出来なかった私にパートナーは何もいらないと言います。

そりゃきっとお義母さんは何もいらないと言うだろうけど、普段すごくお世話になっているし、私的には何かプレゼントしたいと思いました。

 

あ、じゃあ母の日ランチの前にどこか寄って花かチョコレート買っても良い?

うーん、マムが今更花とかで喜ぶとは思わないけどね。何もなくて良いと思うよ。

えーそうなんでしょうか? 彼女は植物が大好きだし女性はいくつになっても花をもらったら嬉しくない?

まあ、パートナーは以前「花はすぐ枯れるから買いたくない。」と言ってて、私にもあんまり花くれない人ですからね。

そんな話をしていたら、いつも待ち合わせに遅れるパートナーの車が、珍しく早めに到着。「珍しい〜!雨が降るんじゃない?」とからかってたら、本当に雨が降って来たので笑ってしまいました。

そして、ちょうど道路沿いに “母の日の花売ってます” という大きな看板が見えたので、その小さなお花屋さんに行ってみる事になったのです。

その花屋さんの店頭に並べられている花は白か紫の菊の花の鉢ばっかりで、選択肢は2択。迷って結局白を選んだのは、彼女のイメージに近かったからです。

そして、レストランに着いて

 

Happy Mother‘s Day!

と花を義母に渡すと

 

あら、ありがとう。ああ、そう言えば白い菊は母の日の花だもんね!

と言われて、私も初めて「えっ、白い菊が母の日の花なんだ⁉︎」と知ったのでした。

それにしてもお義母さん、まるで初めて白い菊をもらったような反応で、白い菊がどうして母の日の花なのかを2人の息子に説明してました。

 

さて、シャンパンから始まる母の日の特別コースメニューをオーダーしたので、ウエイトレスさんからコース説明。

前菜はズッキーニフラワーとサーモンで、メインはラムステーキ。私はラムが苦手なのでスナッパー(鯛)に変えてもらって、デザートはチョコレートかレモンをそれぞれ選択。

 

で、えっと、何の花だっけ?

ん?ズッキーニフラワー?

違う違う。そのマムにあげた花だよ。

これは菊よ菊。母の日の花なのよ!

また説明している義母を見て、今まで息子たちは母の日に菊の花をあげた事はないんだなーと確信。ボーイズはこういう事に疎いんだよなー。

ちなみにこれが前菜のズッキーニフラワー。中にチーズが入っておいしかったです。

「写真撮らなくて良いの?」と聞くので撮ったデザート。

 

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おわりに

母の日ランチから半年後、お義母さんが「菊、まだキレイに咲いてるよ。」と私に数本摘んで持って来てくれました。

お義母さんにはかなわないなー。ってか、菊って随分長持ちするんですね!

ちなみに父の日は日本と違う日なので、日本のお父さんにお祝いをしたい場合はこんがらがらないようにご注意くださいね〜。