シドニーでは、1973年から2年に1度、オーストラリア最大の国際的な現代アート展『ビエンナーレ・オブ・シドニー (Biennale of Sydney)』が開催されます。
複数の展示会場で3ヶ月わたって無料開放されるので、これを機に出掛けてみてはいかがでしょうか。
このイベントではコカトゥーアイランドでも開催されることで知られていましたが、2024年は長年閉鎖されていたホワイトベイのパワーステーションが初の一般公開となり、話題を呼んでいます。
2024年のビエンナーレ・オブ・シドニー
2024年で50周年を迎える第24回目のビエンナーレ・オブ・シドニーの掲げたテーマは「Ten Thousand Suns」です。
このテーマには、植民地や資本主義の搾取に由来する深刻な生態学的危機を認識しながらも、西洋の終末論的なビジョンに抵抗し、喜びと豊かさの中で生きるために必要な未来をめぐる可能性を探究、というような意味が込められています。
96人におよぶ世界中のアーティストやグループによる約400ほどの作品が、6ヶ所の展示会場で3月9日 (土) 〜 6月10日 (月) まで開催予定です。
展示会場リスト
- ホワイトベイ・パワーステーション (White Bay Power Station)
- NSW州立美術館 (Art Gallery of New South Wales)
- オーストラリア現代美術館 (Museum of Contemporary Art Australia)
- アートスペース (Artspace)
- シドニー大学チャウチャク・ウイング博物館 (Chau Chak Wing Museum at the University of Sydney)
- ニューサウスウェールズ大学ギャラリー (UNSW Galleries)
※ 3月には、オペラ・ハウスで日没から数回、オーストラリアとニュージーランド先住民アーティストによる6分間のデジタル・アニメーションが映し出されていました。
そして、今回のビエンナーレに参加している日本人アーティストは、2023年に東京で設立された日本の国立アートリサーチセンター(NCAR)の「アーティストの国際発信支援プログラム」に支援されています。
日本人アーティストさんの作品については、日豪プレスさんで記事を書かせていただいたので、詳しくはそちらをどうぞ。
2年に1度の国際的な現代芸術展「シドニー・ビエンナーレ(Biennale of Sydney)」が3月9日からシドニー…
それぞれの展示会場の詳細は以下にまとめました。
ホワイトベイ・パワーステーション
今年大注目のホワイトベイ・パワーステーション (White Bay Power Station) は、かつてシドニーを走っていたトラム (1961年に廃止) や鉄道に電力を供給するために1912年から1917年にかけて建設された発電所跡地です。
1983年に閉鎖され、ずっと廃墟のようになっていましたが、ビエンナーレのために大規模な修繕工事が行われ、初の一般公開となりました。
駐車場がないので、バスがおすすめです。シティの QVB Stand B から15分おきに443のスペシャルイベントバスが出ていますし、通常の411や442でも行けます。
週末限定でインナウエストのシャトルバスもあるので、詳しくはウェブサイトで確認してください。
Robert St, Rozelle NSW 2039
https://www.biennaleofsydney.art/white-bay-power-station/
火〜日 11am-6pm (水曜日のみ9pmまで) / 月 閉館日
NSW州立美術館
サーキュラキーの近くにある NSW州立美術館 (Art Gallery of New South Wales) のビエンナーレ作品は、南本館の Ground level と Lower level 2 に展示されています。
こちらには2人の日本人アーティストの作品も展示されていますので、そちらもお見逃しなく!
Art Gallery Road, The Domain, Sydney NSW 2000
https://www.artgallery.nsw.gov.au/whats-on/exhibitions/24th-biennale-of-sydney/
10am – 5pm (水曜日だけ10pmまで)
オーストラリア現代美術館 (MCA)
サーキュラキー (ロックス) にあるオーストラリア現代美術館 (Museum of Contemporary Art Australia) は、Level 1 にビエンナーレの展示がされています。
140 George Street, The Rocks, Sydney NSW 2000
https://www.mca.com.au/exhibitions/24th-biennale-of-sydney/
水〜火 10am-5pm / 火 閉館日
アートスペース
現代アートを展示するアートスペース (Artspace)は、20世紀初頭に建てられた歴史的建造物の中にあります。
43–51 Cowper Wharf Roadway, Woolloomooloo NSW 2011
https://www.artspace.org.au/
火〜日 11am-5pm / 月 閉館日
シドニーのウルムルーにある『アートスペース (Artspace)』は、独立した非営利の現代アートの展示場です。あらゆる世代のアーティストが新しいアイディアを試し、交流する場となっているアートスペースの建物は、ニューサウスウェールズ州[…]
シドニー大学チャウチャク・ウイング博物館
2020年にシドニー大学の敷地にオープンしたチャウチャク・ウイング博物館 (Chau Chak Wing Museum at the University of Sydney) にも行ってみてください!
せっかくなので、アート鑑賞ついでに歴史あるシドニー大学の建物も見て回っても良いかもしれませんね。
University Place, The University of Sydney
https://www.sydney.edu.au/news-opinion/news/2023/10/31/chau-chak-wing-museum-joins-with-biennale-of-sydney.html
平日 10am-5pm (木曜日のみ9pmまで) / 土・日 12pm-4pm
ニューサウスウェールズ大学ギャラリー
1949年に設立されたニューサウスウェールズ大学のパディントンキャンパスにある、ニューサウスウェールズ大学ギャラリー (University of New South Wales Galleries) にも展示作品があります。
CNR Oxford Street & Greens Road, Paddington NSW 2021
https://www.artdesign.unsw.edu.au/unsw-galleries
月〜金 10am-5pm / 土・日 12pm-5pm
おわりに
シドニーには無料で鑑賞出来る美術館や博物館が複数ありますが、この2年に1度の国際アート展もぜひ足を運んでみてください。新しい発見があるかもしれませんよ〜!
それぞれの美術館や博物館の詳しいインフォメーションは、また別で書いていこうと考えています。