オーストラリアにはケバブのお店が山ほどありますが、ドイツのベルリンスタイルのケバブはあまりありません。
そんなケバブが食べれるお店をシドニーで見付けました!
「え、ケバブってトルコの食べ物でしょ⁉︎」って思ったのですが、ドイツではトルコのイスタンブールよりもケバブのお店が多いと言われるくらいケバブが普及していて、ベルリンの象徴的食べ物とも言われているそうなんです。
でもネットで検索しても、シドニーのベルリンスタイルのケバブは『ザ・ベルリンフードバンカー (The Berlin Food Bunker)』一件しかヒットしないので、おそらくここがオーストラリアで唯一のお店みたいですよ。(2023年時点)
意外な場所にドイツのストリートフードのお店が‼︎
『ザ・ベルリンフードバンカー』はウエストライドのぼぼ境目、メルローズパーク (Melrose Park) にある洗車場の敷地内にあります。
そう、洗車場の敷地内、です。
シドニーCBD から北西へ約17kmほど、車だと20〜30分くらいの場所です。公共交通機関だとバスで行けなくもないですが、ちょっと大変かも。
私はウエストライドの町から徒歩で来たことがありますが、遠いのでお勧めしません (汗)
しかも、営業時間が木〜月の午後6時〜と短い!(ウェブサイトを見ると閉店時間は til late となっていますが、平日は午後10時くらいに閉めていることが多いようです)
1206 Victoria Rd Melrose Park 2114 inside Awash Carcare
https://www.theberlinfoodbunker.com.au/
木〜月 6am- Late
最初にこのお店を見つけた時はびっくりしました。洗車場の片隅にある小さなフードトラックのようなお店だったから。
これです、分かりますか?
シティからちょと離れている観光地でも何でもない、しかも車しか通らないような場所にひっそりとあるんです。
だからぶっちゃけ、お客さん来るのかな?と思っていたのですが、
おとといの木曜日に初めて食べに行くと、想像以上にたくさんの人で賑わっていて繁盛してました!
食べ物はこんな感じ!
ここは、1988年にドイツのベルリンからオーストラリアに移住してきたある男性がシドニーにはベルリンスタイルのケバブがないことに気づき、いつかお店を出そうとアイディアを温めていたお店だそうです。
2018年、4人の子供が立派に社会人になったのを機に、ついにベルリンスタイルのケバブを含むドイツのストリートフードのお店をオープン。
パンやその他の食材にもこだわって、本場ベルリンの味を再現しているとのことですよ。
本場の味を再現したケバブの味は?
初めてのベルリンスタイルのケバブはボリューム満点で、パンもパリパリに焼けていてとってもおいしかったです!
パートナーも気に入ったようで、食べ終わる頃には次に何を食べるか考えてました (笑)
パートナーの仕事が忙しくて、予定時間よりもかなり遅い午後9時近くになって家を出たのですが、結構混んでて私たちの前後にも何人も待ってる人が。
回転するお肉を削ってます
ひとりで注文を受けて作ってるので、おじさん、とっても忙しそうです。
…なんて話しながら待ちました。
ちなみにポークナックルという塩漬けの豚のすね肉を煮込んで焼いたものも、ドイツでよく食べられる料理なんですって。
そして順番が来ました。
Karamalz $4というドイツ伝統的なノンアルコールのモルツ (麦芽) 飲料を飲んでみることに。パートナーは普通にファンタ $3を注文。
ビールに似た味と書かれていたのですが、これのどこがビール⁉︎と思うような甘くて不思議な味。
でもどこかで飲んだことのあるような何とも表現し難い味なのですが、ずっと何に似てるか考えてた結果、私の中でプルーンが近いかもということで落ち着きました。
おいしいようなおいしくないような、私は嫌いじゃないですが、好き嫌いは分かれそうです。
そして来ました、ドナーケバブ (Döner Kebab $13.5)!
ターキッシュピデというパンに、たっぷりの野菜や肉が入っています。
ビーフ、チキン、ミックス、ベジタリアンと選べたので、ミックスにしました。チーズやチリも$1追加でつけられます。
待ってる時に他のお客さんのケバブを見て、パートナーが「あんな大きいの食べれるの?」と言ってきたのですが、うん、私には無理です (笑) でもまあ、食べ終わらなければ持って帰って次の日にでも食べれば良だけなので。
パートナーは、食べやすそうという理由でホットドッグ ($10)。
この店ではこれがいちばん人気なんだそうで、しっかり焼かれておいしそうですね!カレー、チリ、クラシックが選べるようで、パートナーはクラシックを選びました。
他にもいろんなメニューがあったので、書いておきます。
Leberkase (Meatloaf) Roll $12
合い挽きのひき肉にハーブが入ったミートローフを野菜と一緒にポテトバンで挟んだもの。
Currywurst
wurst というのはドイツ語でソーセージのこと。グリルしたソーセージとチップスにカレーソースがかかってるもののようです。
あと、テイクアウェイでパートナーの大好きなドーナッツ。ってか、買いすぎ (笑)
ベルリンの Ball Donuts だそうですが、これはオーストラリアでもよく見る普通のドーナツですね。ジャム $4.5、ヌテラ $5 です。
それから シナモンのミニドーナッツ 6個$7.5もw
ああ、満足!
…たた唯一の誤算は、洗車場『Awash carcare』が閉まってたことですかね。(5時までだったみたいです)
洗車したついでにケバブ食べれたらちょうど良いと思ったんですけど、洗車場が閉まるのが5時でベルリンフードバンカーがオープンするのが6時では一緒には無理ですね。残念。
それが理由で来たのもあるので、この後に違う場所で洗車はしました。
ちなみに前回は全然気づきませんでしたが、反対側には『潮味道』というチャイニーズレストラン、向かい側はマクドナルドです。
結局、ベルリンスタイルのケバブとは?
ということで、もうちょっと詳しくベルリンスタイルのケバブについて説明しますね。
オーストラリアもトルコ系移民が多いですが、この国でケバブというと、肉や野菜が食べやすいようにピタパンでくるくるっとラップされてるものをイメージする人が多いかと思います。(パブの隣にあって、お酒の後にオージーやヨーロピアン系の人たちが〆で食べる、日本人のラーメン的存在のようなw)
これはトルコスタイルのケバブです。実際この手のお店にはトルコ (Turkish) という看板や国旗が掲げられてることもよくありますよね。
ちなみに “ケバブ” は焼いた料理という意味なので、串に刺さったものもケバブです。食べやすいようにラップされたものは、わりと近年になったからだそう。
これらのケバブは、トルコ語で「回転する」という意味のドネル (Doner、英語やドイツ語ではドナーという発音が近い) という言葉の通り回転するオーブンで肉が焼かれるので、正式にはドネルケバブ (Doner Kebab) と呼ばれます。
じゃあ、ベルリンスタイルのケバブは何かというと、ラップではなくサンドイッチのようにパンに挟んだもので、1970年代のベルリンで生まれました。
このタイプのケバブはオーストラリアでは珍しいですが、日本の方が「ケバブサンド」として普及しているようですね。
ベルリンスタイルのケバブが生まれた背景
元々のドネルケバブは、17〜19世紀のオスマン帝国時代のトルコに遡ります。
現在は世界中で人気のストリートフードになっていて、ギリシャスタイル、アラブスタイル、メキシカンスタイルなど数えきれないくらいドネルケバブのバリエーションがあるそうです。
ドイツは第二次世界大戦に敗戦した後、国を復興させるために労働力としてトルコの人たちに移住を呼びかけたことでトルコ系移民が増え、同時にケバブも普及していきました。
安くておいしいケバブはドイツで広く親しまれるようになり、ベルリンスタイルのケバブは、当時ベルリンの壁 (1961-1989) で分断されていた西ベルリンで発明されたと言われています。
誰が発明したかは諸説あるようですが、1972年にベルリン動物園の地下鉄駅でガストアバルター (出稼ぎ外国人労働者) によって販売されたのが最初だそうです。
シドニー発祥のケバブもあった!
今回ケバブについて調べていると、なんとハラール・スナックパック (Halal snack pack) というケバブはシドニー発祥だそうです!
チップスにハラール肉とチーズやソースが乗っているもの。うーん、オーストラリアらしいかも。
私はケバブをあまり食べないので知らなかったのですが、結構シドニーでは定番のようなので、こちらもまた食べてみないとですね。
おわりに
色んな国の料理が楽しめるのはオーストラリアの良いところ。いやー、面白かったです。
パートナーに「どうやってお店を見つけたの?」と聞かれたんですけど、たまたまですね。
先月、ウエストライドのレストランやカフェについて紹介する記事を書いたのですが、その時にリサーしていたらグーグルマップで見つけたんです。
きっと、知る人ぞ知るお店なんだと思います。
シドニー中心部から北西へ約16km、車や電車で約40分ほどの場所にあるウエストライド (West Ryde) は、アジア系のレストランや食料品店が多い素朴なサバーブです。こじんまりとしていて韓国系のお店が目立ちますが、国際色も豊かな[…]