日本食はオーストラリアでも人気があり、都市部に行くとたくさんの日本食レストランを見掛けます。
…ですが、未だに「日本食と言えば Teppanyaki (鉄板焼き) だね!」と言われることも結構ありますし、田舎の方で「日本食を人生で一度も食べたことがない」という人にも出会ったことがあるので、認知度には地域差や個人差があるのは否めません。
日本人経営ではない日本食レストランは珍しくなく、日本人は日本人ではない人の作った料理だなと何となく分かってしまうものです。
同じ名前の食べ物を作っても、国によってこんなに感性が違うのか…!と思うことも多々あったので、今回はそんな外国人の感性で作った興味深かった日本食を紹介しようと思います!
フュージョン料理のような意図的に和洋ミックスしている料理というよりは、ナチュラルに「日本食だけど日本食なのか?」と思わされる料理です。
お寿司と言えば Sushi Roll
これ、昔レストランの窓に貼られていたお寿司です。まだオーストラリアに来たばかりの頃だったので、かなり衝撃を受けました。
きれいですけど、お寿司と呼ぶにはオリジナルティがすごいですよね。
寿司といえば、あの頃はやたらと色んな国の人に「家でお寿司作るの?」と聞かれていました。「いや、お寿司は外に食べに行くものだから‼︎」と答えてましたが、その時私が想像していたのはにぎり寿司。でも、もしかしたら相手は巻き寿司を指していたのかもしれませんね。
現在オーストラリアでは、気軽に食べれう巻き寿司が人気で、どこでも買えるようになって来ています。
Sushi Train のようなチェーン回転寿司も大人気で、オーストラリア風にアレンジされたアボガドやチキンカツ入ってるスシロールにいちいちびっくりしてました。飲み物聞いたら「みそ汁」と言われるし。
今となっては普通ですけどね (笑)
上の写真は2008年にニュージーランドのお寿司屋さんで買ったものです。ここまでアレンジされていると清々しいというか、楽しいですよね。
そうそう、パートナーの親戚に当たるオーストラリア人ファミリーにお寿司の作り方を聞かれたこともありました。
面白いお寿司の作り方
アデレードに行っているパートナーから「今、女性陣がスシを作ってるから、アドバイスが欲しい」と、シドニーで留守番していた私にメッセージが来たのは、2019年と5月のこと。
どうやら彼のお父さん家族の女性陣が、みんなで寿司ロールを作っているようなのですが、添付されていた写真を見ると、謎の巻き寿司作る道具が‼︎
Sushi Rolls Maker というらしく、探したら日本のアマゾンに売ってたので、それも驚き。具とご飯を詰めたらぐにゅーっと押し出す仕組みのようです。
うーん、これは私、アドバイス出来ないわ…と思いましたし、日本食をよく知らない人に日本食を説明するのって、ニュアンスとか色々難しいかも…と感じました。
こういうのも昔「使い方教えて」と言われましたが、使った事ないので、むしろ私が使い方を知りたいと思いました (笑)
シドニーに戻って来たパートナーに聞いたら、アボカドやツナ缶などを具にして酢飯ではなかったらしいですが、無事においしく出来たそうです。正確にはスシというよりもスシ型のおにぎりでは?という気もしますけどね。
もしあの場にいてアドバイス求められたら何て答えただろう…。とりあえず、酢飯じゃないことに戸惑ったかもしれません。こういうのは楽しければ問題なしだと思いますけどね。
酢飯じゃない寿司と言えば、先日、オーストラリアのセブンイレブンで売ってるなぜか酢飯で作られているおにぎりのレビュー記事も書いたばかりです。
日本のものとはちょっと違うというのは日本国外に住んでいたら日常茶飯事ですし、そもそも海外に完璧を求めるのが間違っているのかもしれませんね。
そして、再び発想の違いにハッとする事が。
その発想はなかった!
2019年年末にはアデレードのお父さん夫婦の家に10日ほど滞在させてもらう機会がありました。
お父さんの奥さん (パートナーにとってはステップマザー) から、以前からずっと私に「日本食作って!」とリクエストをもらっていたので、食材をたくさん購入して日本食をふるまいました。
…が、買い過ぎたようで使い切れず、残ったものの使い方を説明して置いて帰ったら、数週間後、私たちがシドニーの自宅に戻ってしばらくしてから彼女から「もらった食材使って日本食作ったよ‼︎」と写真とメッセージが来たんです。
…おお、私が教えた炊き込みご飯とイナリが合体して、チーズも乗ってる!
私もイナリとすし太郎はよく合体させますが、炊き込みご飯という発想はなかったですね。日本人的にはイナリと味がケンカしない?と思っちゃいますが、日本食に興味を持ってくれて、作ってくれた写真をわざわざ私に送ってくれる気持ちが嬉しいなと思います。
でも炊き込みご飯にチーズ、意外と合いそう。
でも、もっと「そう来たか‼︎」と思ったのは、うちのパートナーですよ。
それは去年か一昨年、いつも朝はゆっくりの彼が、いつもよりちょっと早く起きたからか私にこう言いました。


で、待っていたら、出て来たのがこれ。


うう、私が買って置いといたごましお…。まあ、合わなくはないかも。でも、これをヨーグルトに振りかけようという発想自体出て来ませんでしたね〜!
ちょっと前に、海外のお寿司を研究して逆輸入しているという人が日本の番組に出てましたが、意外なところで自分の中の常識が破られ、斬新なアイディアを見付けられそうですね。
オージーは気付かないかもだけど、日本人なら「あ、シェフは日本人じゃないんだろうな」って何となく分かっちゃうよね。
今日の決め手はお吸い物に見せ掛けたうどん汁と天つゆの色かな?でもこれはこれで十分美味しかった😂 pic.twitter.com/9ixDaG3a4W— Eri @オーストラリア (@eri_sakuragi) January 3, 2021
最初の頃は「コレジャナイ」感が強い日本食にストレスを感じる事も多かったのですが、だんだん慣れて来ました。
“Don” って書いてるのにお皿で盛られて来たり、サラダコーナーにお米料理が載っていたり色々面白い発見もあるので、海外風アレンジを楽しむくらいの姿勢でいた方が楽で良いかもしれません。
まあ、日本だってヨーロッパや中国の料理を日本人の口に合うようにアレンジしているものがたくさんあるので、国外に輸出されるとそうなるものなんでしょう。
おわりに
とりあえず、私の母親が料理が下手だったのはかえって良かったのかもしれないな…とも思っています。
普通に一汁三菜のおいしい料理を当たり前食べて育ったら、オーストラリアで暮らすのも、うちのパートナーと暮らすのは大変だったろうなあと思いますもん。
若い時は危機感を感じて自ら料理教室に通ったほどで、良いんだか悪いんだかですけど、生まれ育った環境は選べないのでポジティブに…。
短大のクラスメイトに指摘されるまで気付かなかった、食事中に飲むコーラやファンタ。我が家はなぜか小さい頃からそういう家庭だったんです。オーストラリア人みたいでしょ?
でもやっぱりいつも本当に食べたいと思うのは日本食なので、どうやって自分の食欲を満足させるか、工夫は必要ですね。