オーストラリアにはアジア系の移民も多く暮らしているので、毎年1月後半〜2月頃になると町で赤いランタンなどを多く目にするようになります。
これはチャイニーズニューイヤー (Chinese New Year) を祝うもので、最近ではオーストラリアでもルナーニューイヤー (Lunar New Year) という表記も増えて来ました。
ただ、オーストラリアではまだルナーニューイヤーという言葉は定着していないので、分かりやすくChinese Lunar New Year と書くこともありますね。
中国はもちろん韓国、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシアなど、アジアの多くの国にとってのお正月で、春節とも呼ばれ、日本で言う旧正月に当たる日です。
この期間はオーストラリア各地で様々なイベントも開催されるので、お近くの地域を探してみても良いのではないでしょうか。
ということで今回は、このルナーニューイヤーについて、主にオーストラリアからの視点で詳しく紹介していきます。
ルナーニューイヤー (チャイニーズニューイヤー) とは
アジア圏では 春節、英語ではChinese New Year もしくは Lunar New Year と呼ばれるこのお正月。
日本も明治時代までは同じように祝われていましたが、現在はヨーロッパ圏でも広く使われている新暦を採用しているので、ご存知の通りお正月は1月1日ですよね。
この時期は多くの人たちが里帰りをする時期でもあるので、アジア系の会社は長期休業することが多いので気を付けてください。
2020年はこの人の移動で新型コロナウイルスが世界中に蔓延するきっかけになってしまったと言われましたが、通常はオーストラリアにも長期休暇で多くのアジア人観光客がオーストラリアにも来るため、ホテルの値段も一気に跳ね上がります。
だから旅行を考えている際は、日付を確認してみてください。
ルナーニューイヤーはいつ?
時期は旧暦なので毎年違いますが、1月後半から2月の間です。
2021年を例に出すと、2月12日の前日である11日が大晦日になり、1週間ほどお祝いが続きます。
2019年 2月5日 | 2020年 1月25日 | 2021年 2月12日 | 2022年 2月1日 |
2023年 1月22日 | 2024年 2月10日 | 2025年 1月29日 | 2026年 2月17日 |
2027年 2月6日 | 2028年 1月26日 |
旧暦と新暦は何が違うのか?
ここでちょっとだけ旧暦と新暦について触れておきましょうか。
新暦というのは、グレゴリオ暦 (Gregorian calendar) のことを指していて、オーストラリアを含む多くのヨーロッパ圏が採用している暦です。もちろん日本も同じです。
旧暦と言っても長い歴史の中では色んな時代や民族によって様々な暦が存在しますが、日本で言う旧暦というのは太陰暦 (太陰太陽暦)を基準としている暦のこと。それに対して新暦は太陽暦で太陽を基準としています。
だから旧暦は新暦の日付で見ると、毎年にズレていってしまうんです。
日本の文化にも残っている太陰暦 (旧暦)
旧暦だったころの名残は、日本文化にも色濃く残っています。
太陰暦は主に月の満ち欠けを基準にした暦であり、新月を月の始まりとして次の新月までを1カ月と考えるのですが、つまり満月の頃がちょうど月の真ん中ということ。
新月から新月までの日数は平均約29.5日で、それが12カ月で1年は354日。それを3年に一度閏月 (うるうづき) を設けて調整し、閏月がある年は1年が13カ月になります。
日本でも十五夜という言葉が残っていますが、それも旧暦の名残です。これは中秋節と呼ばれ、日本ではお月見の日に当たります。
グレゴリオ暦 (新暦 / 太陽暦)
新暦であるグレゴリオ暦は、太陽の動きを基準として地球の自転と公転から1年を換算する暦です。
ヨーロッパを中心とした世界の多くの国々でこのグレゴリオ暦が採用されていて、日本は1872年 (明治5年) にヨーロッパ基準に合わせて使われるようになりました。
グレゴリオ暦以前のヨーロッパではユリウス暦 (Julian calendar) という太陽暦が採用されいたのですが、この暦は季節のズレが大き過ぎるという問題があったので、1582年にローマ教皇グレゴリウス13世によって新しく制定されたのがグレゴリオ暦です。
しかしグレゴリオ暦も完璧ではなく、ご存知の通り1年は365日ですが、厳密に計算すると1年は365日と数時間なので、このわずかな時間差が積もり積もるとやっぱり季節のズレが生じてしまいます。
だから4年に1度の閏年 (うるうどし) で通常28日までしかない2月に29日まである年を設けて調整しているのです。
オーストラリアで開催されるイベント
この時期オーストラリア各地では様々なイベントが開催されます。
沢山のランタンが飾られ、ライオンダンス (獅子舞) や ドラゴンダンスなどを始め、マーケットやワークショップなど盛りだくさんです。
シドニーのダーリンハーバーでは毎年恒例で中国のー伝統的なイベント、ドラゴンボートレースが行われます。
このレースは南半球では最大規模で、全長12メートルのドラゴンボートを約3000名をの漕ぎ手が参加し、約140艇の舟が出ます。
多くの見物客で賑わうチャイニーズパレードも恒例なのですが、現在ライトレールの大規模な工事でメインの道路が使えない為か行われてません。
おわりに
月の満ち欠けによって出産率や死亡率が変わり、女性の月経も影響を受けているというのは有名な話ですよね。
昔の日本人は月の満ち欠けを見ながら種蒔きなどを決めたり農産や漁業などにも活かしていたそうですが、最近またそういった農業が見直されていますし、月の満ち欠けに伴った生活をしようという考え方もよく目にするようになりました。
そんな事を意識して生活してみるのも良いかもしれないですね。
その他の旧暦イベント 中秋節