ジャカランダ (Jacaranda) は春から初夏にかけて、オーストラリア全域で見る事が出来る薄紫色の花です。
開花時期は州によってばらつきがありますがだいたい10月〜12月頃。
この時期にオーストラリアにいるとあちこちで咲く紫色の花は目立つので、名前は知らずとも見たことある人は多いのではないでしょうか。
散る時は花びらではなく花ごと散るのですが、遠くから見るとまるで桜が散っているように見えるので、オーストラリアの桜と呼ぶ日本人もいます。
そんなジャカランダについて、詳しく見てみましょう。
ジャカランダについて
ノウゼンカズラ科ジャカランダ属 (Bignoniaceae, Jacarandeae)
ジャカランダはオーストラリアではあまりにも身近な花なのでネイディブフラワーと間違いそうですが、原産は中南米の熱帯地域です。
49種類存在しますが、オーストラリアを始め世界で最も人気のあるのはブルージャカランダ (Jacaranda mimosifolia) という品種で、オーストラリアでは19世紀初頭にイギリスのキューガーデンからこの国に持ち込まれました。
オーストラリアの気候は中南米と似ているので、ジャカランダが育つのに最適な環境だったようで、同じく南半球にある南アフリカのプレトリアもジャカランダシティとして有名です。
オーストラリアのジャカランダ開花時期
ジャカランダの開花時期は州によって少しずつ違い、クイーンズランド州ブリスベンで咲き始めるのが10月中旬頃、ニューサウスウェルズ州シドニーでは10月下旬から11月、ビクトリア州メルボルンでは12月頃です。
各州のジャカランダスポット
ブリスベンはニューファームパーク、シドニーはキリビリの McDougall Street、メルボルンはあまりまとまって咲く場所は少ないようですが、メルボルン大学などに咲いているようです。
また、ニューサウスウェールズ州北部の町、シドニーからおよそ600kmほど北上したグラフトン (Grafton)という地域では、1934年から毎年毎年10月の終わり〜11月の初めにジャカランダフェスティバルが開催されています。
ラベンダー色の服を着たり、パレードやライブ、クイーンコンテストなど様々なイベントに参加したり。オーストラリアで1番大きいジャカランダの木もこの町にあるんだとか。
公園に咲いていることも多いのでピクニックしながらお花見をするのも良いですが、フェスティバルでジャカランダを満喫するのも楽しそうですね。
オーストラリアにおけるジャカランダ
ジャカランダがオーストラリアに持ち込まれたのは1850年代初頭でした。
苗木屋のトーマス・シェパード (Thomas Shepherd) がチッペンデールで栽培したのが最初で、1868年にマイケル・ギルフォイル (Michael Guilfoyle) が挿し木で増やすことに成功してからは、ダブルベイにあった彼の苗木屋で販売されるようになりシドニーでは庭に咲く一般的な花になりました。
シドニーのボタニックガーデンには1857年に植えられています。
おわりに
ワトルが春を告げる花なら、ジャカランダは春の終わりから初夏を感じる花です。このジャカランダのお陰で「今年もそんな時期になったんだなあ」と季節を感じることが出来ます。
空に映えるジャカランダはうっとり見とれてしまうくらいきれいなので、この時期は十分に堪能したいものです。