オーストラリアでは、200年越えの建物が現役で使われていることが珍しくありませんが、ナショナル・トラスト (National Trust) の管理する歴史的建造物は、19世紀の植民地時代オーストラリアを知る手掛かりとして興味深いものが多くあります。
建物や歴史についてのガイドツアーに参加すると、オーストラリアの知らなかった一面が見れるかもしれません。
入場料はだいたい$10〜ですが、会員になれば無料で、イギリスやアメリカなど他国の相互訪問協定を結んでいる国でも使えます。
ナショナル・トラストとは?
ナショナル・トラスト、私も名前は聞いたことがありましたが、具体的なことはほぼ知りませんでした。
知ったのは、先日 (2024年8月) ニューサウスウェールズ州のパラマタにあるエクスペリメントファームというところに行った際、会員になるか聞かれたからです。
オーストラリアのナショナル・トラスト (正式には Australian Council of National Trusts /ACNT) は、オーストラリアの先住民、自然、歴史遺産の促進と保護に取り組む、コミュニティベースの非営利団体です。
もともとナショナル・トラストは1895年にイギリスから始まったもので、産業革命に伴う都市開発により歴史的に価値のある建物や自然が失われていくのを憂いた3人の市民が、寄付金や贈与で土地や建物を取得し、保護に成功したことが起源になっています。
その活動はナショナル・トラスト運動として世界各地に広がり、オーストラリアは、1945年に Annie Forsyth Wyatt (1885–1961) によって設立されました。
いちばん最初は1945年にニューサウスウェルズ州、次に南オーストラリア州が1955年、ビクトリア州1956年、そして西オーストラリア州、タスマニア州、クイーンズランド州と続き、1965年に全州の統括がされた後、キャンベラとノーザンテリトリーも1976年に設立。
ということで、ナショナル・トラストは8つの各州及び準州に組織があり、オーストラリア全土で300超える建物や場所を所有または管理しています。
建物や場所などについてなどは、ウェブサイトをチェックしてみてください。
ちなみにニューサウスウェールズ州には20ヶ所あるようです。
会員になると入場料が無料に
一度だけの訪問なら一回一回入場料を払った方が良いですが、もしもたくさんの場所に行くのなら、オーストラリアだけではなくイギリスやアメリカなど協定を結んでいる国のナショナル・トラスト施設が入場無料になる会員登録をしても良いかもしれません。
※ ただし、一部無料ではない場合もあるので要確認
ウェブサイトにある協定を結んでいる国は以下になります。
一応日本も入っていますが、調べてみると自然保護活動が多いので、オーストラリアのナショナル・トラストをイメージとはちょっと違うかもしれません。
ちなみに日本でナショナル・トラストが始まったきっかけは、1964年。鎌倉市の鶴岡八幡宮裏山が宅地開発されそうになった時、それに反対する住民がナショナル・トラストにヒントを得て募金を募り、土地を買い戻したのをきっかけに日本全国で活動が始まったようです。
会員になるには、ウェブサイトからかナショナル・トラストの施設で直接手続きが出来ます。
エクスペリメントファームで会員になるか聞かれて迷いましたが、会員は1年で$90、この施設は入場料が$12で、私は他のところにも色々行きたかったので会員になることにしました。
手書きで申込書に記入して支払いをしたら、その場で仮のカードをもらいます。
2週間くらい経って自宅に郵送された本カードがこちら。一緒にナショナル・トラストのマガジンとワインの割引券も入ってました。
他の週は分かりませんが、ニューサウスウェールズ州は半年に1度マガジンが発行されるようです。
赤ワインは、15本$315のところを$180オフですって。
おわりに
オーストラリアの歴史に興味があるなら、ナショナル・トラストのリストは色んな手掛かりになるので助かります。
有名どころからあまり知られていない小さなところまで、訪問してみると楽しいのではないでしょうか。