去年の9月から続くオーストラリア大規模で激しい森林火災 (ブッシュファイヤー)、その煙は南米にまで達していましたが、1月中旬の現在は地球を一周して再びオーストラリア上空に戻って来ているとの事。
一時期にはシドニーの空気は中国よりも汚染が酷いと言われ、深刻な健康影響を受ける可能性がある危険レベルまで達し、実際に救急外来を訪れた人が増えたりもしました。
この状態は明らかに普通ではなく、先日私は南オーストラリア州・ビクトリア州の旅行からニューサウスウェルズ州に帰宅したのですが、ここ2日はシドニーに青空が見えて喜ばしいものの、今度はメルボルンがかなり煙って危険レベルになっているようです。
そんな危ない大気汚染を極力避けるには P2マスクが必要で、特に喘息を持っている人や気管支が弱い人は用意した方が良いのですが、売り切れも続出しています。
とりあえず、12月のシドニーの状態がどれくらい空気が悪かったのか見てみてください。
※ リアルタイムで確認出来るサイトも複数あります。
→ ブッシュファイヤーと洪水の状況がすぐ分かるウェブサイト
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赤い太陽とシティにまで届く煙
初めて赤い太陽を見たのは数年前でした。それは、ブルーマウンテンズで大規模なブッシュファイヤーが発生しているためで、その影響が100km 近く離れたシティにまで及ぶのかと驚いたものです。
そして、去年の終わり頃から再び赤い太陽がシティに現れるようになったのですが、ただ、今回はそれがずっと続いてました。
2019年の9月頃から始まったブッシュファイヤーの勢いはすごく、11月にはシドニーの中心部にも焦げ臭いにおいが届き、12月初旬頃になるとシティにある私たちのアパートの18階からでもすぐ気付くほど外が真っ白に。
シドニー郊外では灰が降っているという話もよく聞くようになり、これはいよいよいつも毎年のように起こるブッシュファイヤーとは規模が全然違う…と恐怖を感じるようになって来ました。
煙に包まれるシドニー
2019年12月10日の煙で白く霧がかかったような町が、私が去年最後に見たシドニーでした。次の日からパートナーと車でメルボルンに向けて出発したので、それが見納めだったんです。
年末頃になると、旅行先で見るニュースから “Bushfire crisis” という嫌な言葉を耳にする機会が増えていましたが、この時はまさか18日には国内平均気温が過去最高の40.9度を記録するとも、被害があそこまで拡大するとも思ってませんでした。
これを書いている2020年1月14日現在、まだ100カ所以上が燃えていて、現時点で1000万ヘクタールが焼失。4人の消防士を含む約28人が死亡し、ニューサウスウェルズ州だけでも2,000戸以上の家が消えています。サラッと書きましたが、大変な事です…。
ちょうど午後12時頃のハイドパーク
この日、36度という暑さと強い風の影響もあったようで、ハイドパークも辺り一面真っ白でした。
煙による空気汚染でオフィスビルの火災警報機が反応し、あちこちで消防車のサイレンが鳴っていました。サーキュラキーからのフェリーも運行を見合わせた便があったそう。
ショックだったのは、ハイドパークからシドニータワーが煙って見えなかった事。
午後2時15分
シドニーのシンボルであるオペラハウスやハーバーブリッジも煙ってました。
午後2時50分
それなのに、少数ですが草むらで寝てる人やジョギングをしてる人が普通にいて、ちょっとびっくり。ニュースを見てないんでしょうか…。あと、ニュースでは外で作業してる人たちの多くは中断したと言ってましたが、シティは外仕事してる人が結構いました。
しかし、この日の空気は2000を超える地域が続出し、北京の223を軽く上回る2270を記録した場所もあったそうなので、かなり危険なレベルです。
この日のニュース
https://www.smh.com.au/
https://www.smh.com.au/
大気汚染度数をウェブサイトで確認
大気汚染度数が200を超えると危険レベルです。呼吸器疾患のある人はもちろん、子供も成人も健康被害を受ける可能性が高くなるので、野外での活動は極力控える事が勧められています。
大気汚染度指数(AQI) | |
---|---|
0〜50 良い | 良好な大気質 |
50〜100 中程度 | 許容範囲だが注意は必要 |
100〜150 敏感な人は注意 | 小児、喘息などの呼吸器疾患がある人などは、屋外での長時間の運動を制限する。 |
150〜200 不健康 | 健康に影響を受ける可能性があるので、なるべく屋外での長時間の運動を避ける。 |
200〜300 とても悪い | 誰でも健康に関する影響を受ける可能性が高い。 |
300〜500 危険 | 深刻な健康影響を受ける可能性がある。 |
大気汚染の状態は、ウェブサイトで確認する事が出来ますので、気になる人はチェックしてみてください。
世界の大気汚染 リアルタイム空気質指数
https://waqi.info/ja/
こうやって見ると、他の国も結構ヤバイですね…。
大気汚染から身を守るには
オーストラリアでマスクをすると重病人なのかと驚かれるので滅多なことではマスクをしないオーストラリア人も、この日はマスクしている人を数人見掛けました。こういう光景は初めてです。
そんなに人数はいませんでしたが、中にはガスマスク⁉︎ と思うようなゴツいマスクをしている人も。
こんな感じのマスクですね。↑
これ、 P2マスクというもので、このタイプのマスクでないと細かい粒子が防げないんです。
煙のせいなのか、私もここのところ外に出るとよくくしゃみが出ていたのもあって、実は前日ダイソーで買ったマスクを付けてました。
→ オーストラリアでも大活躍のダイソーに行こう!
7枚で$8のものしかなくて「高!」と思ったのですが、よく見ると PM2.5でも安心って書いてますね?でも、P2マスクとは書いていないですし、かぜ・花粉用とも書いているので、P2マスクほど効果は期待で出来ないかも…。
まあ結局、私はもともとマスクを付けるのが苦手なので、途中で外してしまいました。
PM2.5?P2マスク?
PM2.5というのは Particulate Matter の略で、粒子状物質という意味です。数値が高くなればなるほど大気汚染濃度が濃い事になるのですが、普通のマスクでは PM2.5 が通ってしまって防げないので、95%以上の PM2.5 を防いでくれるP2マスク (もしくは N95) を使用する必要があります。
火災などによって発生した細かい粒子は呼吸器系や循環器系に良くない影響を及ぼすので、喘息や気管支炎などがある人は持っていた方が良いかもしれません。
ただ普通のマスクよりも重々しい感じで、顔にしっかりフィットしないと意味がありません。
(参考: https://www.health.nsw.gov.au/)
P2マスクでも色んなタイプがあるようで、個人的には日本で売ってる折りたたんでコンパクトに持ち運べるマスクが好きです。
マスクが買える場所
P2マスクは、オーストラリアならBunnings や Officeworks などで売られています。でも、こんな状態が発生している現在は売り切れの恐れがあるので買うなら行く前に確認した方が良いかもしれません。(オンラインショッピング可)
私たちも南オーストラリア州やビクトリア州で買おうとしましたが売り切れていて買えませんでした。
もしもこの時期にオーストラリアに来る予定があって心配な人は、日本で用意した方が良いかもしれませんね。
おわりに
真っ白なシドニーを歩いてみた次の日、予定通りビクトリア州や南オーストラリア州に出掛けました。
シドニーでは大気汚染に抗議するデモが行われたというのをメルボルンに向かう途中の車の中で知り、更にそんなオーストラリアが大変な時にモリソン首相がハワイへ休暇行っていて大批判を受けるニュースも旅行中に読んだのでした。
行きたかった場所が次々に閉鎖され、多くの道路が通行止めで、シティにいるだけでは把握しにくいブッシュファイヤーの影響を思い知らされた旅。
普段ほとんど意識しませんでしたが、オーストラリアはこういう災害とも隣り合わせだという事も忘れてはいけませんね。