Down Under 日本語歌詞

Down Under 日本語歌詞

オーストラリアに来たばかりの頃、語学学校の授業の中で “Down Under” という曲を教わりました。
この曲は80年代に活躍したオーストラリアの5人組のロックバンド “メンアットワーク(Men At Work)” のヒット曲です。

私は選択授業で “Australian Study” という科目を選んでいたのですが、この曲はその授業の中で紹介されました。オージーのスラングがふんだんに使われているこの歌は、ちょうど良い教材だったのでしょう。

Men At Work

Men at Workは1979年にメルボルンで結成されたバンドで、“Down Under” は最もヒットした彼らの代表作。

82年には海外進出を果たし、全米でも数々のヒット曲を出しましたが85年に活動を停止。だから活動期間自体はそんなに長くないんです。

にもかかわらず、オーストラリアを象徴する曲と言えば今でもこの曲は必ずあげられますし、オーストラリアのどこかしらでこの曲がかかっているのを耳する事からも、彼らの人気のほどがうかがえます。

曲の思い出

私がこの曲を授業で初めて聞いた時、なんとも懐かしいようなノスタルジックな気分になりました。

小さい頃に父親の運転するラジオで流れていたのを聴いたのかもしれませんが、いかにも80年代っぽい音が懐かしかったのかもしれません。

実はその時にクラスで配られたプリント、今でもまだ私の手元にあります。11年の間の今までずっと大切に保管してたんです。


色んなプリント類をたくさん捨てて来ましたが、何故かこのプリントと原住民アボリジニの神話 “Dreamtime” のプリントの2枚だけどうしても捨てられなかったんですよね。

きっと、あの頃からすでにオーストラリアの事をいつかどこかに記録しておきたい、という想いがあったんでしょうね。ずっと忘れないように持ってたんです、多分。
だから、このブログを書いたらやっとこのプリントを捨てる事が出来ます(^^)

 

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とりあえずあの時、授業が終わってすぐにケアンズのCD屋さんに行ってアルバムを買いました。

日本から持って来たWindows MEの重た〜いパソコンでよく聴いたこの曲。
ケアンズの明るい日差しとは対照的な薄暗くて小さな自分の部屋と一緒に、私のワーホリ時代の思い出の一部となりました。

だから私にとってこのバンドは、幼かった80年代の匂いとケアンズの思い出の両方を思い起こさせるんです。
誰かが歌はタイムマシーンだと言ってましたが、本当にそうですよね。

そんな思い入れのある “Down Under” という言葉は、私のブログタイトルにもなっています。
“Down Under” は “G’day mate!” の次に覚えたオージースラングだったかもしれません。

では、そのDown Underの歌詞を紹介します!
※著作権の関係で動画を載せられないのでYouTubeなどで聴いてくださいね。

歌詞と和訳

Down Under (Men At Work)

Traveling in a fried-out combie
On a hippie trail, head full of zombie
I met a strange lady, she made me nervous
She took me in and gave me breakfast
And she said
Do you come from a land down under?
Where women glow and men plunder?
Can’t you hear, can’t you hear the thunder?
You better run, you better take cover

ヒッピートレイルでオーバーヒートしたバンの旅行
頭の中はマリファナでいっぱい
変な女と会ってイラつかされたけど
彼女はオレを家に入れて朝食をくれた
そして彼女は言った
オーストラリアから来たの?
女が魅力的で男は略奪する国ね?
聞こえない?聞こえないの、あの雷が?
走って逃げた方がいいよ

Buying bread from a man in Brussels
He was six-foot-four and full of muscles
I said, “do you speak-a my language?”
He just smiled and gave me a vegemite sandwich
And he said
I come from a land down under
Where beer does flow and men chunder
Can’t you hear, can’t you hear the thunder?
You better run, you better take cover, yeah

ブリュッセルで男からパンを買う
彼は6フィート4インチあって、すごい筋肉だった
オレは「オレたちの言葉をしゃべるのか?」と聞いたら
彼はただ笑ってベジマイトサンドウィッチをくれた
そして彼は言った
オレもオーストラリアから来たんだ
溢れるビールとゲロだらけの国から
聞こえないか?聞こえないのか、あの雷が?
走って逃げ方がいいぞ、うん

Lyin’ in a den in Bombay
With a slack jaw, and not much to say
I said to the man, “are you trying to tempt me
Because I come from the land of plenty?”
And he said
Do you come from a land down under? (oh yeah yeah)
Where women glow and men plunder?
Can’t you hear, can’t you hear the thunder?
You better run, you better take cover

ボンベイのむさ苦しい部屋で横になってたけど
開いた口が塞がらなかったよ、ほとんど話にならない
オレは男に言ってやった
「オレが豊かな国から来たからって、誘惑する気か?」
そして彼は言った
オーストラリアから来たのか(あーそうそう)
女が魅力的で男は略奪する国か?
聞こえないか、聞こえないか、あの雷が?
走って逃げた方がいいぞ

Living in a land down under
Where women glow and men plunder
Can’t you hear, can’t you hear the thunder?
You better run, you better take cover

オーストラリアに住んでいる
女が魅力的で男は略奪する国だ
聞こえない?聞こえないのか、あの雷が
走って逃げた方がいいよ

ダウンアンダーとは

オーストラリアはもともとイギリスの植民地でした。
イギリスから独立してオーストラリア連邦国となったのが1901年という、まだ歴史の浅い国です。

オーストラリア大陸がイギリス人に発見されてから、オーストラリアはイギリス罪人の流刑地として目を付けられた場所だった事は有名ですが、そんなイギリス側からしてみるとオーストラリアは田舎の僻地。

ヨーロッパ中心に描かれているヨーロッパの世界地図から見ると、オーストラリアはずっと下の方。
つまり、ダウンアンダーと は田舎者という意味でイギリス人が使っていた言葉なんです。

けれどDown Underの歌の中では「オレはダウンアンダー から来たんだぜ!」と、ヨーロッパの旅行中に出会う人たちに軽快なノリで自慢気に話しているようにも聞こえます。

逆さ地図

ちょっと余談になりますが、オーストラリアの文化と言えば、今でもイギリスの影響を色濃く感じますし、世界地図もヨーロッパが中心とされたヨーロッパ基準の物が使われています。

が、おみやげ屋さんに行くと時々 “逆さ地図” なるものが売られています。

この逆さ地図は本来の地図とは逆さまで、北半球が下で南半球が上になっています。
そうするとオーストラリアが地図の中心に来るんですよね。
“誰が北を上と決めたんだ!” というジョークです(笑)

単語の意味

分かりにくいかもしれない単語やオーストラリア特有の言葉などの意味を、こちらにあげておきます。

Fried-out = スラングでオーバーヒートの事。

Combie = フォルクスワーゲンのバンの事。

Hippie Trail = Hippie(ヒッピー)は主に60年代にいた、自由と平和を掲げた独特な格好をしていた人たちの事。長い髪でよくマリファナを好んで吸っていました。
ヒッピートレイルとは、当時のヒッピーたちが旅をしてまわったルートです。

Zombie = ゾンビ、オーストラリアスラングでマリファナという意味。

Glow = 本来この単語は柔らい光の事を指します。
Women glowは輝くように魅力的という事みたいです。

Plunder = 略奪、盗む、荒らす。

To take cover = シェルターを見つける、安全確保。

Vegemite = 多くのオージーが大好きなベジマイト。パンなどに塗る、塩辛いペースト状のもの。

Beer does flow = Flowは液体が流れるという動詞。この場合はビールが流れると言うよりも浴びるように飲むとか滝のように飲むとかそう言うニュアンスっぽいので、溢れるビールと訳しました。

Chunder = オーストラリアのスラングで嘔吐、つまりゲロです。浴びるようにビールを飲んで吐く、オーストラリアらしいです。(私の彼はほとんど飲みませんが。)

Den = 野獣や盗賊などのねぐら、巣窟。むさくるしい部屋などの事。

Slack Jaw = 口をポカーンと開ける事。

Tempt = 人を誘惑する、その気にさせる。

Plenty = 必要以上にたくさん、豊富。

この歌の本当の意味は?

はっきり言うと、私も長い間この歌詞の意味が理解できませんでした。

何で雷が鳴って逃げなきゃいけないの???とか思ってたんですよ。
それに略奪とかドラックとかゲロとか、あまり爽やかではないワードも多々出てきます。
つまり何が言いたいの?って。

韻がきれいに踏まれている

という事で、私のオージーパートナー(60s生まれ)に聞いてみました。

彼によると「Thunder(雷)はまさにオーストラリアの自然を表しているんだよ。そしてUnder、Thunder、Plunder、Chunderと韻を踏んでるからこういう歌詞なんだよ。てかそんな歌詞の意味なんて今まで考えた事なかったよ。」だそうです。

確かに上手いこと韻を踏んだ曲です。
でも歌詞だけ聴いていると、何となく悲しい曲のようにも聞こえるんですよね。

やっぱり何かスッキリしない。

コリン・ヘイの言葉

色々調べていたら、ボーカリストでこの曲の作詞者でもあるコリン・ヘイ(Colin Hay)が、この曲について語っている文章が見つかりました。

The chorus is really about the selling of Australia in many ways, the overdevelopment of the country. It was a song about the loss of spirit in that country. It’s really about the plundering of the country by greedy people. It is ultimately about celebrating the country, but not in a nationalistic way and not in a flag-waving sense. It’s really more than that.

この曲は、国の過度な発展により色んな形でオーストラリアを売っているんだ。失われたオーストラリア精神についての歌さ。本当に貪欲な人々によって略奪された国だから。
オーストラリアを祝福してはいるけど、それは国旗を振って応援するような愛国精神ではなくて、本当にもっとそれ以上の事なんだよ。Wikipedia(英語)

なるほど…。

つまりこの曲は国をあげての愛国心というよりも、もっと個人的な国を愛する気持ちというか、オージー魂を忘れないで欲しいというメッセージが込められているという事でしょうか。

この歌のプロモーションビデオは、シドニーのクロヌラ砂丘(Cronulla sand dunes)で撮影されたらしいのですが、最後に砂丘の向こう側に棺を運んでいるシーンがあります。

彼によるとこれは、オーストラリアが過度な開発とアメリカ化の結果としてオーストラリアのアイディンティが死んでいく事への警告を表しているそうです。

Can’t you hear, can’t you hear the thunder?
You better run, you better take cover

80年代という時代性もあるんでしょうね。

まとめ

今まで私は、てっきりオーストラリアはアボリジニから土地や文化を奪って出来た国なので “略奪” なのかと思ってました(^_^;)が、もっと身近なメッセージが込められていた歌だったんですね。

オーストラリア人が持っている反骨精神、平等精神、助け合いの精神などを忘れるなという事でしょうか。

この歌が出来てから約30年。
あの時代に若者だったオージーは、今のオーストラリアに何を思うんでしょうね。

でも私のオージーパートナーのように歌詞の意味を考えた事がない人はたくさんいるでしょうし、アメリカなどでもヒットした事からもうかがえるように、この曲の人気の理由は多分この歌の軽快さとか言葉の面白さなんでしょうね。