シドニーから北へ約320km、ニューキャッスルを超えてポートマッコーリへ行く途中に巨大な牡蠣の建物が現れます。…が、パシフィックハイウェイから少し外れた場所ですし普通に自動車販売所として使われているので、もしかしたら気付かずに通り過ぎてしまうかもしれませんね。
でも、一応この建物はバリナの巨大エビやゴールバンの巨大メリノ羊と同じシリーズで、知る人ぞ知る有名なスポットなんです。
はい、それではとても地味で分かりにくいこの隠れた名所をご覧いただきましょう!
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The Big Oyster
ビックオイスターのある人口約2万人のタリー (Taree) という町は農業地区の重要中心地で、マニング川 (Manning River) からは毎年300万個以上の牡蠣が採れ、出荷されています。
もともとは1831年にウィリアム・ウィンター (William Wynter) がこの地に住み始めたのが最初で、その義理の息子であるヘンリー・フレット (Henry Flett) によって1854年にプライベートタウンとして設計されました。“Taree” という名前は原住民の言葉でイチジクの木という意味の “Tareebit” から来たと信じられています。
そして、こちらがビッグオイスターの建物。
(Photo Taken: 08 October 2017)
The Big Oyster
98 Manning River Dr, Taree NSW 2430
https://www.atlasobscura.com
ここは1990年に当時のニューサウスウェルズ州の首相ニック・グレイナー (Nick Greiner) によって、1階に地元の牡蠣産業についての展示物とお土産やさん、それに新鮮な魚介類の販売所を、2階は海岸が一望出来るレストランを作る目的で建設されました。
建設依頼を受けたのは巨大エビ (Big Prawn) やビックメリノ羊 (The Big Merino) を手掛けたハンガリー出身の Mokany 兄弟、Louis と Attila です。
バリナの巨大エビ
ゴールバンの巨大メリノ羊
同じく巨大エビをデザインした彫刻家 James Martin とアデレードを拠点とする Glenn Industries という会社によって、牡蠣の部分だけで30トンの鋼鉄、70トンのガラスが使用された、高さ20メートル、幅27メートル、長さ20メートルの建物は3カ月かけて組み立てられました。
こうしてサービスステーションに併設された屋根に牡蠣が乗っている特徴的な建物は、Viennaworld Restaurant というレストランも入りオープンを迎えたのです。
しかし…。
短かった営業期間
オープンしてから営業していたのはたったの5年間でした。1995年に閉店した後は買収され、2000年から自動車販売所となっています。
せっかく建設したのに、やはり場所が悪かったのでしょうかねー?きっと窓から見える景色は良いんだろうなあと想像しますが、自動車販売所のショールームでは気軽には入りにくいですね…。建物が存続しているのは良かったのですが。
バリナのエビもサービスステーションが解体され、バーニングスウエアハウスが買い取って辛うじて存続している感じなので、当時のまま現役なのはビッグメリノ羊だけですね。頑張って欲しいです。
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おわりに
私はこういう観光スポットでもない町の知る人ぞ知る歴史的残骸のようなものが好きなので、あまり需要がなくても発信し続けます(笑)
NSW州のビッグシングスリスト