シドニーは新しい飲食店が出来たかと思うとすぐになくなってしまうことも多く、本当に入れ替わりが激しいのですが、長く続くレストランもちらほらあります。
その中のひとつ、ダーリングハーストにある『ビル & トニ (Bill & Toni)』は、1965年創業の家庭的な雰囲気が漂うイタリアンレストランで、長い間老若男女、スポーツ界のスターや有名人など多くの人が利用して来ました。
長い営業期間の間に何度かオーナーが変わっていますが、現在も良心的価格設定と雰囲気は変わらず、多くの人で賑わっています。
昔ながらのお店『Bill & Toni』
1950年代から1960年代にかけて、このダーリングハーストにある Stanley Street は、シドニー最初のリトルイタリーと呼ばれるイタリアンコニュニティ中心地だったそう。
現在でもその面影は残っているのですが、『Bill & Toni』は、このエリアでよく見掛けるようなテラスハウスの建物にあります。
72-74 Stanley St, Darlinghurst, NSW 2010
https://www.billandtonis.com.au/
Café: 6.30am-9pm
Restaurant: ランチ 11am-3pm / ディナー 5pm-9pm
このお店、1965年にグリエルモ (ビル)・キアッピーニ (Guglielmo Chiappini) がお店をオープンした時は、『San Siro Coffee Lounge』というカフェでしたが、70年代初頭に彼の友人であるトニ・デ・サンティス (Toni de Santis) とアドルフォ・ファシアニ (Adolfo Fasciani) が2階で本格的イタリアンレストランを始めたことで、『Bill & Toni』という名前が定着しました。
私はまだシドニーに慣れてなかった2010年頃にパートナーにこのお店を教えてもらったのですが、値段が手頃なのとオレンジコーディアルが無料で飲めるというのに驚きました。ただ、パスタ系は私の好きなクリームベースはなくて、基本的にトマトベースなんですけどね。
食事をしよう!
ということで通された2階の客席。印象的な赤いテーブルクロスは久々 (もしかしたら10年ぶり?) に来ても変わらず、なんとなく懐かしくてホッとします。
私たちが行ったのは水曜日の午後9時頃で、お客さんは3〜4組くらいでした。(2019年は深夜0時までオープンしていたみたいです)
「水とコーディアルとどっちが良い?」と聞かれるので、コーディアルと答えるとオレンジコーディアル (お代わりも無料) が出てきます。パンも無料でした。※ 2019年の話なので現在は分かりません。
サンドイッチ、ステーキ、パスタ、サラダ、色んなメニューがありますが、相変わらずトマトベースのパスタしかなかったので、ナポリタンを注文。スパゲティかペンネを選べて、注文の時にパルメザンチーズをかけるかどうか聞かれました。
注文が終わって料理を待っている間、パートナーがスマホでここのレビューを確認していたようで、
…と。そうらしいです、2013年に長年このお店のお客さんでもあった Robert Domabyl という人にオーナーが変わったらしいです。
そうこうしていると、料理は10分も待たずに出て来ました。
こちらがパートナーが注文したラザニア。感想は、
「めちゃくちゃおいしい!」とパートナー大絶賛。
そして私のナポリタンはこちら。つい日本風のナポリタンを想像してたので、ボロネーゼのようなパスタが出てきて「あら」という感じでしたが、もちろんおいしかったですよ。
ガーリックブレッド ($5) も注文しました。
パスタは$14くらいで、ワイン飲んでこれだけ食べても$50行かなかったので、シドニーししては安い方ではないでしょうか。
3年ぶりに来店
この記事を最初に書いたのは2019年。あれから3年後の2022年12月の初めに、久しぶりにこのお店に来ました。
最後に来た頃はまさか、2020年3月に新型コロナウイルスによるパンデミックでシドニーも何ヶ月ものロックダウンがあるとは思ってもみませんでしたし、世界はそれ以前と少し変わったかもしれません。
突然パートナーがここでディナーをするというので来たのですが、私は久しぶり過ぎてオレンジコーディアルが出てくることさえ忘れてました。
相変わらずの赤いテーブルクロスは懐かしかったですが、物価の高騰や最低賃金の引き上げなどもあったので、お値段も少し上がったのかもしれません。(でもナポリタンは$14と安かったので、そうでもないんですかね)
相変わらずパスタはトマトベース。ただ、ナポリタンはペンネ、ボロネーズはスパゲティとパスタのタイプは固定されたみたいですね。
いつもパスタばかりでは面白くないので、今回は Chicken Parmigiana (topped with napoletana sauce, egg plant and melted cheese) $24 にしてみました。いわゆるシュニッツェルにトマトソースやチーズが乗ったオーストラリアの定番メニュー、チキンパルミジャーノというやつです。
パートナーが頼んだ Veal Schnitzel with Cheese (topped with bolognese sauce and melted cheese) $24 は、子牛の肉を衣で揚げたもの。
写真では分かりにくいですが、めちゃくちゃ大きかったので、彼は食べきれずにテイクアウェイしてました。
(… 関係ないですが、私のスマホのクオリティもめちゃくちゃ上がってますね)
1階のカフェスペース
1階のカフェスペースにはスイーツやジェラートもあります。
美味しそうですね。
こちらは2022年に撮ったもの。多少の小物などは変わったものの、雰囲気はいつまでもこのままですね。今度は明るい時に来てコーヒーでも飲みたいです。
おわりに
流行の新しいおしゃれレストランも良いですが、こういった昔ながらのレストランもシドニーの歴史を感じて楽しいものです。
時間があればこのエリアを散策してみたら、かつてのリトルイタリーの雰囲気が味わえるかもしれませんね。
(参考にしたウェブサイト: Sydney’s Bill and Toni’s expands into Melbourne and the Gold Coast – Good Food / The premises of iconic Darlinghurst Italian restaurant Bill and Toni’s is on the market – Daily Telegraph / Bill & Toni’s – Broadsheet)