シドニー西部ラケンバ (Lakemba) は、イスラム系の人が多く住む中東の街ということで知られています。
2021年の国勢調査によると、レバノン系の人が60%以上を占めるとのことで、「ここは本当にオーストラリア?」と思ってしまう異国情緒が溢れる場所です。
特に1ヶ月にわたって開催される『ラマダン・マーケット』は、毎年多くの人々が訪れる人気のマーケットなので、これを目当てに初めてラケンバに来る人も多いのではないでしょうか。
そんなラケンバについて、まとめてみました!
ラケンバについて
ラケンバは、シドニー中心部から南西に約12km、City of Canterbury-Bankstown 管轄の地域です。
東側には韓国人街であるケンプシーがありますが、反対側の西側にはパンチボウルなど治安が心配な地域もあり、ラケンバは気軽に行ける場所なのか気になる人もいますよね?
政府のサイトを見ると安全な場所となっています。
栄えている場所は駅を降りてすぐですし、最近は観光に来る人も増えているようなので、治安はそんなに心配はないかと思います。ただ、夜に女性がひとりで歩かないなど、注意はしておいた方が良いでしょうね。(それはどこのサバーブでも同じですが)
行き方はこちらに書いていますが、セントラル駅から5駅目、30分程度です。
ラケンバの名前の由来
植民地初期の時代、この地域でジャガイモが栽培されていたため、かつては「ポテトヒル」と呼ばれていました。
1810年に植民地政府からこの土地50エーカーをもらった Samuel Hockley は、イギリスの故郷にちなんで Essex Hill Farm と命名しており、ラケンバ自体は1910年まで「ベルモア・サウス」と呼ばれています。
「ラケンバ」は、1880年代に22ヘクタールの土地を所有していた Benjamin Taylor が、その土地に彼の2番目の妻の祖父母が牧師を務めるフィジーのラウ諸島のひとつラケバ島にちなんで「Lakeba」と命名したことから派生した名前です。
ちなみに、ラケンバの「Oneata Street」の名前も、フィジーの小さな島の名前が由来となってます。
見どころ
ラケンバ駅にも近い、ラケンバの中心地である Haldon Street には、多くの中東系の食料品店や飲食店が並んでいます。
中東系の料理に詳しい私の友人によると『Yummy Yummy Knafeh』というお店は、彼女のムスリムの友人全員が絶賛するクナーファ (中東のチーズケーキ) 屋さんだそうですよ。
モスクもあり、そこは1週間前に予約すればツアーで見学も可能とのこと。
そして、ラケンバといえばなんと言っても、ラマダン月の夜に開催されるラマダン・マーケットが人気です!
ラマダン・マーケット
もともとは2012年に路上でバーベキューをしたことから始まったというラマダン・マーケット (正確にはラマダン・ナイトと言うらしい) は、1ヶ月にわたって開催される人気の中東フードマーケットで、2023年は140万人以上の人が訪れたそう。
2024年は、3月9日 (土) 〜 4月8日 (月)、木曜日から日曜日の午後6時から午前3時にかけてです。
※ 期間中は午後5時から午前4時まで道路が閉鎖、4月6日土曜日はお祈りが行われてるため、屋台が午後7時30分から午後9時30分まで営業停止するなどがありますので、行く場合はウェブサイトをよく確認してください。
Campsie や Roselands からは、無料のシャトルバスも出ています。
毎年シドニー郊外にある中東の町ラケンバ (Lakemba) で1ヶ月にわたって開催される『ラマダン・ナイトマーケット (Ramadan Night Markets)』は、中東を中心とした食べ物の屋台がズラッと並ぶフードマーケットです。[…]
イスラム教を信仰する人 (ムスリム) にとってラマダンは一年で最も神聖な月であり、期間中は夜明けから日没まで断食し、日が沈むとイフタール (Iftar) と言って夜遅くまで集い、食事をします。
イスラム教徒でなくても参加出来ますが、宗教に対して敬意を払って参加することと、なるべく控えめな服装をするのが良いでしょう。
もちろんイスラム教なのでアルコールはありませんが、65以上の屋台が並ぶマーケットでは、インドネシア、ビルマ、パキスタン、レバノン、ココス諸島、シリアなど、国際色豊かな伝統料理を堪能出来ます。
その中でもいちばん有名でインパクトがあるのがラクダ肉のバーガー (Camel burgers) のようですが、2024年の Time Out の記事によると、以下の食べ物もお勧めだそう。
- ココス諸島のロティと優しいレンズ豆のカレー (Roti and gentle lentil curries from the Cocos Islands)
- マレーシアの有名な料理、小麦粉で作られた薄い皮で肉や野菜などを包んで揚げたムルタバック (Murtabak)
- パキスタンのカレーの王様、じっくりと煮込んだ牛肉と4種類の豆が入ったハリーム (Haleem)
それに、デザートや飲み物もいろいろあります。
おわりに
色んな国の文化が隣り合わせの多国籍なオーストラリアなので、こういう町に行ったりイベントに参加したりして他文化に敬意を払いつつ、楽しめると良いですよね!