シドニーの過去を彷彿させる日本人によるアート『Memory is Creation without End』

ずっと気になっていたオブジェがありました。

一応サーキュラキーの近くなのですが、あまり目立たない場所にそれはあって、誰がなぜここに作ったんだろう?と思っていたんです。

それで調べてみたらなんと、2000年に設置された日本人アーティストの作品でした!

そして、じっくり知るととても感慨深くて面白い作品。

このアートがある周辺は見どころも多いので、散歩コースとしてもおすすめのエリアです!

かつてはシドニーの建築物だった石の破片

Memory is Creation without End

普段は地元の人がここに座って休憩していたり、子供が乗って遊んでいたり、観光客と思われる人たちが記念撮影をしていたりするこの謎のオブジェ。

実はこれ、Memory is Creation without End (記憶とは終わりなき創造である)という土屋公雄氏のアート作品なんです。

2000年のシドニーオリンピックと2001年のオーストラリア連邦独立100周年を記念して作られた作品のひとつで、国内外のアーティスト十数人が参加しています。

 

Memory is Creation without End
Royal Botanic Gardens, 4 Macquarie Street, SYDNEY 2000

Memory is Creation without End

素材は古いシドニーの建築物によく使われているサンドストーン。これらは取り壊された実際の建物の破片で、その中には最初のピアモントブリッジのカケラもあるそう。

なるほど、そう言われると急にこの建物としての役目を終えて黒ずんだ破片たちが、貴重な存在のように思えてきました。

Memory is Creation without End

よく見ると文字や数字が書かれているものもあれば、模様だけのものもあり「これは何の建物だったんだろう?」と想像力が掻き立てられます。

Memory is Creation without End

まるで忘れ去られた遺跡のようにも見えるこのアートをじっと見ていると、20年以上前のアートが作成された当時のことやオーストラリアがまだ独立して間もない時のことなど、つい過ぎてしまった日々について考えを巡らせたくなってしまいます。

シドニーに長く暮らしている人たちから、2000年のシドニーオリンピックがあってから町は変わっていったと聞きますしね。

Memory is Creation without End

ちなみにまた後で説明しますが、ここから上の道路へ出て右側へ行けばハーバーブリッジへ、エラベーターでサーキュラキーやロックスにも降りられますし、ボタニックガーデンも近いです。なので、色んな散歩コースが考えられますね。

土屋公雄氏について

このアート作品を制作した土屋公雄氏は、1955年福井県生まれの彫刻家、環境造形アーティストです。

1989年にはロンドン芸術大学チェルシーカレッジ(Chelsea college of art and design)で彫刻の修士号を取得、愛知県立芸術大学名誉教授、武蔵野美術大学客員教授、日本大学芸術学部客員教授でもあります。

解体された建築物の廃材や流木などの自然物などを利用した作風は国際的にも高い評価を得ており、日本では東京空襲犠牲者追悼の平和モニュメント (2001年)や、東京駅正面の丸ビル正面エントランスに設置されたモニュメント (2002年)でも有名です。

土屋公雄氏のホームページで作品が確認出来るので、興味がある人は見てみてください。

 

また、土屋公雄氏著書の『月を追いかけて―記憶と永遠をめぐる旅』という本も2015年に出版されてます。

ティルナノーグ出版のウェイブサイトから少しだけサンプルで読めるのでチラ見しましたが、とても素敵でしたよ。

では、そのアート作品までの行き方を説明します。

行き方

Memory is Creation without End

この場所に行くには、主に3つのルートがあります。以下にまとめました。

※ 分かりにくかったらグーグルマップでも出てくるので、そちらも併せて活用すると良いと思います。

マッコーリストリートをまっすぐ

Memory is Creation without End

シティのハイドパークあたりから始まる歴史ストリートとしても知られているマッコーリストリート (Macquarie Street) 。そこをまっすぐ歩いていて、丘の上を右に曲がるとたどり着きます。

これがいちばんシンプルな行き方かもしれません。

サーキュラキーの階段、もしくはエレベーターから

Circular Quay

サーキュラキーにエレベーターや階段があるので、そこから上に行きます。

エレベーターなら上がって左、オペラハウス向かい側にある階段を上がったならターペイアンウェイ (Tarpeian Way) を真っ直ぐ歩いて、ガバメントハウスを過ぎたところです。

ロックス側のシドニーハーバーブリッジ入り口から

Sydney Harbour Bridge

これはちょっと遠回りではありますが、ロックス側からも行けます。ハーバーブリッジを歩くための階段かエレベータで上に行ってください。

Sydney Harbour Bridge

Cahill Walk をひたすらまっすぐ歩いていると、だんだん見えてきます。ただ、ちょっと距離はあるかもです。

たくさん歩くのが大丈夫なら、バーバーブリッジの上を歩いた後についでに行くのも良いかもしれませんね。

 

ということで、好きな道を選んで行ってみてください。

シドニー・スカルプチャーウォークを歩こう!

Memory is Creation without End

この『Memory is Creation without End』という作品は、シドニー・スカルプチャーウォーク (Sydney sculpture Walk)のひとつなので、他のアーティストの作品もこの周辺にパラパラとあります。

『Sydney Culture Walks』という無料アプリをダウンロードするとスカルプチャーウォークの地図や説明が出てくるので見てみてください。

アプリには他にもシドニー市内周辺のウォーキングコースがたくさん紹介されているので、便利ですよ。(スマホの設定が日本になっている人はオーストラリアに変更しないとアプリ取得できないと思います)

詳しくは下のリンクから。

おわりに

シドニーには隠れた見どころも多く、何年も住んでいても意外と知らなかったスポットもあるので、散策のしがいがあります。

これからも少しずつ歩き込んで、ここでも紹介していけたらと思ってます。

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Acknowledgement to Country

This website would like to acknowledge Gadigal peoples of the Eora nations, Aboriginal and Torres Strait Islander people, the traditional custodians of this land and pay our respects to Elders both past and present.このウェブサイトは伝統的な土地の所有者であるエオラ、ガディガルの人々を含むアボリジナルおよびトレス海峡諸島の人々、そして過去と現在の長老に敬意を表します。