これからが夏本番だというのに、今年のブッシュファイヤー (山火事) はちょっと酷いですね。
ちょうど昨日ヨーク半島の記事を書いたのですが、実はまさにそのヨーク半島で先日の水曜日から木曜日にかけてブッシュファイヤーが発生し、多くの家や土地が焼けています。
それどころか現在もオーストラリア全土でブッシュファイヤーによる深刻な被害が出ていて、クイーンズランド州とニューサウスウェルズ州で大規模な森林火災も起こっているし、ビクトリア州はブッシュファイヤーに加えて40.9度という記録的な暑さの中、電気が来ない地域もあって大変だったようです。
私たち、数週間後にまたビクトリア州や南オーストラリア州に行く予定なのですが、大丈夫なんだろうか?と不安になって来ました。アデレード郊外にいる義父母たちも心配ですが…。
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大規模な森林火災
ブッシュファイヤーの煙でシドニー市内の太陽が赤く見える事は今までもたまにありましたが、今年は本当に酷いです。ちょっとバルコニーに出ただけで焼けるような匂いもしていたし、あまりにも濃い煙による大気汚染で健康被害の警告が出たりもしました。
現在シドニーはやっと少しばかり雨が降っていますが、昨夜はカミナリが凄かったですし…。
https://myfirewatch.landgate.wa.gov.au/
少し前にニューサウスウェルズ州では600以上の学校が閉鎖され、他州やニュージーランドからの応援を含めた3千人の消防士が消火活動に当たっているという話を聞きましたが、ブッシュファイヤーは地図を見ると分かるようにオーストラリア全域で燃えていて、各地で被害が出ています。
火災で家を失くした人や動物が炎に囲まれる映像は、観ていて辛いものがありますよね。
最近、今年と比較するように2009年2月7日にビクトリア州で起きたオーストラリア史上最悪の森林火災 “Black Saturday” についてもよく目にします。173人の命が奪われ400人もの負傷者が出た火災です。
1983年2月16日に75人が亡くなった Ash Wednesday も、この間たまたまグレートオーシャンロードの歴史を調べていると何度か出て来て、私自身はまだ直接的な被害には遭っていないものの、いかにこの国では火災の恐怖を身近に感じる機会が多いかを実感しています。
ブッシュファイヤー情報サイトのまとめ
ブッシュファイヤーは自然現象
春〜夏頃、毎年のように起こるオーストラリアのブッシュファイヤーは、放火やタバコの吸殻からなど人為的な原因の場合もあるのでそれは問題ですが、落雷や乾燥、熱などによる自然発火も多々あります。
特にオーストラリア全土に分布しているユーカリの葉は発火性のあるテルペンを放出していて、このテルペンが乾燥した空気と高熱によって発火するのです。しかもユーカリの樹皮は燃えやすく、強風が吹いたら炎はあっという間に広がってしまいます。
ただ、ブッシュファイヤーが悪かと言うとそうとも言い切れず、この火災の熱によってユーカリやバンクシア、ワトルなどの種子が発芽するのです。
そして、その植物を動物たちが食べて循環するという大昔から繰り返されている自然の摂理なので、ある程度のブッシュファイヤーはオーストラリアの宿命と言えるのかもしれません。
とはいえ、それで人間が命を落として良いわけはもちろんないので、この時期には十分な警戒と準備が必要です。
事前に出来る事
じゃあ、今の段階で何が出来るのか?
ブッシュファイヤーは火だけではなく、燃える事により発生する煙も健康を害する恐れがあります。遠く離れていても、汚染された空気が危ない場合も出て来るので、それを防ぐP2マスクを準備していた方が良いかもしれません。
→ ブッシュファイヤーで煙るシドニーと大気汚染 PM2.5 を防ぐP2マスクとは?
それと、ちょうどここに去年南オーストラリア州でもらって来た無料のブッシュファイヤーセイフティガイドがあるので、参考になりそうな部分を抜粋してみます。
突然警告なしに火災に見舞われる事も起こりうるので、それに備える必要があります。そして、危険だと思ったら早めに逃げる事が大切です。
- 火や煙を見逃さないように注意する
- 現在の危険レベルを知っておく
- プランを立てる事と、避難道具を準備しておく事
- ラジオ、テレビ、SNS、ウェブサイトなどの最新情報を常に把握
これはニューサウスウェルズ州のサイトですが、プランを立てる手順が丁寧に書かれています。
NSW Rural Fire Service
https://www.rfs.nsw.gov.au/
NSWのツイッター
https://mobile.twitter.com/nswrfs
それぞれの州にあると思うので、探してみてください。
https://youtu.be/QqwwCWeG7qM
一軒家の場合に出来る事
- 家の周りの木や草を刈っておく
- 家の外にドアマットや燃えやすい素材の物を置かない
- 家の周りの落ち葉などを掃除しておく
- 家に水がかけられるように十分の長さのホースを準備しておく
- 家のタンクやプールに水を貯めておく
夏前に準備出来ること
- 避難セットを用意して、すぐ持ち出せるようにしておく
- 重要書類は写真やPDFにしてUSBなどに保存する
- 懐中電灯やラジオの準備
- 火災情報などの重要な電話番号を携帯電話に登録
- コットンの長袖やレザーブーツなど、体を守る物を準備
- もしもの時に備えてウールの毛布を車に積んでおく
- 安全なルート、ガソリンスタンドなどの地図をハードコピーで持っておく
- いざという時、家に泊めてもらえる人の確保
- 近所の人や近くに住む友人と協力体制をとっておく
- ペットのキャリーケースやエサなども準備
避難道具に必要な物
- 運転免許証、身分証明書
- パスポート
- 写真
- 遺言書
- 宝石などの貴重品
- 保険の証書
- 薬の処方箋
- USBスティック、または重要書類の入ったファイル
- 救急箱 (マスク)
- 携帯電話と充電器
- ラジオ、懐中電灯、予備の電池
- 着替え、洗面用具
- 水と食べ物
- ウール100%の毛布
これはあくまでも冊子を日本語に直して写した物なので、各自で微調整してください。
余裕があればドネーションも
先日、炎の中からコアラを助けた女性がニュースになっていましたが、壊滅的な火災によって推定350匹のコアラが亡くなり、そしてそれ以上に負傷したり住む場所を失ったりしています。
Bushfire donations で検索すると、様々なサイトが出てきてサポートを必要としている人がいるので、考えてみてはいかがでしょうか。
https://youtu.be/NLUVvyYpERY
フォトラベラーの Yoriさん (@photraveller_y) が募金について日本語で詳しくまとめてくれていますので、こちらからもどうぞ。
<2020年1月5日投稿> こんにちは。 写真と旅をこよなく愛するフォトラベラーYoriです。 今回の記事は写真と旅の話…
おわりに
昨日ブログに書いた地域の人が家を失っているニュースとか色々観ていたら何となくいたたまれなくてこの記事を書きましたが、特に大した事は言えなくてすみません。
でもこの間、日本に大型台風が来た時にも思ったのですが、オーストラリアでも避難用の荷物って一応用意しておいた方が良いような気がします。
みなさん、お気を付けて。