ひと昔前のオーストラリアでは「アメリカの行事」だとして素通りされて来た10月31日のハロウィンですが、近年はかなり事情も変わってきました。
イベントが好きな私なので、毎年色々とハロウィンっぽいものを探しに行っているのですが、数年前までハロウィングッズもパーティも一生懸命探したらやっと見つかる程度だったのに、最近は探さなくても見つかるくらい溢れています。(地域にもよるでしょうが、少なくともシドニーでは)
ということで、この記事ではそんなオーストラリアのハロウィン事情について、詳しく紹介しますね!
ハロウィンの行事とは
まず初めにハロウィン (Halloween) という行事について、理解しておきましょう。
冒頭でハロウィンはアメリカの行事と書きましたが、実はこの行事がアメリカに根付いたのは19世紀以降で、起源はアイルランド人やスコットランド人などの祖先となる古代ケルト人の信仰です。
収穫を終えた秋の終わりを意味する10月31日、寒くて暗い冬になると死者が訪ねてくると信じていた人々は、収穫祭としてかがり火を炊いたり、仮面を被ったりして魔女や悪霊から身を守ろうとしていました。
その名残で、現在のハロウィンでもお化けや魔女などのモチーフなどがよく使われます。
子供たちが仮装をして家々を訪ねて歩くのもスコットランドやアイルランドで始まったイベントで、その時に野菜をくり抜いてランタンとして使ったのが、現在のジャック・オ・ランタンの原型でした。
ジャック・オ・ランタン (Jack-o-Lantern)
ただ「ハロウィン」という名前は、カトリック教会が11月1日に全ての聖人と殉教者を記念する “諸聖人の日 (All Saints’ Day / All Hallows Day)” の前夜祭 “All Hallows Eve” が短縮され “Halloween” となったと言われているので、ちょっとややこしいですよね。
ではオーストラリアのハロウィンは、どんな風に祝われているのでしょうか。
オーストラリアのハロウィンはこう祝う!
のハロウィンパーティ (2019年閉店)
町で仮装する人をよく見掛けるようになったなあと思っているうちに、だんだんハロウィンイベントを開催するパブやレストランなどが増えてきました。
イベントはだいたい10月31日から近い週末に開催されることが多いので、事前にチェックしてみてください。コスプレをしてレストランに行くと特別な特典がある、みたいなこともあります。
ただ、オーストラリアのハロウィンは日本のようなかわいい系ではなく、グロいコスプレが主流ですね。
お店のディスプレイがハロウィン仕様になっていることも増えているので、ブラブラとウィンドウショッピングをしても楽しいかもしれません。
テーマパークでイベントをやっていることもあるので、チェックしてみてください。
子供のためのハロウィンナイト
今は学校でもハロウィン行事があるようですが、子供たちがお化けや魔女などの格好をして「Trick or Treat! (お菓子をくれないとイタズラするぞ)」と言いながら家を回るハロウィンナイトのイベントもやってます。
公の告知などはなく、どちらかというと近所の知り合い同士などでこぢんまりやるような感じで、ハロウィンのディスプレイをしている家がお菓子を用意してくれている目印です。外にお菓子を置いてくれている場合もあります。
高層ビルが多いシドニー中心部などはアパートがほとんどで難しいですが、郊外の一軒家が多い住宅街ではよく見掛けます。
そして、老若男女が盛り上がるゾンビウォークというイベントも。
町中がゾンビだらけになるゾンビウォーク
2009年からオーストラリア各地で『ゾンビウォーク (Zonbi Walk)』という有料のチャリティーイベントが行われています。
このイベントの参加費は病気の人を支援している団体などに寄付されるので、参加者はコスプレを思いっきり楽しみながらちょと良いことをしている気分にもなれる仕組みです。無料でゾンビメイクアップをしてくれるブースもありますよ。
日本では渋谷のハロウィンが毎年問題になっているようですが、こんな風にしたらウィンウィンな気がするのですが、どうなんでしょう。
ちなみに、オーストラリア (というか欧米?) のハロウィンのコスプレは、基本的にグロさ命です!みなさん、いかにグロさをリアルに表現出来るかを競うように仮装してます。
このイベントでも、大人も子供も本気でゾンビになりきっていてすごいと思うのですが、赤ちゃんまで血だらけのコスプレしててトラウマになる人いないのかな?と心配になるレベルだったり。
この記事にも血が滴って内臓ドバーッみたいなコスプレの人の写真を載せていたのですが、グロ過ぎたのかグーグルさんから警告が来てしまったので外しました…。
でもゾンビウォークの記事は今のところ大丈夫のようなので、そちらを見てみてください。
ゾンビウォークに参加しなくても、ゾンビの格好をしている人たちに「写真撮っても良いですか?」と聞くと、ほとんどの人が快諾してくれて、ポーズをつけてくれたりしますよ。
自宅でハロウィンパーティを楽しむ
自宅でハロウィンパーティするのもアリですよね!
ウェブサイトやインスタなどを見ていると、本当にたくさんのハロウィンパーティレシピやアイディアがあります。
ただ、日本語でハロウィンフードを調べるとキャラクターがかわいい系が多いのですが、英語で調べるとコスプレと同じくグログロなスイーツや食事が多いです (笑) ぜひ日本語と英語、両方調べて比べてみてください。
最近は日本人でもグロ系を作る人が増えたようですが、2018年くらいまではほぼいませんでした。
私もハロウィンレシピを書いてます。
さて、そんなハロウィンを盛り上げるために、ディスプレイやコスチュームは重要ですよね。
ハロウィングズを買おう!
オーストラリアにはパーティグッズ専門店がわりとありますし、シドニーなら中国系の安い雑貨屋 Dollar King などに行くと調達出来ます。
ちょっとした小物ならダイソーに行くのも良いですね。
最近では、スーパーマーケットにもハロウィンコーナーがあるので、グッズも探しやすくなりました。
大きなカボチャ、私は作ったことがありませんが、これをくり抜いてランタンを庭先に飾る人もいるみたいですね。
箱にいっぱい!
スーパーマーケットで売られるハロウィンのお菓子も面白いですよ。毎年売られている商品が微妙に違うので「今年はどんなのがあるのかな〜?」と見るのが楽しいです。
味気なかったハロウィンの思い出
最後に、私のハロウィン体験を書いておきます。
私の地元は当時から外国人が多かった大分県 (特に別府) ということもあり、当時仲良くなった英会話教室の友人と外国人が集まるバーで開かれていたハロウィンパーティに何度か参加したことがあります。
そこで「大人なのに本気で遊ぶんだな〜!」と、カルチャーショックを受けたんですよ。お金持も知恵もある大人が本気で遊ぶので、仮装のクオリティもすごくて。
日本人も私を含めみんな仮装に張り切っていたので、やっぱり人目さえ気にならなければ日本人だって楽しみたいと思う人は多いのではないか?とも思いました。実際、何かになりきるって面白いですよね?
まだ日本で渋谷のハロウィン問題が騒がれるずっと前 (2004〜2005年頃) の話です。
だから「日本の片田舎であれだから、オーストラリアのハロウィンってすごいんだろうな」と期待していたものの、ハロウィンパーティどころかグッズらしきものさえ全く見つけられなかったので、びっくりしました。(2006〜2008年頃のクイーンズランド州)
その後シドニーに移動。2011年頃はまだダイソーもなく、唯一 Dollar King (旧 Hot dollar) という安いチャイニーズ系の雑貨屋さんでハロウィングッズが売られているのを発見!
そこで買ったものを自宅に飾ってイベント欲求を満たしてました (笑)
パーティをやっているパブを見つけた時は感動して、友達誘って行ったのも良い思い出。(普段は無料なのに、入場料がちょっと高かったですが)
…と、言っていたうちのパートナーも、仮装には意外とノリノリで「やっぱりオーストラリア人だなー」と思っちゃいました。ただ、ハロウィンが10月31日だというのは、未だに覚えられないようです。
おわりに
もともと仮装パーティが大好きなオーストラリア人ですから、一度浸透してしまえば盛り上がらないわけがないですよね。私はもう今となってはパーティする気力や体力が衰えて来ましたけどね。
アメリカではどのくらい盛大なのかは分かりませんが、何もなかったオーストラリアを知っているので、それに比べると今の状況はかなり盛り上がっていると思ってしまうんです。
あなたも道を歩いていたらゾンビの群れと遭遇!なんてことがあるかもしれませんよ。(私は2回ありましたw)