オーストラリアにワーキングホリデーに来て、最初の1ヶ月はケアンズで語学学校に通いながら、ホームステイをしました。
初めての海外生活は色んなことが日本とは違っていて、毎日が発見の連続。そんな何もかもが新鮮な時期に、オーストラリア人ファミリーと過ごしたことは、とても貴重な経験だったと思っています。
家によっては当たり外れがあるそうですが、私は良いご家庭に当たり、日本人らしく気を遣いながらもたくさんのことを学びました。
この記事では、当時の私が一般的なオーストラリアの家庭にホームステイした時に、日本と違っていて驚いたことを紹介していきます!
私のホームステイ
2006年当時、オーストラリアにワーキングホリデーに行く際、最初はホームステイをしながら語学学校に行くのが王道コースでした。
私の性格上、赤の他人のお家にお世話になるなんて絶対に気をつかうので、実は最初はホームステイをするかどうか悩んでいたんです。ですが、いきなりシェアハウスやバックパッカーズに滞在するのもハードルが高かったですし、調べたら学生寮はホームステイよりも費用がかかったので、結局ホームステイをすることに決定。
無料エージェントさんが語学学校と連携して、私のお世話になるホストファミリー情報を自薦に日本へ送ってくれました。現地でレンタルする電話の番号も事前に教えてくれて、エージェントさんのサービスには感動したものです。
私のホストファミリーは政府関係で働いている旦那さんと、施設職員の奥さんの2人暮らし。ですが、結婚した娘2人や親戚は近所に住んでいて、時々遊びに来ます。
みんなすごく良い人たちでしたが、私は案の定、初めての他人との暮らしに気をつかってしまいました。
エージェントさんにも「オーストラリアの人はリラックスしているので大丈夫ですよ」と言われていたものの、日本人気質がそう簡単に変えられるわけはありません。
今考えればそんなに気をつかう必要は全くなかったのにと思うんですが、常に気が張っていたためにあまりお腹も空かなかったですし、いつもは写真をパチパチ撮りたい私も、人見知りを発揮して遠慮することが多かったので、この頃の写真はほとんどないです(笑)
それでもホームステイをして良かったと思いますけどね。1ヶ月という期間も短過ぎず長過ぎず、ちょうど良かったです。
とりあえず「アジア人は Thank you や Please を言うのを忘れがち」と言う話を聞いたことがあったので、それに気をつけつつ、郷に入れば郷に従えの精神で臨みました。
その中で感じた違いは本当に色々あります。
就寝時間が早い!
ホストファミリーのピーターとパトリシア夫婦は、とにかく寝るのが早くて、9時にはベッドに入ります。そして、5時過ぎには起るという生活。
オーストラリアではわりとこういう人は多いですが、日本でこの時間に就寝は不可能に近くないですか?下手したら、まだ職場にいる時間です。健康的な生活リズムは理想的ではありますが、夜型の私にはかなりストレスでした。
9時に寝て8時間も9時間も睡眠を取るなんて、小学生?目が腐るんじゃ…と思いながらも、一度学校の宿題と予習復習で11時くらいまで起きていたら「ちゃんと眠れてるの?」とパトリシアに聞かれたことがあったので、彼らの生活リズムに合わせるようにしていた私。
基本的に私はショートスリーパーでしたし、日本人の平均睡眠時間は6時間くらいだと思うんです。
だから、とりあえず部屋の電気を消して、暗闇のベットの中でよく日本から持って来た携帯電話でゲームをしてました。スマホはまだ存在してなかったので、今でいうガラケーですね。ズーキーパーしか出来ませんでしたけど。
1ヶ月でちょうど良かったと思うのはこういうところで、ホームステイも終わりに近づく頃には、夜更かしがしたくてしたくてたまりませんでした (笑)
部屋のドアは常に開けておくのが基本
オーストラリアでは部屋のドアは寝る時以外は開けっ放し、 トイレやバスルームも使わない時は開けておくのが基本というのを、私はホストファミリーを見て初めて知りました。
私もそれに習って自分の部屋のドアは常に開けておくようにしてましたが、部屋でくつろいでる時や勉強中にドアが開いているというのは何となくソワソワしますね。でもドアが閉まっていると「病気で寝てるの?」と心配されそうな感じになってしまいます。
本当は部屋にこもってひとりの世界に入りたかったんですけどね。ただ、それもそのうち慣れました。
もちろん、バスルームやトイレのドアも同じです。日本だとトイレの匂いが気になりそうですが、オーストラリアは乾燥しているからでしょうか?気になったことはありません。
食事
「オーストラリアの食事は、日本に比べたら質素で量が少ないのでお腹が空くかも」と聞いていましたが、どうでしょう?お米料理のこともありましたし、わりと色んなメニューが出てきたような気がします。パトリシアが出掛けている時はピーターが食事を作ってくれたこともありました。
日本と違うなあと思ったのは、出されたお肉は味付けされてなくて、テーブルに置かれたソースやケチャップなどで自分の好きな味を後からかけて食べるスタイルだったこと。それに「焼く前にお肉をちゃんと叩いた?」と思うくらいお肉が硬かったのですが、多分オーストラリアのお肉は脂肪が少ないからでしょう。
まあ何しろ緊張していてちっともお腹がすかなかったので、食事が足りなくてお腹が空くことはなかったです。
困ったのは、英語には「いただきます」という言葉がないので、自分的には何も言わずに食べ始めるのに違和感というか抵抗感がありました。
ホストファミリーは敬虔なクリスチャンなので、食べる前に必ず長いお祈りをした後「アーメン」と言ってから食事をします。でも私はクリスチャンじゃないのでしなくても大丈夫だよと言われていて、私自身も「クリスチャンでもないのに」という気恥ずかしさがありしませんでしたが、代わりに「Thank you for the meal.」と言って食べてました。
食器の収納や洗い方が違う!
オーストラリアではお皿などの食器を食器棚だけではなくて引き出しにしまうのが新鮮でした。でも、いちばん驚いたのは食器の洗い方です。
台所のシンクに栓をしてお湯を張り、そこに洗剤を入れたらその泡だったお湯で食器を洗い、ついた泡を洗い流さずに自然乾燥で乾かすという洗い方に抵抗がある日本人は多いのではないでしょうか。
水が不足しているオーストラリアでは効率の良い洗い方で、洗剤は薄まってるから大丈夫なんて言いますが、内心「本当に大丈夫?」と不安でした。
もちろん私はよその家のやり方に口を出す権利はないと思いましたし、これがオーストラリアの文化なんだと割り切って何も言わずに従ってましたが、これは通ってた語学学校にいた日本人の友人たちの間でも話題になりましたね。
その約2年後、私は今のオーストラリア人パートナーと出会うのですが、同じ問題にぶつかりました。
日本人同士でも合う合わないがあるのだから国籍は関係ない、という意見もありますが、国を背景とした文化や考え方の違いによる喧嘩も絶対にあると思うんです。多くの人は意図して国際恋愛や国際結婚をしたわけではなく、たまたま好きになった人が違う[…]
水は大切に
オーストラリアは水不足になることも多く、州によっては植物に水をやる時間まで決められているとか。シャワーは5分以内とか、洗濯は週に1回とか制限があるホームステイ先やシェアハウスもあります。
ですが、私のホストファミリーからは特に何も言われず、「シャワーを浴びるのは朝でも夜でもどっちでも良いよ」とのこと。流石に本当は朝晩両方浴びたいとは言えなかったので、朝入ることにしました。
でも私は、温泉が豊富に湧くので「日本一お湯のありがたみを知らない」と言われる別府がある大分県出身。日本では超長風呂だった私ですが、浴槽がなくてシャワーのみですし、なるべく早く終わらせるようには気をつかいました。たまに、これから仕事に行くピーターやパトリシアと時間がかぶることもありましたし。
あと、使ったバスタオルをすぐに洗わずに、何度も繰り返し使うのも驚きました。私だけですか?
これがオーストラリアのタイルかあと撮った写真 (笑)
洗濯はパトリシアが週1くらいでしてくれてましたが、自分の下着まで他人に洗ってもらうって何となく恥ずかしいですよね💦
「オーストラリアは下着を買うの、とっても高いのよ〜」とパトリシアが言っていたのを思い出します。
日本人っぽい発想で失敗
日本で生まれ育ち、良い歳まで日本で働いていた私なので、そんなに簡単に染み付いた習慣を消すことは出来ません。そもそも、何が日本人らしいことなのかも、ホームステイをするまで気付いていなかったのです。
曖昧な返事は相手が困る
私は日本語で「別に良いよ」的なニュアンスの「That‘s OK」と曖昧な返事で誤魔化そうとするところがあり、よくパトリシアに「それ、Yes なの?No なの?」と聞き返されていました。
どっちとも取れるような曖昧な返事は日本では便利な言葉でしたが、オーストラリアでは「一体どっちなんだ⁉︎意見を言えよ」ってなります。言わないようにしようと思っても、無意識に口から出てしまっていたので、習慣とは恐ろしいものです。
仲良くなった韓国人の友人にも「どっちでも良いよ」と言ったら「私はあなたの意見が聞きたいの」と言われたことがあります。どっちでも良いから合わせるという感覚は、やり過ぎると自分の意思を持ってない人間に見られてしまうので、要注意ですね。
それと日本では美徳とされている「遠慮」も通用しません。
遠慮は通じない
遠慮、これも癖でやってしまったのですが、失敗したなあ〜と思いました。
というのも、食事で料理がテーブルに出てくる時、つい「私、一番小さいので大丈夫です」と言ってしまったんです。
お世話になってる身なので単に遠慮してしまっただけなんですけど、単に少食だと思われて、次からピーターが「Eriには一番小さいのをあげてくれ」とわざわざ気をつかってくれるようになりました。
なら訂正すれば良いじゃん!って話ですが、当時の私は慣れない英語と文化に囲まれて、何となく後から言い出しにくかったんです。だから最後まで少食のフリをしてました (笑)
おわりに
初めての海外生活で、戸惑うことも多いホームステイ。
だから事前に色んな書籍やネット情報を見て来ましたが、やっぱり現地に行って知ることも多かったです。どの土地でホームステイするかでも、土地柄が全然違うでしょうしね。
私は英会話教室に通ったのがきっかけでオーストラリアに来たので、ある程度の意思疎通は普通に出来たのが、かなり助けになりました。ホストファミリーやそのご家族には色んなことを教えてもらったと思います。
もちろんオーストラリアは移民国家なので様々な生活様式があるでしょうし、酷いホストファミリーもいると聞きますが、私は海外生活最初にホームステイをすること、私はおすすめします!