旅行するのと暮らすのとでは全然違う⁉︎ 海外に長期滞在するとやって来る4つの心理的ステージによる洗礼

  • 2017年12月9日
  • 2024年12月6日
  • 生活

「オーストラリアに住むなんて、毎日キラキラ楽しそう!」とか「日本が窮屈に感じるから海外でのびのびと暮らしたい!」とか、そういう想いを胸に渡豪する人は多いかもしれません。

でもよく考えてください、自分の生まれ育った日本の環境とはある意味正反対、言語も文化も違う国に住むんですよ?当然良いことばかりではなく、嫌なことや辛いことだってたくさん起きるでしょう。

とは言え、私はオーストラリアに来た最初の2年間は、楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。

だからホームシックなんて皆無だと思っていたのですが、期間限定の滞在予定からずっと永住することに決めてから、オーストラリアの悪い面に目が行くようになり、それに悩まされなくなるまでに少なくとは5年はかかったと思います。

でもそれは正常な反応だったようで、海外に長期滞在する人には4つの段階が訪れるということを学校で習って、納得!

これを知れば今ホームシックで辛い人は乗り越えやすくなるかもしれませんし、楽しいく過ごしている人もこれからの心構えになるかもしれません。

 

ポジティブだったことがネガティブに変わる時

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もともとワーキングホリデー制度を使ってオーストラリアに来た私は、ビザが切れたら日本に帰る予定だったこともあり「海外生活」を思いっきり楽しもうと決めてました。

日本との違いなんてあればあるほど面白かったですし、トラブルがあっても「日本では出来ない体験!」と思うと楽しかったんです。

 

ですが、予期もせず今のパートナーと知り合って、これからもオーストラリアに住むことを決めた途端、違いはストレスになりました。

 

「ああ、何でこんなに日本とは違うんだろう?」とか「あれもない、これもない、とても不便」という気持ちに苛まれ、この苦悩を感じなくなるまでには少なくとも5年かかっています。

今となっては懐かしい思い出ですが、振り返ると4つの段階をちゃんと踏んでました。

4段階の心理とは?

4つの段階は、ハネムーン期、ショック期、回復期、適応期と分けられます。

第1段階 ハネムーン期

その国の良い所に目が行きやすく、何をやっても楽しいし、目にするもの何もかもが新鮮でワクワク楽しい段階です。

この時期は多少あり得ないと思うような出来事が起こったとしても、楽しめる余裕のある貴重な時期です。

新しいことに触れたばかりの新鮮な気持ちはもう2度と味わえない可能性が高いので、この期間中に色んなことにチャレンジして存分に楽しむと良いのではないでしょうか。

人によって期間の差はありますが、私の場合はワーホリ期間中の2年間、いつもこんな感じでした。

そのみずみずしい感性を文字にして残しておくと、後で良い思い出になるかもしれません。

第2段階 ショック期

旅行気分が消えて新鮮さがなくなってくる段階です。この頃になるとその国の悪い所に目がいき、文化や言葉の違いでスムーズに生活できない事に対して苛立ちを覚え、自分の殻に閉じこもりたくなったり、日本に帰りたくてたまらなったりします。

日本ならこうなのに!日本ならあれが出来るのに!…と、母国と比べて情緒不安定気味になったり、海外における自分のアイデンティティとは?などと考えたりする時期。

私もこの時期は本当に辛くて、何度も何度も夢で日本に帰ってました。ワーキングホリデーから学生ビザに切り替えた3〜4年目だったので、もしかしたら、比較的遅めだったかもです。

第3段階 回復期

色んな違いを認めて受け入れるようになる段階です。文化や言葉の違いを感じながらも、その国の嫌な部分は嫌な部分として受け入れて、妥協しながら適応出来るようになります。

ここはそういう国だから比べても仕方ない、と思えるようになって来るので、少し楽になります。

私が「オーストラリア人のように振る舞わなきゃ!」と謎に思っていたところから、「私は日本人なんだから、自分の日本人気質は変えられないし、それで良いじゃん」と開き直った頃です。抵抗をやめて、あきらめたとも言えるかもしれません。

第4段階 適応期

外国に住んでいるという意識はなくなり、第2の母国と思えるようになってくる段階です。その国で生活するのが当たり前という感覚になるので、母国との比較をあまりしなくなります。

現在の私は4段階目をとっくに通り過ぎていますが、そもそもは予期せずオーストラリアに永住することになったので、ずっと日本に未練タラタラでした。実はこの段階まで来たのはつい2〜3年前くらい前なんですよ。(この記事を書いた2017年当時)

今の私にとっては、日本の方が外国のような感じになりました。

オーストラリアに生活基盤がある現在、もし日本で生活するとなると今度は日本でもこの4段階を経験しないといけないんだろうなあと考えると、少し萎えます(笑)

 

こういう段階があるので、来たばかりの人とずっと住んでいる人に温度差が生まれるのは仕方ありません。

同じ日本人でも温度差や考え方は色々

たまに「永住者は冷たい」みたいな論争が SNS で繰り広げられることがありますが、こういう温度差もあるかもしれないと思うんです。

日本の文化からオーストラリアの文化に寄っていくと、物事をはっきり言ったり合理的だったり、日本から来たばかりの人たちは冷たく感じることもあるかもしれません。

と同時に、自力で永住権を取った一部の人たちが、パートナービザで永住権を取った人に対して「楽してビザとってずるい」みたいなしょうもないことを言うことがありますが (本当にごく一部ですが)、これも温度差があって、パートナービザでオーストラリアに住んでいる人の中には「好きになった人がたまたまオーストラリアに住んでいただけであって、別に好んで住んでいるわけではない」という人も多い印象です。

だから、まだ来たばかりの人にやたらと「すご〜い、どうやって相手見付けたんですか?羨ましい‼︎」とテンション高めに聞かれても、「え、そんなこと言われても…」と引いてしまうこともありますよ、結構。

「オーストラリアって刺激があって良いですよね!」って言われた時は、いやいや日本の方が何十倍も刺激があるでしょ!と言っちゃいました。

まあ、私はどこに行っても楽しめる人は楽しめるし、文句を言う人は言うんだと思ってます。

相手の立場を思いやる想像力を忘れずに、仲良くやっていけたら良いですよね。

おわりに

私がワーホリしてた頃は本当に楽しくて「何でワーホリビザは2年までしかないの?足りないよ〜!」と思ってたのですが、あれはまさにハネムーンだったんでしょう。

何でも楽しめるワクワクムード、私は既に失った感覚なので眩しくもあり、羨ましいと思うこともあります。

とりあえず、慣れ親しんだ環境とは違う場所に長期住むのですから色々あって当たり前です。

違いは面白く感じるところでもあり、ストレスにもなり得ます。

それって、なんだか恋愛や結婚と同じですね (笑)

>Acknowledgement to Country

Acknowledgement to Country

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