活気あふれる世界最大のゲイ・レズビアンの祭典マルディグラ (Mardi Gras)

毎年2月中旬頃から3月初旬、シドニーでは3週間にわたり LGBTQI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア、インターセックス)の祭典マルディグラ (Madi Gras) が開催され、世界中から約30万人もの人が集まります。

特に3月の第1土曜日にオックスフォードストリートで行われるマルディグラパレードは世界最大と言われていて、朝までパーティで盛り上がる人たちも。

毎年テーマが掲げられるのですが、2018年は40周年という事で “40 YEARS of EVOLUTION(進化の40年)” でした。

パレードだけではなく、この時期にはシドニー各地で100以上のイベントが開催されるので、詳しくは公式ウェブサイトで確認してくださいね。

 

2021年は新型コロナウイルスの影響でシドニークリケット・グラウンド (SCG) で形を変えて開催されます。前売りチケット制ですが、午後6時から SBS On Demand や、7時半には SBS と NITV でフルパレードが放送予定です。詳しくは Our guide to the must-sees of Sydney Mardi Gras 2021 – Time Outで。

マルディグラのイベント

2018年のマルディグラは2月16日(金)〜3月4日(日) だったのですが、18日に Victoria Park で行われた Fair Day から始まってパレードで締めくくられるこのお祭り。

パレードは3月3日(土) の 7pmから10pm に Oxford St から Flinders St までの1.7km の区間で行われます。毎年何千人もの人が集まり大賑わいなので、もし見物するなら最低でも3時間前には場所を確保する事をおすすめします。

実際に行った時の事は別記事にまとめましたので、興味があれば読んでみてください。

私もシドニー在住10年目にして初めてパレードを観に行けたのですが、とにかくすごい人です。

昔 (2007年)、オックスフォードストリートで働いていた時に店長に「パレード中はお客さん来ないから見て来て良いよ」と言われて観に行った時は1時間程度だったと記憶してますが、2018年に行った時は3時間くらい盛り上がってましたからね!

店長はもう慣れている様子で、上に乗れる台を貸してくれたのですが「絶対に他の人に貸さないでね!貸したらもう戻って来ないから!」と釘を刺されました。理由は行ってみて納得。

台のおかげで身長の低い私でも見る事が出来たんです。が…!

次から次へと「その台貸して!ねっ、ちょっとだけ!お願い!」と頼んで来る人たちが現れ、しつこいのなんの!店の大事な商売道具なので頑なに断りましたが、個人のものだったら根負けしたかもしれません。

通行止めなどもチェック

パレード当日にシティに用事がある人は、事前に閉鎖される道路をチェックしておいた方が良いかもしれません。

ある年は私たちのアパート前が封鎖され、毎週土曜日にゴルフに行くパートナーは、帰ってくる時にやむ終えず一時的に家の近くにある駐車場を利用せざる得なかった事もあります。

あと徒歩も意外と大変で、私はよくシティの QVB 方面から夜11時頃に仕事が終わって歩いて帰る事が多かったのですが、Gorge ストリート側もすごくて、特にマクドナルド周辺は前に進むのもひと苦労なほど混雑しています。

パレードが終わった後、みんなマクドナルドに寄るんだろうと思いますが、本当に尋常ではない混みようでびっくりですよ。

ちなみに、あまり良くない話も実際に体験した本人から聞いた事があります。

マルディグラパレード後のパーティ (チケットが必要) で、日本人の女の子2人が性的被害に遭ってしまい、警察に届けはしたけれど「場所が場所でもう誰かも分からないし、自己責任」と言われて泣き寝入りした、という生々しい話。

たくさんの人が集まれば色んな人がいるので、危機管理はしっかりとしてくださいね。

町を飾るレインボーも楽しい

マルディグラが近付くと、オックスフォードストリートなどでよく見かけるレインボーの旗や看板を、色んな場所でも見掛けるようになります。

これはLGBTQIを象徴する旗として1978年にサンフランシスコのアーティスト、ギルバート・ベイカー(Gilbert Baker)がデザインしたものです。

本当にあちこちで見掛けますので、探してみると楽しいかもしれません。

色んな人がいて当たり前

オックスフォードストリートで働いていた時に、職場で「僕はゲイだとカミングアウトします!」と発表した日本の人がいて、みんなに暖かく迎入れられていました。

実際、オックスフォードストリートという土地柄もあって普通にゲイのお客さんもたくさん来店してましたし、特に珍しくもありません。

幼稚園から男の子が女の子の服を着ても別におかしくないと教えられると初めて聞いた時は、オーストラリアってすごいなあ…と思いました。

ちなみに、女の子がショートカットをしているとレズビアンに間違われる可能性も大きいそうで、逆に言えばそれくらい浸透していて普通という事なんでしょう。

大イベントになるまでの過去

こんな風に現在では盛大にマルディグラが祝われるようになりましたが、過去にはやはり偏見や差別が根強かった過去があり、戦って来た歴史があります。

このパレードの第1回目は、1978年6月24日の午後10時に始まったデモ行進でした。

1975年に南オーストラリア州では同性愛が合法となっていたものの、ニューサウスウェールズ州はまだ違法行為。このデモパレードは警察沙汰となり53人の逮捕者が出て、職場を解雇された人たちも。

しかしこれがきっかけで翌年には法律が変わり、警察に届ければ自由にデモが行えるようになって無事に2度目のパレードが終了。3000人もの人が参加しました。

80年代にはエイズの問題や色々な事でゴタゴタしたものの、1984年にニューサウスウェールズ州でも同性愛が合法化。開催時期も1981年に6月から季節の良い2月へ変更されています。
(6月だったのは、ニューヨークで起こったストーンウォールの反乱という、同性愛者が初めて警官に立ち向かった暴動事件が1969年6月28日だったからだそうです。)

こうして色んな事を乗り越えながら、今日では他州だけではなく世界中からも人が集まる大イベントとして、ニューサウスウェールズ州の経済効果にも多大な影響をもたらすまでに成長しています。

今では外国人が同性をパートナーとしてビザを取る事は認められていますが、記憶に新しい昨年12月には、ついに同性婚が合法化されました。

そういう過去を乗り越えて来て今なんですね。

おわりに

多くに人に注目されるこのイベント。

シドニーに来たら、楽しんでみてください。