オーストラリアで暮らしていると、詐欺と思われる電話やメッセージを受け取る事があります。
かけ直すと法外な金額を請求される「ワン切り詐欺」、ボイスメールに見せかけてダウンロードするとウイルスに感染してしまう「ボイスメール詐欺」、知り合いを装ってくるクラシックな「オレオレ詐欺」など。
特に2020年に新型コロナウイルスが蔓延しだしてから、かなりの被害報告があるようなので気を付けてください。
この記事では、そんな詐欺の手口と詐欺に遭わないため・遭った時の対策を書いていきます。
詐欺に合わないために出来る対策
詐欺に遭わないために普段から出来る対策は、以下のような事でしょう。
- 知り合いの連絡先は登録しておく
知り合いか知らない人かをちゃんと見分けられるように、携帯電話の連絡先リストはこまめに登録しておくのが賢明ですね。 - 怪しい番号はブロックする
- 留守電やTEXTメッセージで対応
留守番電話の設定をしておけば、知らない番号の電話に出なくて済みます。どうしても重要な用事があれば、メッセージを残してくれるでしょうから、かけ直すべき電話かどうか分かります。私が個人で仕事の集客していた時は、電話に出れない事が多いという体で、電話ではなくテキストメッセージで連絡してもらうようにお願いしていました。 - 番号をググって確認
掛かってきた電話番号をグーグルで検索してみると、誰かが詐欺だとか保険の勧誘だとか、情報を書いてくれている事があります。 - 電話番号の変更
何度も変な電話がかかって来て酷い場合はデータの流出の可能性もあるので、最終手段として電話番号を変えるのが手っ取り早いケースもあるかもしれません。 - 不審なメッセージは開かない、もちろんダウンロードもしない
本物を装った詐欺メッセージが来る可能性があり、クリックやダウンロードをしてしまうと個人情報が流出してしまう可能性があるので、開く前に見極める必要があります。
万が一被害に遭った時は電話会社に相談したり、それなりの対策をしないといけません。
そして、その場合はオーストラリア政府機関 ACCC (Australian Competition and Consumer Commission) に報告する事も推奨されています。
ACCC のウェブサイトを読むと最近ではオンラインショッピング詐欺も横行しているようで、2020年はすでに12,000件を超える被害者がいるそう。それに、セキュリティが甘くて、自分の情報がインターネットに流出しているケースも多いのだとか。
他にも色んな詐欺に手口が載っていますので、細かく知りたい人は直接ウェブサイトを読んでみて欲しいのですが、最近オーストラリアで流行っている詐欺を3つ紹介します。
ワン切り詐欺
先日ふとスマホを見たら、変な番号からの着信履歴が残ってました。
+216? はて…。
国際番号を調べたらチュニジアの番号でした。うーん、これは怪し過ぎる…。
更に調べていくと、どうやらこれは「ワン切り詐欺」という、かけ直すと法外な金額を自動的にチャージされるやつかもしれないという事が分かりました。怖〜‼︎
という事でみなさん、知らない番号の国際電話がかかって来ても、絶対に取ったりかけ直したりしちゃダメです!
これは2018年あたりから世界中で増えている詐欺で、オーストラリアも例外ではありません。海外からの見覚えのない番号の着信はワン切り詐欺の可能性が高いので、無視しましょう。
時には何十件もの不在着信がある場合もあるそうで、ついかけ直したりしてしまいがちな人も多いようですが、かけ直すと法外なレートに繋がって後から高額請求されるかもしれませんよ!
ワン切り詐欺は英語でも Wangiri call とか Wangiri Scam とか言われているんですね…。
‘Wangiri’ is a Japanese term which roughly means ‘one (ring) and cut’.
Missed call scam – Do Not Call Registerより
かけ直すと懸賞が当たったのでしばらくそのまま待つようにと言われたり、音楽を流されたり、星占いをしたり、とにかく様々なパターンで出来るだけ長く通話させようとしてくるようです。
ひとつの番号をブロックしても、微妙に違うたくさんの番号からかかって来るのでキリがないと…。今回私は2回かかって来てますが、確かにちょっと番号が違います。
どの国からかかってくる?
2018年のイギリスの記事によると、ワン切り詐欺の電話はモーリタニア、リベリア、コモロ、チャドなどのアフリカの国や、クック諸島やナウルのような小さな国などからかかってくる事が多いそうですが、スイスの電話番号の場合もあり発展途上国とは限らないようです。
なので、やっぱり見知らぬ番号からの国際電話は出ないようにするのが賢明です。
そして、2021年に増えているのがボイスメールのメッセージを残して来る詐欺です。
不在着信・ボイスメール詐欺
最近、ヨーロッパを中心に不在着信やボイスメール詐欺が増えていたそうですが、2021年8月頃からオーストラリアでも報告が相次いでいます。その数は3週間も経たないうちに5500件以上にもなってるそう。
テキストメッセージの出だしには 5〜6個のランダムな小文字または数字が並んでいるのが特徴で、リンクを踏んでボイスメールのメッセージを聞くように促され、アプリをダウンロードするように誘導されます。
しかし、このアプリは Flubot と呼ばれる悪意のあるコンピュータウイルスのようなソフトウェアです。Telstra などを装ってくる事もあるようなので騙される人もいるかもしれません。
なので、ボイスメールをダウンロードするようなメッセージを受け取っても絶対にリンクをクリックしてダウンロードしないでください。それはマルウェア (悪意のあるソフトウェア) です。あなたの情報が漏れて危険に晒されてしまいますので、すぐにメッセージを削除するのが安全です。
感染してしまうのは Android ですが、iPhone もデバイスに損傷を与える可能性があるので気を付けてください。
もしアプリをダウンロードしてしまったら、以下のリスクに晒されてしまいます。
- テキストメッセージを読まれる
- 知らないうちにあなたの携帯電話から同じような悪意のあるテキストメッセージを送信される
- あなたの番号から電話をかけられる
- 登録している個人情報や銀行口座などにアクセスされる
- 登録しているパスワードとアカウントにアクセス可能になる
感染してしまった Android から取得された電話番号をもとにメッセージが送信され拡散されていきます。これが最近増えている原因です。
もしダウンロードしてしまったら?
万が一リンクを踏んでアプリをダウンロードをしてしまった場合は、速やかに以下の対応をしてください。そして、その作業が終わるまで、パスワードが必要なものにはログインしない事です。
- Google Play Store から公式の anti-virus をダウンロードする
デイバイス (スマホ) をきれいにする必要があります。 - ITのプロに連絡する
“Voicemail” というダウンロードしてしまったアプリは、削除しようとしてもエラーが出て消えない場合があるようです。その場合、専門家の助けが必要になるかもしれません。 - デイバイスを初期化してリセット
ただし、デイバイスに入っていた全てのデータが削除されます
そして作業終了後にパスワードを変更してください。そして、もし他のオンライン上で同じパスワードを使用している場合は、全て変更する必要があります。銀行にも連絡して安全確認をした方が良いでしょう。
ちなみに、古い手口ですがオーストラリアでもオレオレ詐欺もありますので、こちらも注意してください。
オーストラリアにもオレオレ詐欺がある
もう10年くらい昔、私がまだ知らない番号でも電話に出ていた頃ですが、私もオレオレ詐欺のような電話に出た事があります。
アクセントの強い英語で「久しぶりー、オレだけど元気?」と言われて一瞬あの人かな?と信じかけたのですが、「今日は君のためにプレゼントを用意したから会える?」みたいに言い出して、おかしいなと思いました。
それですぐ電話を切ったものの、最初に愛想良く対応してしまったせいか何度もかかってくるようになったんです。
電話は取りませんでしたがあまりにしつこいので、うちのパートナーに出てもらったところ、パートナーが「Hello?」と言っただけですぐガチャっと切られて、それ以来かかって来てません。
日本語で「オレオレ詐欺 オーストラリア」とかで検索しても、色んなケースが報告された個人ブログ等が出てくるので、気になる人は調べてみると良いと思います。
最近 (2021年) 、メルボルン在住の日本人の方も同じような経験をしたそうで、彼女は普段は知らない電話は取らないそうなのですが、ちょうど頼んでいたウーバーイーツからだと思ったとの事。
するとやっぱり「久しぶりー!パーティで会ったよね?」と言い出して「名前何だったっけ?」と聞かれたので嘘の名前を言うと、「あーそうそう、思い出した」と話し始めたと…。
怪しさ満点ですね。
おわりに
以前からおかしな詐欺電話やメールはちょこちょこありましたが、最近本当に増えたように思います。
私も Email で私はアンドロイドユーザーなのにも関わらず iPhone の偽請求が来たり、このブログ経由で「このブログをハッキングしたから、個人情報をバラされたくなかったらビットコインを払え」とメッセージが来たり色々ありました。
あの手この手で来るので気を付けてくださいね。