豊富なビールとカンガルーやエミューのピザがある『オーストラリアン・ヘリテージホテル』

オーストラリアでいちばん最初に西洋人が作った町ロックス (The Rocks) には、最も古いと言われているパブがいくつか存在しますが、オーストラリアン・ヘリテージホテル (Australian Heritage Hotel)もそのひとつです。

少し前までは『オーストラリアンホテル』と呼ばれていましたが、2018年から名前に「ヘリテージ (遺産)」という言葉も入りました。

ここでは130種類を超えるオーストラリアのクラフトビールもありますし、カンガルーやエミュー、クロコダイルの肉が乗ったピザが食べられます。

それにニューサウスウェルズ州遺産リストにも登録されている貴重な建物は博物館のように見応えがあるので、もしオーストラリアを思いっきり満喫したいなら、ここはとてもおすすめです!

 

『オーストラリアン・ヘリテージホテル』に行こう!

Australian Heritage Hotel

ロックスは少し入り組んでいるので、もしかしたら土地勘がないと見つけにくいかもしれませんが、黄色い目立つ建物です。

The Australian Heritage Hotel
100 Cumberland Street, The Rocks, Sydney 2000
https://australianheritagehotel.com/
月〜日 11am-12am (キッチン 12pm-10pm)

YHA バックパッカーズとも隣接していて、ハーバーブリッジの登り口が斜め向かいにあるという観光にも便利な場所にあります。King George V (KGV) Recreation Centre というジムや体育館がある建物も真正面に。

昔の法律の名残で、泊まれないのに「ホテル」と呼ばれるバブも多いですが、ここは宿泊出来る部屋もあります。(ただ、ホームページのアコモデーションをクリックしても詳細が出て来ないので、2023年現在も受け付けているかは不明)

歴史あるホテル (パブ)

『オーストラリアン・ヘリテージホテル』は1824年から営業されているパブで、もともとは Gorge Street の現代美術館 (MCA) あたりにあったようです。しかし1900年にペストが流行し、ロックスの一部の地域にあった建物が解体された時、このホテルも壊されました。そして、その後に 116 Cumberland Street に移動。

そのパブも1907年にロックスの再開発の計画により取り壊され、現在の位置で営業が再開されたのは1914年になってからでした。(ちなみに、唯一生き残っている当時のままの建物が、現在博物館になっているスザンナプレイスです)

Australian Heritage Hotel

いかにもレトロな雰囲気が漂うホテルは、20世紀初頭に流行したエドワーディアン様式の建物です。当時のままきれいに残っているパブということで貴重な存在になっています。

エドワーディアン様式 (Edwardian Style) は、エドワード7世が在位していた1901~1910年の間にイギリスで流行した建築スタイルのこと。ですが、オーストラリアでは1890年頃から1915年頃に建てられていたフェデレーション様式 (Federation Style) の時期と被っていて、オーストラリアにおいては両者は同じ意味と捉えられることが多いです。オーストラリア版エドワーディアン様式とも。

 

Australian Heritage Hotel

ホテルは Gloucester St (写真左側)Cumberland Street (写真右側) の間にあり、それぞれのサイドに入り口があります。

中では繋がっていないようなので、反対側道路入り口に行きたければ、一旦外に出ないといけません。トイレやルーフトップに行く階段があるのは Gloucester St側の入り口です。

Australian Heritage Hotel

私たちは、Cumberland Street側にある外席座りました。

Australian Heritage Hotel

ワインやカクテルもありますが、ビールは中で注文しないとということで店内へ。

Australian Heritage Hotel

いやあ、なんて雰囲気があって素敵なパブなんでしょう。

Australian Heritage Hotel

カウンターには、オーストラリアの人気ビールがズラッと揃っています。

Australian Heritage Hotel

その中でも気になったのが、The Grifter のオーストラリアン・ドライエールです。

せっかくかわいい絵なのに、写真がピンボケしてしまっててすみません。

アンザックデーが近かったからでしょうか、おそらく期間限定だと思うのですが、オーストラリア大陸とカンガルーの絵が素敵。こんないかにもオーストラリアです!みたいなビールも出すんですね。

Australian Heritage Hotel

所々にスクリーンもあるので、ここでスポーツの試合なども見れます。

Australian Heritage Hotel

パブなので、一応こんなエリアもあります。少しだけですが。

Australian Heritage Hotel

南側へ行くと、大きな窓から光がたっぷりと入る、爽やかな「The Cafe」というスペースがあります。

Australian Heritage Hotel

昔の鉄道で使われていたと思われる標識が飾られていました。ノスタルジックですよね。

Australian Heritage Hotel

バーとカフェを繋ぐ通路には、昔のミルソンズポイント駅の看板もありました。

そう言えばこの間知ったんですけど、ミルソンズポイント駅って、昔は今とちょっと違う場所にあったんですよ。きっとその頃の看板なんでしょうね。

Australian Heritage Hotel

このポスターにも感動。

KB Lager をつくっていた Tooth and Co はオーストラリアで最も古い会社のひとつで、20世紀にはニューサウスウェールズ州の主要ビール会社でした。でも1980年代くらいになくなってしまったので、私も最近まで知らなかったんですけどね。

そんな会社は、その前にこのホテル所有者だった Resch’s Limited というビール会社と、1931年に合併したという過去があります。

…と、ここまで書いてて気づいたのですが、

Australian Heritage Hotel

Resch’s って、これですよね‼︎ たまに色んなホテルでこの絵を見掛けますが、繋がりました!

現在は大手ビール会社 Carlton & United Breweries が作っているので、今でも普通に飲めます。

 

さて、オーストラリアの歴史がたくさん詰まってて興味深いホテルなので前置きが長くなってしまいましたが、いちばんの目的は食事ですよね!

Australian Heritage Hotelカフェ側の外から見たホテル

カンガルーとエミューのピザを食べよう!

Australian Heritage Hotel

さっそく注文します。

もちろんチキンパルミジャーナとかステーキとか、ハンバーガーとかオーストラリア定番のパブ飯が色々ありますが、やっぱりここはカンガルーやエミュー、クロコダイルの肉を使ったピザが気になります。

実は6〜7年前にここでクロコダイルのピザは食べたことあるんですが、その時はカンガルーやエミューの肉はきっと癖があって私には無理だあろうなあと思って、食べやすいクロコダイルを選んだんです。

でも、今回は3人でシェアして食べるのでなんとかなるだろうし、一度は挑戦してみたいと思ったので食べてみることに。

 

結果、すごく食べやすくて全然大丈夫でした!

Australian Heritage Hotel

頼んだのは Coat and Arms という半分エミューで半分カンガルーのピザ Small $28

名前の通りオーストラリアの紋章ですね (笑) それにトマトやカプシカム、レモンマートルマヨなどが載っています。

Commonwealth Coat of Arms of Australia granted by Royal Warrant signed by King George V on 19 September 1912.
Commonwealth Coat of Arms of Australia granted
by Royal Warrant signed by King George V on 19 September 1912.(Wikimedia Commons)

カンガルー単品のピザもありますし、タイ風の味付けがされたクロコダイルピザ、他にもたくさんの種類のピザがあります。パイナップルが乗ったピザはハワイアンではなく、クインズランダーという名前も「確かに!」という感じで良いですね。

以前ここでクロコダイルピザを食べた時の味は忘れてしまったのですが、覚えてないということは普通においしかったんだと思います。

昔ケアンズのスシトレインにクロコダイルの唐揚げというのがあって、それはちょっと値段が高い鶏肉という感じでした。

なので、どうしてもカンガルーやエミューに抵抗がある人はそちらを注文しても良いかもしれませんね。

Australian Heritage Hotel

フィッシュ & チップス $26.50、でっかい!

Australian Heritage Hotel

デザートには Smashed Pavlova $15 を。

メニュー通りパブロバは細かく砕かれていたので、パブロバというよりもバニラアイスとクリームがたくさんでした。

Gloucester St側にも部屋が色々

Australian Heritage Hotel

ところで「ルーフトップって書いてあるけど、どうやっていくんだろう?」と店内をぐるっと歩いても上に行けるような場所がないので不思議に思っていたら、どうやら Gloucester St側に行かないといけないみたいです。

そしてトイレもそちら側になります。

Australian Heritage Hotel

ということで来てみましたが、こっち側にも別のカウンターがあって、やっぱりレトロで素敵ですね。

Australian Heritage Hotel

コーヒーも飲めるんでしょうか。

Australian Heritage Hotel

こちら側にも色んなオーストラリアビールのタップが並んでいます。

Australian Heritage Hotel

キャンベラのブリュワリーが出してる柚子が気になりましたが、よく見たらビールではなくセルツァー (アルコール入り炭酸) でした。

Beerfarm Royal Haze って始めた聞いたなあと思ったら、どうやら西オーストラリア州のビールみたいですね。

Australian Heritage Hotelドアに「サロン」って書いてるんです

Australian Heritage Hotel

「The Alcove」という、こんな小部屋のようなスペースもあります。

Australian Heritage Hotel

こっちは「The Ladies Parlour」ですって。20世紀初頭の様子を想像しちゃいますね。

Australian Heritage Hotel

トイレはこの階段を上がったところです。

Australian Heritage Hotel

ついでにルーフトップも見てみましょう。

Australian Heritage Hotel

小さなルーフトップ入り口がありました。

Australian Heritage Hotel

ルーフトップ自体、そんなには大きくないんですね。

Australian Heritage Hotel

高いところで飲むのは気持ち良さそうですが、見える風景は普通です。

もしオペラハウスまで見渡せる素敵な景色を求めるなら、隣の『Glenmore Hotel』に行った方が良いですね。

Australian Heritage Hotel

ここから直接階段にもいけます。

Australian Heritage Hotel

少し下ったところには「The Wine Emporium」という、オーストラリア限定のワインを取り揃えているセラーを改装したバーも。

Australian Heritage Hotel

いやー、見ているだけでまるで博物館にいるみたいで楽しかったです。

 

この後ロックスウォーキングツアーに参加予定だったんですけど、気分も盛り上がって来ました!

ちなみにこのパブを選んだのは、12時オープンが多い中で11時オープン (キッチンは11時半から) だったからです。ツアーは1時30からなので、余裕があった方が良いかと思って。(ちょっと遅れて結局12時に来たのですが)

おわりに

このホテルの前は数え切れないくらい通っているのですが、ほとんどひとりの時が多くて入りにくいなあと思ってました。でも、一度入ってみると結構平気かも。

いつもお客さんで賑わっている人気パブですし、オーストラリアがたっぷり味わえてテンションが上がりますよ!

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Acknowledgement to Country

This website would like to acknowledge Gadigal peoples of the Eora nations, Aboriginal and Torres Strait Islander people, the traditional custodians of this land and pay our respects to Elders both past and present.このウェブサイトは伝統的な土地の所有者であるエオラ、ガディガルの人々を含むアボリジナルおよびトレス海峡諸島の人々、そして過去と現在の長老に敬意を表します。