シドニー中心部から南東へ約12km、ランドウィック市マルーブラの南に位置するマラバー (Malabar) は、飲食店も少ししかないような静かなサバーブです。
ですが、眺めの良い国立公園や穏やかなビーチなどがありますし、都会の喧騒から離れてのんびり自然を楽しみたい人には良いのではないでしょうか。
景色もとてもきれいですよ!
この記事でそんな写真をたくさん紹介しているので、見てみてください。
マラバーについて
マラバーの北半分はマラバーヘッドランド国立公園 (Malabar Headland National Park) で、その近くにはマラバービーチ、そしてゴルフコースがあり、あとは住宅街です。
マラバーの楽しみ方
- マラバービーチやロックプールで海水浴
- サーフィンやスキューバーダイビングなどのマリーンスポーツ
- ゴルフ
- マラバーヘッドランド国立公園でブッシュウォーキング
- ピクニックやバーベキュー
- 美しい景観や珍しい植物など自然を楽しむ
※ お店がほとんどないので、熱中症にならないように水分補給には十分に気をつけてくださいね。
公共交通機関で行く場合
シティからマラバーまでは直通のバスがありません。確実なのはライトレールで Juniors Kingsford まで行って、399か390Xのバスに乗ることです。
マラバーの歴史と名前の由来
以前、この地域はロングベイと呼ばれていましたが、1931年4月2日にこの場所で難破した貨客船 MV Malabar にちなんでマラバーと呼ばれるようになりました。
シンガポールへの定期航海に向けてメルボルンから出港したマラバー号は、ロングベイに来たところで濃い霧のために岩に乗り上げ難破。すぐに乗客と乗組員は救命ボートで避難し、ダーウィンに輸送予定だった種馬3頭も無事助かりました。唯一猫が船を離れることを拒否して亡くなったそうです。
(乗客の大半は世界旅行中のアメリカ人、乗組員108人のうち63人が中国人、26人がマレー人でした)
この時はちょうどイースターの時期で、多くの人がこの船を見るためにこの場所に訪れ、サンドイッチや飲み物などを販売するブースまで設置されたり、ミュージシャンがショーをしたり、警察まで出動する大騒ぎだったよう。
ただ、難波した船の引き上げは上手くいかず、25年以上そのまま放置されていました。
ちなみにこの船は32回目の航海の途中で、1926年には日本の国会議員7名を乗せて、オーストラリアを回っています。
この地域では、St Albans (1882年)、Try One (1947年)、SS Goolgwai (1955年)、無名の船 (1955年) と、全部で5隻の船が難破していて、特に MV Malabar と SS Goolgwai が沈んでいる場所は、現在人気のダイビングスポットです。
(参考: MV Malabar Page – Michael McFadyen’s Scuba Diving Web Site)
見どころ
とてものどかな郊外
マラバーの飲食店は、ビーチ沿いにカフェが一軒、ちょっと離れたところにパブが一軒、そして隣のサバーブ Matraville との境目の Anzac Parade に数軒ある程度です。
ビーチ沿いに唯一あるカフェ
そんなこのエリアの見どころは、のんびりした雰囲気と自然でしょう。特に海沿いの景色はサイコーです。
マトラビルとの境がお店が最も集まっている場所
マトラビル側に行くともう少しお店があります
この向こうのマトラビル側にはボトルショップや、ランドウィックシティ図書館もあります。
Malabar Beach
やっぱりマラバーに来たら、マラバービーチ (Malabar Beach) です!
マラバービーチは、マルーブラビーチやラペルーズなど人気の観光スポットに近いわりに、あまり知名度はありません。
ですが、海水浴場 (赤と黄色の旗が立っている間) はロングベイの奥まったところにあるので波が穏やかで、小さな子供にも最適です。
観光客も少なめで穴場ですが、ライフガードは巡回していないので注意してください。
ビーチは200メートルにわたり、岩が多い場所も。水はとてもきれいです。
シュノーケリング、釣り、カヤック、スキューバーダイビング、サーフィンなどでも人気があります。
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Cromwell Park
ビーチの裏手にあるクロムウェルパーク (Cromwell Park) にはプレイグラウンドや公衆トイレ、シャワー、更衣室があります。
バーベキュー台も2つほど
広いプレイグラウンド
北側にはアウトドアジムも。
マラバー・ロックプール
マラバービーチから南に行くと、ランドウィックゴルフクラブの手前にロックプールもありますよ。
スロープを下りるとロックプールです
とてもきれいなロックプール
のんびりと風景も楽しみたい!
この辺りの風景はとてもきれいなので、散歩するだけでも楽しいかもしれません。
途中にベンチもあり、ゆっくり休憩もできます。向こうに見えるのは、マラバーヘッドランド国立公園です。
ここで遊んでる人たちもいました
Randwick Golf Course
ロックプールを通り過ぎたところには、ランドウィックゴルフコース (Randwick Golf Course) があります。
海沿いの崖の上にあるので景色が良く、一応「ゴルフの邪魔にならないように左側を歩くなら良いよ」的なことを書いている看板も。
実はここ、クージービーチから歩く Coastal Walk の通り道にもなっています。
ですが、実際に歩いてみた感想としては、ちょっと危ないと思いました。最初は歩行者用の道があるのですが、途中でどこを歩いて良いか分からなくなる場所もあり、下手するとプレイしている人に迷惑がかかって注意される場合も。
私も本当はリトルベイまで抜けたかったのですが、半分行ったところで無理だと思って引き返しました。だから私はここを歩くのはおすすめしませんが、自己判断でお願いします。
Malabar Headland National Park
そして、いちばんのおすすめはマラバーヘッドランド国立公園 (Malabar Headland National Park) のブッシュウォーキングです!
切り立った崖や海岸の景色が最高なウォーキングトラックがあり、冬はホエールウォッチングも出来ます。
おすすめは片道3.7kmの Boora Point Walking Track ですが、国立公園の中にあるアンザックライフル射撃場 (ANZAC Rifle Range) が使用中の時はクローズになるので、事前に確認してください。
その場合でも Western Escarpment Walking Track 開いているので、そちらを歩いてください。このウォーキングトラックは片道1kmの初心者コースなので、子供や簡単なウォーキングをしたい人にも最適です。
また、第二次世界大戦中に設置されたマラバー砲台 (Malabar Battery) の跡が見れる Artillery Track もあります。
壮大で美しい景観や歴史的遺産が楽しめて、貴重な動植物が生息する『マラバーヘッドランド国立公園 (Malabar Headland National Park)』は、マルーブラビーチとマラバービーチ間を繋ぐ海岸沿いのウォーキングトラックです。[…]
アンザックライフル射撃場について
アンザックライフル射撃場 (ANZAC Rifle Range) は150年以上の歴史を持つ南半球最大でオーストラリア最古の射撃場で、ニューサウスウェールズ州ライフル協会の本部でもあります。以前はロングベイ・ライフル射撃場という名前でしたが、第一次、第二次世界大戦、Korean Campaign などで活躍したライフルクラブのメンバーに敬意を表して 1970年にアンザックライフル射撃場と改名されました。
2012年にマラバーヘッドランドの西側セクションが国立公園に指定され、2015年には東側部分もそうなり、その国立公園の中にあるライフル射撃場を巡っては議論もありました。ですが、もしこの場所にライフル射撃場がなければ現在の国立公園はなく住宅街になっていた可能性もあるということで、国立公園の創設のために戦った自然保護活動家のボランティアグループとは和解しています。
マラバーヘッドランド国立公園の入り口はウォーキングトラックによって場所が違うので、説明します。
Boora Point Walking Track 入り口
Boora Point Walking Track 入り口は、マラバービーチ沿いの道 (Fishermans Road) を北に歩いたところです。
ウォーキングトラックが開放されている日は、入り口が開いています。
ここを入ります。
しばらく歩いていくと、
やっとマラバーヘッドランド国立公園の看板が現れました。
ここを更に歩くと、
Boora Point と Artillery Track の 別れ道があるので、好きな方を歩いてください。
Artillery Track は短いウォーキングトラックですし、ループしているので、両方見たいなら後から Boora Point に行く、もしくは逆に回っても良いと思います。
Artillery Track の入り口
Western Escarpment Walking Track 入り口
Western Escarpment Walking Track の入り口は Franklin Street 沿い、Pioneers Park を登ったところになります。駐車場もここに。
Water resource recovery facility 周辺がかわいい
ところで、Boora Point Walking Track に行く途中に Water resource recovery facility があるのですが、その周辺がちょっと可愛かったので紹介します。
この辺りは絶滅危惧種とされる植物グループ Eastern Suburbs Banksia Scrub (ESBS) の保護地域でもあるんです。
Long Bay Correctional Complex から東は違うサバーブ
海から離れて東の内陸側に行くと、病院を含む受刑者が収容されている大きな更生施設があります。
ここから道路を渡って更に西へ進むと、チフリー (Chifley) というマラバーよりも小さくて何もないサバーブです。マトラビル (Matraville) へ行くための通り道として使う人もいるのではないかと思います。
向こう側はチフリー
おわりに
マラバーはシドニー中心部からそう離れてない、ですがビーチありブッシュありの自然が満喫できる場所です。
結構穴場なスポットだと思いません⁉︎