シドニー郊外のボタニーには、風変わりなブリュワリーが2軒あります。
ひとつはわりと規模が大きくて、よくユニークなビールを色々リリースしている『One Drop Brewing』。そしてもうひとつが今回紹介する家族経営の小さなブリュワリー『スローレーン・ブリューイング (Slow Lane Brewing)』です!
こちらは古き良きヨーロッパのエールやラガーを現代風にしたものを専門としているブリュワリーで、本格的なピザも食べれますよ〜。
ボタニーは観光地でもなんでもない静かなサバーブですが (飛行機の音はうるさいですけど)、もし来るならこのふたつのブリュワリーはご近所同士ですし、どちらも個性的なのに対照的で面白いのでブリュワリー巡りが好きな人はぜひ両方行ってみてください。
ヨーロッパスタイルのスローレーン・ブリューイング
7月にブリュワリー巡りが好きな友人とここに来ました。
スローレーン・ブリューイングは工業地帯の中にポツンとある小さなブリュワリーですが、オープンな感じですぐに見付つかります。
日曜日だったので12時からオープンということで、ランチもここで食べることに。
週末はやっぱりそれなりに人がいますね。
30 Byrnes St, Botany NSW 2019
https://slowlanebrewing.com.au/
金 3pm-8pm / 土 12pm-8pm / 日 12pm-7pm (ライブミュージック 2.30pm-5pm)
※ テイクアウェイは月〜金 10am-5pm
ということで中へ!
中はこれくらいの広さです。
奥でビールを作っているようで、店員さんはいつもカウンターにいるわけではなく、ここで作業をしていてお客さんが来たら出て来る、みたいな感じでした。
中は狭めですが、外席のスペースを入れるとまあまあ席数はあります。この時いた数組のお客さんは、私たちを含めてみんな外席で飲んでました。
ここの様々なスタイルやフレーバーのビールは、ヨーロッパの伝統的なビールからインスピレーションを受けて、現代風に仕上げているとのこと。
規模が小さいことの利点として、より手間のかかる伝統的な醸造方法でビールを作ることが可能なので、他の多くのブリュワリーのビール製造方法と異なりゆっくりと自然に発酵させているそう。
樽を使って熟成させているものもあるそうで、だからビールのブリュワリーなのに樽がたくさんあるんですね!
もちろん私たちが頼みたいのはパドル (ここではフライト) です。ここでは4種類のビールが最初から決められていて、2タイプから選べます。
せっかく2人なので、Tasting Flight – Classic Euro Styles $18 と Tasting Flight – Hops $21 ひとつずつ頼んでみることにしました。
ここでは、こんなグラスにビールが注がれます。
本当に大雑把な感想ですが、ざっくり書いておきますね。
Classic
- Refectory – あっさり甘め
- Simple Living – 苦味があるあっさり
- Whiter Shade of Ale – 花粉のようなジャスミンのような独特な味
- Classic Haze – 落ち着いた苦味と甘み
Hops
- Simple Coercion –
- Quake – こっちの方が甘い
- Family Ties –
- Hop Detective – こっちの方が苦いかも
すみません、これは飲みながら記録したメモを写したものなんですけど、空白が2ヶ所ありました。確か、味が他と比べることでしか表現出来なかったので、「こっちの方が」と書いているんだと思われます。
ちなみに、それから2ヶ月後くらいに別のビール友達と来たら、ビールのメニューが微妙に変わってましたよ〜。
私は一度フライトは頼んだので、今回は別のものをと思ってサワー系のパイナップルかアプリコットにしようかなーと思ったのですが、それは缶でのサーブとのことだったので、タップの Botany Weisse Mango & Passionfruit というサワービールにしてみました。
何だかトマトジュースに似てて、おいしかったです (笑)
2杯目は、この間飲んだ花の匂い?花粉のような、ジャスミンのような香りがして好きだった Whiter Shade of Ale に。
特徴がある味なので好き嫌いはありそうですが、私はこの癖のある香りのビールが好きなので、この記事を書くにあたってこれだけちゃんと調べてみました。1960年代に復活したベルギーの中世スタイルの白ビールで、大量の小麦とオーツ麦、それからコリアンダーとオレンジピールを使って醸造しているんだそうですよ。
というか、一緒にいた友人に「花粉みたいな味のビールなかった?」と言ったら「これでしょ」とすぐ通じたのがびっくりw
ピザもおいしい!
さて、最初に行った時に注文したピザですが、ここのピザはローカルとイタリアの高品質の食材で作った自家製のナポリ風ピザということで、結構本格的。メニューにはどのピザにビールと合うかということまで書いてくれています。
子供用のピザもあるので、家族連れも多いのかもしれません。
私たちは Queen Marty を注文して、来たのがこちら。
うん、とてもおいしかったですよ〜。(それしか言えなくてすみません)
その他
もちろんビール缶も売っています。デザインがスタイリッシュな感じでカッコ良いんですよね〜。私が気に入ったWhiter Shade of Ale もありました。
色んなビールが売られています
16世紀のホワイトビール (写真左) も気になりますけど、樽で熟成させたゴールデンサワー Morning Light (写真外) も気になります。また買いに来なきゃですかね。
コースターもかっこいい
グッズもちょっとだけ売っています。ロゴがかっこいいので、普通におしゃれ。
でも、こんなに小さいブリュワリーなので、ちょっとマニアックかなーと思っていたのですが、意外に意外。
クイーンズランド州のブリスベンでオーストラリアビールのブログを書いている Garboの人さん (@KoseiOtsu) が記事にまだ1種類だけですけどここのビールについて書いてました。
今回はまたまたブログ初登場のブリュワリー、スローレーンブリューイングのウェカ アイランド ヘイジー ペールエールというビ…
彼のよく行くボトルショップに売っているそうで、他の州にもちゃんと行ってるんですねー。
別の日の土曜日にビール買いにいったら、人がいっぱいいました。
そして、アコーディオンを弾きながら歌うおじさんの横で子供が遊んでいて、地元の人に愛されてるんだろうなあと。
近くにあるもの
ちなみに、せっかくなのでちょっとだけボタニーにあるこの工業地帯の紹介を。
向かい側には、イギリスとオーストラリアのアーティスト、Gillie and Marc のスタジオがあります。
このアーティストの作品を見たことがある人は多いと思いますが、ニューヨーク・タイムズ紙に「ニューヨークの歴史の中で最も成功し、多作なパブリックアートのクリエイター」と称賛されたそうで、彼らの彫刻や絵画はオーストラリアだけではなく世界250以上の都市で展示されているそうですよ。
この辺りはシドニーの西洋人入植地としては古い方なので、時代を感じる建物もポツポツと残っています。ブリュワリー巡りはこれを含めて楽しむと良いかもしれませんね!
おわりに
スローレーンは小さなブリュワリーですが、ちょこちょことお客さんが出入りしていたので、知ってる人にはそれなりに人気があるんでしょう。
そして、あまり同じ場所をリピートしない私にしては珍しく、もうひとつのブリュワリーと一緒にここは何度でも来たいと思わせられる魅力があります。
たた、このブリュワリーは金〜日しかオープンしていないので、行く前には営業時間を含めてチェックしてくださいね!
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