世の中には国際恋愛や国際結婚に憧れる日本人が一定数いるようです。
私の場合は成り行きで今のオーストラリア人パートナーと一緒になったという感じなので、別に大きな理想を持っていたわけではありませんが、11年目の現在でも未だに慣れない事・譲れない事はあります。
まあ、さすがに今でこそ喧嘩もかなり減って来ましたが、昔は文化や考え方の違いからよく大ゲンカをしました。
色んな国際恋愛カップルの話を聞いていると、喧嘩や違和感はだいたい皆さん共通している事も多く、特に恋愛初期の頃は自分の想像の域を超えるような事が次々と起こる事は覚悟していた方が良いかもしれません。
「理想と違う‼︎」なんてならないように。
違いを楽しむ気持ちが大切
そもそも日本人同士でも分かり合えなかったりするのですから、自分の生まれた国以外の人と暮らすというのはストレスがあって当然かもしれません。
今でもちょっとした感覚を共有する事が難しかったり、笑いのツボが全然違ったり、時々寂しく思う事もなくはないです。
でもまあ、国際恋愛に限らず恋愛は相手に自分の理想を見出して期待する減点方式の人よりも、過剰に期待せず違いを楽しむくらいの気持ちで始める人の方が上手くいきますし長続きします。特に相手の生まれた国が違う場合は、こういう心構えは大切なのではないでしょうか。
その上で、自分の妥協できない点や不満などを、感情的にならず冷静に伝えて話し合えると良いですね。
外国人=白人じゃないからね?念のため
ちなみに、国際恋愛とかオーストラリア人と聞くと未だに白人を連想する日本人も多いようですが、それは偏見です。
うちのパートナーは、たまたまいわゆる昔ながらの白人系オーストラリア人だったというか、アングロサクソンやゲルマン系の血が入っているオーストラリア人ですが、実際はアジア系や中東系など色んな人がいます。
「外国人の彼氏が欲しい〜」という人の話を聞くと白人彼氏という意味だったり、相手がアジア人だとか黒人だとか言ったらガッカリされたという失礼な話もたびたび聞きますが、あまり気持ちの良いものではありませんね。
私の場合も「相手が白人だから絶対にかっこ良いんでしょ!」と言われて困った事があります。まあ、多少なりとも偏見とも戦う必要もあるかもしれないです。
それを踏まえて、いってみましょう!
こんなにあるケンカの原因
付き合い始めの頃こそ衝撃的だったものの、今となっては何でもない事もありますが、未だになれない事もあります。とりあえず、20代後半までバリバリ日本で暮らして来た私なので、言葉と文化の壁は一生付きまとうのではないでしょうか。
言葉と文化の壁
言葉や文化の壁は根本的な事なのでいちばんストレスが生まれやすいですが、そういう人を好きになったので仕方がないですね。
母国語のようにスラスラと言いたい事が出て来ず上手く伝わらないフラストレーションもあるし、込み入った英語が理解出来なかったりすると、相手から面倒くさがられたりもする事も。
いいえ、英語力だけの問題ではなく感覚の違いもあるので、ジョークなども意味は理解出来ても何が面白いのかさっぱり分からないなんていう事も起きます。
あと、英語力というよりも、オーストラリア人ならみんな知っているテレビ番組とか出来事とかを知らないと友達や家族の集まりの時の会話に入れなくて疎外感を感じるかもしれません。これは日本人同士でも同じですね。
基本的にオーストラリアの人はパーティにパートナー同伴で参加したがる人が多いので、お付き合いとか色々ありますから苦痛という日本人は結構いるみたいですよ。
外国人の彼氏が出来れば英語が伸びる⁉︎
日本人以外の人からも「オーストラリア人の彼氏がいると英語が伸びて良いなー‼︎」と羨ましがられる事がたまにあるのですが、これって本当だと思いますか⁉︎
私は正直言って、ないと思います。むしろ後退する人もいるくらい…。
そりゃ、英語力がゼロに近い人は日常会話が出来るようになるという点では伸びるでしょうが、もともとある程度会話が出来る人にとっては自分から能動的に勉強しない限り伸びないでしょう。
だって、長年一緒にいれば相手がしゃべり始める前に何が言いたいのか分かってしまったり「アレ」で通じたりしますから、それで伸びるなら今頃私もペラッペラなはずですもん…。
そもそも、普通のネイティブスピーカーに英文法を聞いても、先生ではない限り説明出来ない人が大多数なんですよ。
言わないと察してくれない
さて、国際恋愛カップルの喧嘩の原因ナンバーワンと言っても良い相手が察してくれないという問題。私もこれには最初苦労しましたよー。
日本にいた時は気付きませんでしたが、日本人なら無意識に「言わなくても分かるだろう」と思うような事でもオージーは全く察しません。
いや、オーストラリア人以外の人でもそうです。相手に合わせて「どっちでも良いよ」と言ってしまう私に対して「自分の意見を言ってよ⁉︎」と韓国人の女の子に怒られた事があります。
とにかく日本人は相手の思っている事を先回りして察する習慣が身についているので、つい相手も同じだろうと考えてしまい「何でそれくらい分かってくれないの⁉︎」とケンカになりやすいんですよね。本当に最初の頃は「ここまで言わないと分からないのか…」と愕然としたものです。
向こうは「言わないと分からないだろ、何で言わないんだ?」と思っていますし、日本以外ではそれが正しいんです。態度ではなくしっかりと口に出して意思表示しましょう。
はっきり言って、慣れればこっちも変に相手に対して察する必要がないので、こっちの方が楽です。
ギリギリまで計画を立てない
うちのいちばん多かったケンカの原因は、パートナーが直前になるまで何も計画を立てないという問題です。
私だけじゃなくて、日本人ってあらかじめ前もって計画を立てて、しっかりと準備しないと不安になる人が多いと思うんですよ。ましてや、他人が関わる事だと迷惑をかけないように前もって予定を伝えたりするじゃないですか?
私はモロにこういう性格なので、早目に予定が分からないとイライラしますし、旅行の準備も早め早めにしたいタイプ。なので、出発1週間前なのに飛行機をまだ予約してなかったパートナーが信じられませんでした。
でも、これはパートナーに限らず、学校のカリキュラムやツアーなどでもよくギリギリまで日程を出してくれなかったり、突然当日に変更して振り回される事はよくあるので、あきらめの境地に入った方が楽かもしれません。
ただ、うちは数え切れないくらいケンカをした末、パートナーが「Eri は前もって知ってないとダメなんでしょ?」と理解してくれるようになりました。そうなると話が早く、私も自分から前もってパートナーに計画を立てるようにお願いしたりしてもすんなりいくようになっています。そうなったらしめたもの。
でも実は私もだんだん慣れたのか、前ほど気にならなくなって来ました。
食文化と味覚
でも、本当にしんどいのは食の違いかもしれません。
うちのパートナーは毎日お米は飽きるとか言うし、煮物や豚汁などの素朴な味はダメで揚げ物やチーズたっぷりなど味の濃いものが大好き。
私も若い時は洋食派だったので良かったですけど、歳とった今はあっさりした日本食が食べたいのに、私が食べたい物はパートナーが食べたくなくて、パートナーが食べたい物は私が食べたくなかったり。ふたりの好みが交わる献立を考えるのが結構大変なんですよねー。
長い時間をかけて作った茶碗蒸しは「Strange!(変なの)」と言う癖に、パパッと作った焼きそばを食べて「天才‼︎」と大絶賛するし、本当に謎です。でも前に雑誌の特集にあった、日本人と結婚した外国人の旦那さんの「日本人妻は味付けがいつも同じ。」というコメントには笑ってしまいました。確かに基本的にしょうゆとみりんがあれば最強と思ってるフシはある(笑)
外食もわりと制限があって、パートナーは自分で焼肉を焼くのはめんどくさい、ラーメンもすするのが嫌。回転寿司でにぎりのネタだけ食べてシャリを私にくれた時はさすがに怒りました。ああ、たまには2人で鍋をつつきたい…。
ただ、マイナス面ばかり見ていても仕方ないので、アジア人が全くいないようなレストランに連れて行ってもらったり、昔ながらのオージーの食文化を知れたりするのが面白いよね、と発想を転換させてます。お陰でブログネタにもなりますしね。
おおざっぱで適当⁉︎
何事においてもオーストラリア人は適当過ぎるし日本人は細か過ぎるという所で衝突しがちです。
私が嫌なのは、近くまでだからと裸足で外を歩いた後にそのまま家に上がったり、コンロを食器用のスポンジで磨いたりする事。
お皿用とグラス用のスポンジを分けるまでしなくても良いですが、コンロは食器スポンジを使って欲しくない…。
パートナーは普通のオージーは食器スポンジでコンロを磨くと言いますが、ここは絶対に譲れないので、この件に関してはパートナーが99%私に妥協してくれてます。まあ、食器は私が洗う担当なので、文句ないでしょ…。
まだまだ出てくる文化の違い
外を平気で裸足で歩いたり、食器スポンジでコンロを磨くにちょっと関連しますが、これは文化だから私が妥協しないといけないのかな…という事も多々あります。
靴を家の中で履く
靴を家の中で履くのはこちらでは当たり前なので、我が家ではオッケーでもよそ様には強制出来ませんよね。そもそもオーストラリアの家の玄関には、靴を脱ぐ場所の区切りなんてありませんし、お客様が来たら当然普通に靴でそのまま入って来ます。
我が家も普段は基本的に土禁ですが、パートナーもたまに普通に靴を履いてベッドルームまで行くし、ソファーよりも床に座ってしまう私が悪いのかも…。(だって、床の方が落ち着くんです)
昔お世話になったケアンズのホストファミリーは家の中では靴を脱いでいましたが、それは単に暑いからでしたしね。
食器の洗い方に違和感
あと、私はオーストラリアの人たちがよくする食器の洗い方に抵抗があります…。
シンクに食器洗剤を入れたお湯を張って、その中で食器をジャブジャブ洗ったら洗い流さず乾かしておくんですけど、それって絶対に食器に洗剤の成分が付いたままだと思うんですよね。
水不足のオーストラリアではこの洗い方が効率的ですし「乾いたら大丈夫」なんて言いますが、オーストラリアの人たちってオーガニックとか健康に気をつかうわりにはこれは気にしないんでしょうか?
なので我が家では禁止ですが、もちろんよその家に行った時は私もその家のルールに従います。
ジェスチャーが通じない
日本の「おいでおいで」と手をひらひらさせるジェスチャーは、こっちでは「しっしっ、あっち行け」になってしまうので、気を付けてくださいね。
あと、一時期流行った裏ピースとかもヤバいので絶対にやめてください。
ハンカチで鼻をかむ (解決済み)
恐怖のハンカチで鼻かみ…。
これは古い文化なので「今時そんな事する人いないよ?」とオージーの旦那さんがいる年配女性に言われた事もあるのですが、うちのパートナーはやりますし、たまーに町でも見かけます。
でも、洗うのは私ですし、想像すると寒気がするのでソッコーでやめてもらいました。
パートナーは「ハンカチで鼻をかめないならハンカチの意味がないじゃん」と言ってましたが、ハンカチでかんだ場合は自分で洗うというルールを決めたら、あっさりやめましたw
見てるとみんな「Excuses me」と言いながら、ティッシュを出して人前でちーんとかんでいます。日本と正反対ですね。
おわりに
とりあえず、国際恋愛で大切なのはお互いを知る努力と、相手を尊重する気持ちだと思います。
そのためには感情的になるのではなく、冷静に話し合う事。そして、自分の文化を相手に押し付けるのではなくて、主張しながらも相手との違いを受け入れて妥協点を見出していく事。何よりも違いを楽しむ事。
今まで数え切れないくらいパートナーとケンカをして来た結果、最近ではお互いが相手の事を熟知して来て滅多に地雷を踏まなくなったし、私が怒った時のパートナーの対処の仕方がとても上手くなったので必ずしも悪い事だとは思いません。でもここまで来るのは長かったですし、今ならもっと上手く対応出来たのになあ〜と反省もあります。
まあ、ネガティブな面をたくさん書いてみましたが、表裏一体ですから良い所もたくさんあるので、今度はそこら辺をまた記事に出来たら良いな〜と思ってます!