日本人同士でも合う合わないがあるのだから国籍は関係ない、という意見もありますが、国を背景とした文化や考え方の違いによる喧嘩も絶対にあると思うんです。
多くの人は意図して国際恋愛や国際結婚をしたわけではなく、たまたま好きになった人が違う国の人だったという感じではないかと思いますが、それは私も同じ。だから別に大きな憧れがあったわけでも、理想を持っていたわけでありません。
でも時々「ああ、日本人ならこの感覚が通じるのに」と思うことはあります。
ただ、色んなカップルの話を聞いていると、喧嘩や違和感はだいたい皆さん共通していることも多いみたいです。
そんなわけで、国際恋愛や結婚でアルアルなトラブル、信じられないと思ったことなどを書き出してみました!
違いを楽しむ気持ちが大切
最初に書いたように、そもそも日本人同士でも分かり合えなかったりするのですから、自分の生まれた国以外の人と暮らすというのはストレスがあって当然かもしれません。
11年目の現在はさすがに喧嘩はかなり減って来ましたが、未だに慣れない事・譲れないことはあります。ちょっとした感覚を共有することが難しかったり、笑いのツボが全然違ったり、時々寂しく思うこともなくはないです。
もしかしたら向こうもそう思っているかもしれませんが、お互い「好き」という気持ちは変わらないので、それで乗り切っている感じです。
それに、いちいち喧嘩するのも疲れますし、ぶつかっていくうちにやっとお互いの地雷を事前に察知し、怒らせた時の取り扱いが上手くなって来たと思います。これは国籍関係ないですね。
とりあえず、国際恋愛に限らず恋愛は相手に自分の理想を見出して期待する減点方式よりも、過剰に期待せず違いを楽しむくらいの気持ちで加点方式にした方が上手く行きやすいなというのは、周りの人たちを見ていても思います。
特に相手の生まれた国や文化が違う場合は、自分の想像の域を超えるようなことが次々と起こる可能性が高いので、何かが起きる前提でいた方が良いかもしれませんね。
その上で、自分の譲れない部分や不満などを、感情的にならず冷静に伝えて話し合い、お互いの妥協点を見付るのが理想です。

さて、本題に入る前に、ひとつだけ最近気になったことを書いておきます。
外国人=白人じゃないからね?念のため
ある一定数の日本人は「国際恋愛」とか「オーストラリア人パートナー」と聞くと白人を連想する人がいるようですが、そうじゃない場合もたくさんあります。
うちのパートナーは、いわゆる昔ながらの白人系オーストラリア人なので、白人入植時の歴史から調べている私にとっては色々参考にさせてもらってはいますが、4人に1人は外国生まれという現在のオーストラリアにおいて、オーストラリア人とは色んなバックグラウンドを持つ人たちがたくさんです。
アジア系や中東系など色んな人がいますので、そこら辺はお間違えなく。
「外国人の彼氏が欲しい〜」と言ってると思ったら白人彼氏という意味だったり、相手がアジア人や黒人と言ったらガッカリされたという失礼な話をたびたび聞くので、あまり気持ちの良い話ではありません。なんだか白人=かっこいいという固定概念がある人もいるようで、私にも「パートナーがオージーってことは、絶対にかっこ良いに決まってる!」と決め付けられて、困ったことがあります。
お友達や知り合いで国際恋愛をされている人がいれば、お気をつけ下さい。
では、いってみましょう!
言葉と文化の壁
当然立ちはだかる言葉や文化の壁。これは根本的なことなので、付き合いたて初期にはいちばんストレスが生まれやすいのではないでしょうか。特に英語があまり上手くない場合は、大問題です。
母国語のようにスラスラと言いたい言葉が出ないので上手く伝わらないフラストレーション、込み入った話が理解できない苛立ちと同時に、相手から面倒くさがられたりもすることもあります。
相手も日本語をしゃべれたり学ぼうとしてくれたりする人なら良いのでしょうが、「私は慣れない土地でこんなに頑張ってるのに、相手は自分の国でなんの苦労もしてなくてずるい!」と思う人もいるようです。(私は自分から相手の国に飛び込んだ形になるので、パートナーにわざわざ大変な思いをして日本語を学ばなくても良いと思っているタイプですが)
英語力だけの問題ではなく、育って来た環境や感覚の違いもあるので、オーストラリア人ならみんな知っているテレビ番組とか出来事などを知らずにパートナーの友達や家族の集まりの時の会話に入れなくて疎外感を感じることもあるでしょう。
オーストラリアの人はパーティにパートナー同伴で参加したがる人が多いので、お付き合いとか色々ありますから苦痛という日本人は結構いるみたいです。
オージージョークも、昔は何が面白いのかさっぱりでした。
「語学を学ぶ事はその国の文化を学ぶ事」なんて言われますが、みなさんオーストラリア人のジョークに笑えますか?感覚が違い過ぎて、英語の意味は分かるものの、何が面白いのか分からなくてポカーン…としてしまうなんて事も多いのではないでしょうか[…]
外国人の彼氏が出来れば英語が伸びるって本当⁉︎
たまに「オーストラリア人の彼氏がいると英語が伸びて良いなー‼︎」と羨ましがられることがあるのですが、私は異議を唱えます。
これは多分、本人の英語レベルがどのくらいかによるのではないでしょうか。
英語力がゼロに近い人は日常会話が出来るようになることで「伸びた!」と感じるかもしれませんが、もともとある程度会話が出来る人にとっては自分から能動的に勉強しない限り伸びないです。むしろ2人だけに分かる言語で通じるので、後退する人もいるくらいで。
長年一緒にいれば、相手がしゃべり始める前に何が言いたいのか分かってしまったり「アレ」で通じたりしますからね。
それで伸びるなら、私も今頃はネイティブにも劣らないペラッペラ!なはずです…が。
ちなみに、一般のネイティブスピーカーに英文法を聞いても、彼らは自然に英語を習得しているので、正しい答えを教えてくれるとは限りません。ホストファミリーに宿題を手伝ってもらったら間違えてましたし、パートナーに「will」と「going to」の違いを聞いても「同じ」と言い張り、私が説明すると「言われてみると確かにそうかも!」という感じでした。
考えてみれば、私たちだって日本語の説明をきちんと出来るか?と言われても、微妙ですよね。
なので英語の質問をするなら、英語を専門に教えているオージーか、頑張って第二言語の英語を習得したという人に聞く方が良いです。
ジェスチャーが通じない
これは単に知識の問題ですが、一応書いておきます。
海外で裏ピースをしては絶対にいけない!という話は有名ですよね。国が違うとジェスチャーの違いって意外とたくさんあります。
特に間違いやすいのは日本の「おいでおいで」と手をひらひらさせるジェスチャー。これ、オーストラリアでは「しっしっ、あっち行け」になってしまうので、相手に通じなくてたまにイラッとすることがありました (笑)
言わないと察してくれない
国際恋愛カップルの喧嘩の原因ナンバーワンと言っても良い相手が察してくれない問題。私もこれには最初とても苦労しましたよ。
「男女差の問題じゃない?」という話もありますが、それだけではなく、日本には空気を読むという言葉がある通り、日本人は相手の思っている事を先回りして察する習慣が身についているんです。
多くの日本人が無意識に当たり前のこととしてやっているので、私も最初は気付きませんでした。
つい相手も同じだろうと考えて「言わなくても分かるだろう」と思っていたのに、「何でそれくらいのことが分からないの⁉︎」とケンカが絶えない日々。
でもオーストラリアでは、男女や恋愛関係なく、オーストラリアでは自分のしてもらいたいことや意見をちゃんと口に出すことが大切です。
最初の頃は「ここまで言わないと分からないのか…」と愕然としたものですが、そもそも相手には察するという発想がないのかもしれません。
向こうは「言わないと分からないだろ、何で言わないんだ?」という感覚なので、無言の態度で察してもらうことは早々にあきらめるのがおすすめです。しっかりと口に出して意思表示するようになると、すんなりと物事が上手くいく場面が増えます。
慣れればこっちも変に相手に対して察する必要がないので、こっちの方が楽ですよ。
ギリギリまで計画を立てない
これ‼︎私たちのいちばん多かったケンカの原因は、パートナーが直前になるまで何も計画を立てないという問題です。
よく例えられるのが農耕民族か狩猟民族かっていう話ですが、日本人ってあらかじめ前もって計画を立てて、しっかりと準備しないと不安になる人が多いじゃないですか?ましてや他人が関わることなら、相手に迷惑をかけないように前もって予定を伝えますよね?
私は早目に予定が分からないとイライラしますし、旅行の準備も早め早めにしたいタイプ。なので、出発1週間前なのに飛行機も宿も手配しないパートナーが信じられません。
これはパートナーに限らず、学校のカリキュラムやツアーなどでもギリギリまで日程を出してくれなかったり、突然当日に変更して振り回されたりなんて、オーストラリアではよくあることです。あきらめの境地に入った方が楽かもしれません。
ただ、うちは数え切れないくらいケンカをした末、パートナーが「Eri は前もって知ってないとダメなんでしょ?」と理解してくれるようになりました。そうなると話が早く、私も自分から前もってパートナーに計画を立てるようにお願いしたりしてもすんなりいくようになっています。そうなったらしめたもの。
でも私自体がオーストラリアにだんだん慣れてきたのか、ほど気にならなくなって来ました。
味覚と食文化
味覚や食の違いは、本当に重要なしんどい問題です。
日本にいる時は「日本食よりも洋食が好き〜」なんて言っていた私ですが、海外生活が長くなるといちばん食べたいのはやっぱり日本食。
前に雑誌の特集で日本人と結婚した外国人の旦那さんのコメントがあり、「日本人妻は味付けがいつも同じ」というのに笑ってしまいましたが、確かに醤油と味醂があれば、大体満足するかもしれませんね。
なのにうちのパートナーは毎日お米は飽きるなんて言うし、煮物や豚汁などの素朴な味はダメで、揚げ物やチーズたっぷりなど味の濃いものが大好き。
私も歳をとってきてあっさりした日本食が食べたいのに、私が食べたい物はパートナーが食べたくなくて、パートナーが食べたい物は私が食べたくないという現象が頻繁に起きるので、ふたりの好みが交わる献立を考えるのが結構大変です。
ただ、インスタントの焼きそばなのに「おいしい」と褒めてくれたり、料理したくない時は買うなりウーバーするなりで全く問題ないので、その点は楽ですね。
長い時間をかけて作った茶碗蒸しは「Strange!(変なの)」と言う癖に、パパッと作った即席のものをは「天才‼︎」と大絶賛する傾向があるので、だんだん怠け者になってる気はします (笑)
外食もわりと制限があって、パートナーは自分で焼肉を焼くのはめんどくさい、ラーメンもすするのが嫌。回転寿司でにぎりのネタだけ食べてシャリを私にくれた時はさすがに怒りました。ああ、たまには2人で鍋をつつきたいと思うこともありますよ…。
ただ、アジア人が全くいないようなレストランに連れて行ってもらったり、昔ながらのオージーの食文化を知れたり、日本食に対するオーストラリア人の反応を事細かに知れるのは面白いですよね。ネタとしては助かっています。
日本食はオーストラリアでも人気があり、都市部に行くとたくさんの日本食レストランを見掛けます。…ですが、未だに「日本食と言えば Teppanyaki (鉄板焼き) だね!」と言われることも結構ありますし、田舎の方で「日本食を人生で一度[…]
細かい日本人と、おおらかなオージー?
何事においてもオーストラリア人は適当過ぎるし日本人は細か過ぎるというのが私の感想ですが、頷く人も多いのではないでしょうか。
時々オーストラリアに馴染みまくる日本人もいますし、逆も然り。でも私は何年住んでも日本人の感覚は抜けません。
私の場合、近くまでだからと裸足で外を歩いた後にそのまま家に上がったり、コンロを食器用のスポンジで磨いたりされることはすごく嫌。お皿用とグラス用のスポンジを分けるまで細かいことは望んでいませんが、食器スポンジとコンロを磨くスポンジは分けて欲しい…。
パートナーは普通のオージーは食器スポンジでコンロを磨くと言いますが、ここは絶対に譲れないので、この件に関してはパートナーが99%私に妥協してくれているのでありがたいです。
では次に、文化の違いからくる違和感を挙げていきます。パートナーシップは2人で作るものなので、私も自分の意見ばかり押し通すだけではなく、妥協しないといけない部分も多々ありますね。
食器の洗い方に違和感
オーストラリアの人たちがよくする食器の洗い方、私はあれにも抵抗を感じます。
シンクに食器洗剤を入れたお湯を張って、その中で食器をジャブジャブ洗ったら洗い流さず乾かしておく、それって絶対に食器に洗剤の成分が付いたままだと思うんですよね。
水不足のオーストラリアではこの洗い方が効率的ですし「乾いたら大丈夫」なんて言いますが、オーストラリアの人たちってオーガニックとか健康に気をつかうわりにはこれは気にしないんでしょうか?
なので我が家では禁止にしてますが、もちろんよその家に行った時は私もその家のルールに従いますよ。
とはいえ、文句言ってたら「じゃあEriが食器洗い担当ね!」とほぼ食器は洗わなくなってしまったので、微妙ですが。
靴を家の中で履く
靴を家の中で履くというのはオーストラリアでは当たり前なので、我が家では基本的にオッケーにしてます。
家の入り口には特に「玄関」らしい段差なんてありませんし、お客さんが家に来るとごく自然な感じで靴のまま上がってくる人も多いので、それをわざわざ注意しようとも思いません。アジア人の友達の場合は「ここって土禁?」って聞いてくれる人が圧倒的に多いので、出来ればという感じにしてます。
ただ、私は床に座ることも結構あるので、基本的にパートナーと私は土禁。とはいえ、パートナーもたまに普通に靴を履いてベッドルームまで行くことがあり、内心「何を踏んでいるか分からないのに」とは思っています。
私はソファーがあるのに床に座ってしまう癖があって、たまに笑われたものです。(だって、床の方が落ち着くんです)

昔お世話になったケアンズのホストファミリーは家の中では靴を脱いでいましたが、それは単に暑いからという理由でしたしね。
オーストラリアにワーキングホリデーに来て、最初の1ヶ月はケアンズで語学学校に通いながら、ホームステイをしました。初めての海外生活は色んなことが日本とは違っていて、毎日が発見の連続。そんな何もかもが新鮮な時期に、オーストラリア人ファミ[…]
ハンカチで鼻をかむ vs 鼻をすする
ハンカチで鼻をかむのを見た時は衝撃でした。
びっくりして「誰が洗うと思ってるの?やめて‼︎」と言ってやめてもらいましたが、パートナーは「ハンカチで鼻をかめないならハンカチの意味がないじゃん」だそう。
いや、ティッシュでかめよと思いったら、そういえばオーストラリアのポケットティッシュって、ティッシュというかナプキンみたいなのがやつなんですよね。
でも洗うのを想像すると寒気がするので、ハンカチでかんだ場合は自分で洗うというルールを決めたら、あっさりやめましたよw
古い文化らしく「今時そんな事する人いないよ?」とオージーの旦那さんがいる日本人女性に言われたこともあるのですが、わりと若い人でもいるようです。私もたまーに町で見掛けます。
とはいえ、人前で鼻をすするよりも鼻をかんだ方がマナーが‘良いなんて、日本人としてはちょっと納得がいきませんね。鼻をすするとパートナーにめちゃくちゃ怒られます。

みんな「Excuses me」と言いながら、ティッシュやハンカチを出して、人前でちーんとかんでいますよね。
おわりに
国際恋愛に限らず、良好な関係を保つにはお互いを知る努力と、相手を尊重する気持ちが大切ですよね。
感情的になるのではなく冷静に話し合う、自分の文化を相手に押し付けるのではなく主張しながらも相手との違いを受け入れて妥協点を見出していく、違いを楽しむ姿勢など、まあ、こう書いてしまうと当たり前と言われることばかりです。
長く関係を続ける間には色んな山がありますが、私たちは今まで数え切れないくらい喧嘩を重ねて来た結果、最近ではお互いが相手の事を熟知して来て滅多に地雷を踏まなくなり、私が怒った時のパートナーの対処の仕方がとても上手くなったのを感じます。
振り返ると「ああ、あの頃は若かった。今ならもっと上手く対応出来たのに」と思うこともたくさん。それだけ成長したということですね。
ヨボヨボになっても仲の良い夫婦、私はそんな風になれたらなと思います。
「オーストラリアに住むなんて、毎日キラキラ楽しそう!」とか「日本が窮屈に感じるから海外でのびのびと暮らしたい!」とか、そういう想いを胸に渡豪する人は多いかもしれません。でもよく考えてください、自分の生まれ育った日本の環境とはある意味[…]