物議を醸し出すオーストラリアにチップの習慣はあるのかどうか問題

オーストラリアにチップの習慣はあるか?という話になると、在郷歴が長い日本人の間でも「ある」という人と「ない」という人に分かれ、よくよく調べてみるとオーストラリア人の間でも賛否両論のようです。

とりあえず、オーストラリアのウエイター・ウエイトレスの給料はアメリカのように低くないのでチップは必須ではなく、料理やサービスが良かったら払っても良いという感じで言われています。

『地球の歩き方』には高級店なら最低でも10%〜15%チップを置くのが普通で、料理やサービスに不満があった場合は払う必要はないと書かれていて、実際にその通りだと思いますが、物議を醸し出すのが『一部の例外を除いて原則チップの習慣がない』という部分。

これ、違うんじゃない?と思う人が一定数存在します。というのも、実際オーストラリアの人はチップを置いていく人が多いからです。(と言っても、気持ち程度の小銭が多いイメージ。)

このチップ問題には、多くの観光客も混乱しているようですね。

 

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チップの習慣はある?ない?

カラフル

結論としては、チップをあげたければあげれば良いし、あげたくなければあげなくても良い。ただし、高級レストランなら10%くらいは置くのがマナーだし、カジュアルでもちょっとした小銭を置いてあげると喜ばれる、という感じですかね。

今回、チップに関して改めて考えるきっかけとなったのは、あるツイートからでした。

 

『オーストラリアは本来チップを払わない文化なのに、シドニーのダーリングハーバーで会計済ましてテーブルに戻ってたら、スタッフが “チップ払わないなんてサイテー” と言っているのが聞こえて悲しかった。』

 

これ、「そんな接客をするお店なんてサイテーですね!」とコメントするのが正解だったのかもしれませんが、それよりも私はチップ文化はないという所に引っかかったので、つい「そういう風に思っているスタッフは他にもいると思うので、良いサービスを受けたら気持ち程度のお金で良いので、チップを払ってあげてください。」と書いてしまいました。

なぜそうコメントしたかというと、そういう事もあるだろうなと思ったからです。

私もウエイトレスを長くしていた経験からオーストラリアの人は食事をした後チップを置いていく人が多いのを知ってましたし、少なくとも私の知る限り飲食業界で日本人がチップを払わない事は有名です。でも、それはおそらくチップを払う発想自体がない日本人が多いからだと思うんです。

だから、オージーがチップを置いていくようなレストランだったらひんしゅくを買う事はあるだろうなあ、と。(でも、払わないお客さんもたくさんいると推測しますが。)

もちろん、お客さんに聞こえるようにそんなことを言うのはプロとしてどうかと思いますが、あれ程チップを置いていくオーストラリア人が多いと、そう思う人が出てくるのは仕方ないのかなあ、と。

チップの話題は炎上しやすい

まあ、チップの話題は絶対に反対意見が出てくるのは知ってました。

8年くらい前に日本食レストラン (ジャパレス) で働いている人が書いた「日本人観光客は口うるさくて長居するわりにはチップもくれないのでお客さんとして来て欲しくない。」というブログが大炎上起こしてましたからね。

そして、コメントをしてるほとんどの人がチップ文化なんてない!日本人の癖に日本人をそんな風にいうなんてサイテーだ!と攻撃していました。

でも、私のように「いやいやいやいや…」と思いながら黙ってその炎上を見てた同業者も多かったはず。この人、正直に全部書き過ぎたんですよね。

これは業界裏話ですが、ぶっちゃけ日本人よりもオージーをターゲットにした方が利益が上がりやすいというのはよく聞く話です。

オージーは料理を待たされても「No worries!」と気にしないおおらかな人が多いし、ワインをボトルで開けたりチップ弾んだりするので、細かくて長居してチップを払わない傾向が強い日本人が際立つだけだと思います。これ、別にディスってないし事実なので私に怒らないでくださいね。

だから、そういう事を踏まえて私は、せめてたまにはチップ置くという発想を持っていた方が良いのでは?と思ってるだけで、別にしなければいけないとは思っていません。

ふたつに分かれる意見

とりあえず私の発信力程度では炎上はしないものの、ツイートしてからは色々RT来るし、フォロワーさんからフォロー外されるし、エアリプが来るしでタイムラインが1日騒がしかったです。(意味が分からない人、ごめんなさい。)

でも、直接私に反対意見をぶつけられるというよりは勝手につぶやいていた人が多かった感じで、逆に普通にコメントで教えてくれる人が多かったので、とても参考になりました。

ツイッターって便利ですね。ちょっと疑問や意見をつぶやくとオーストラリアの各地からコメントが来ます。

案の定「初めて聞いた」「私はしない」「する必要はない」「したくない」という意見と「普通にある」「した方が良い」「マナーである」「ガイドブックは信じない方が良い」など、意見が分かれました。

予想通り「チップ文化はある」という人たちは、シドニーやメルボルンで実際の飲食経験がある人が多い印象で、「え、そうなの?」という反応もあり「え?違うの?」と思ったりする事も。

以下、今回ツイッターで分かった事です。みなさん、ありがとうございました。

  • チップの習慣はないと思っている日本人は多い
  • チップの習慣はあると言っているのは飲食関係者が多い
  • パートナーがオージーの人もチップを置いている人多め
  • 払いたくないオージーもいるらしい
  • チップを払うという認識自体を持ってないオージーもいる
  • シドニーとメルボルンではほとんどのオージーがチップを置いていくという証言が多数
  • チップというとアメリカのように大金を払わないといけないと思っている人もいる
  • パースでオージー多めの飲食を掛け持ちしている人によると、チップを置くオージーは10人に1人くらい
  • パースでチップを置いていくのは東から来た人が多い
  • ブリスベンはチップはあまり浸透してないのかも?
  • 日本人はチップを払わないのは有名という認識はやっぱり私だけではなかった
  • チップを認めたくない人も多数いるみたい
  • 興味深いのは、パースではあまりチップを払う文化がないという事。ブリスベンも、もしかしたら南側ほどチップを置く人が少ないのかも?という気もしますが、定かではありません。(そっち側の飲食経験者の意見が十分にもらえなかったので。)

    でも、チップをあげないオージーもいるという話なので、地域差や個人差はあるんでしょう。

    そして、なぜ飲食店経験者に「チップの習慣がある」という人が多いのかと言うと、それは単純に日常的にそういう習慣を見てるからでしょう。

    私もカジュアルな日系の居酒屋スタイルのレストランに5年いましたが、やっぱりオーストラリア人はチップをくれますし、うちのパートナーやその家族も普通にチップを置きますから、あると思うのが自然です。(もちろんいつもではないですし、お店の形態にもよります。)

    でも、たまにチップをくれる日本人に会うと「この人オーストラリアに慣れてるなあ。」という印象を持つくらいですから、日本人にはチップの習慣はそんなに浸透してないんでしょうね。

    あと、20年前からずっと10%〜15%のチップを払っているという方もいらっしゃいましたが、正直、私の感覚ではカジュアルで10%は多いかなあ…という感じなので、本当に気持ち程度の小銭が多いです。

    誰かが書いてましたが、$73.90 だったら $75 くらいか、すごく良かったら$80 くらいで十分だと。私もそんな感覚です。「お釣りは良いよ」と言ってそれをチップとする事も。それくらいの気持ちなら別にプレッシャーにもならないのではないでしょうか?

    ※ 後で知ったのですが、チップを払う習慣は2000年のシドニーオリンピックを機にアメリカ人観光客から始まって定着し始めたのだとか。

    なぜチップをあげるのか?

    と言っても、店員さんはチップを期待して働いている訳ではもちろんないと思います。高級店ではない限り金額もスズメの涙ほどで大した事はないでしょうし、なくても普通は何とも思いません。本当の高級店はチップが給料を上回る事もあるらしいですけどね。

    ただ、相手も人間ですから、少額でもやっぱりもらうと嬉しいわけです。

    特にこちらは日本のようにお客さん優位ではなく神様でもないので、お客さん側もお店の人をひとりの人として見て「ありがとう、ご苦労さま」という意味でチップを置いたりするんだと思います。

    スタッフはお客さんに平等に接しないとけないというのも分かりますが、良い接客を受けようと思ったらお客さん側も良い態度を心掛けないと、という雰囲気はあります。というか、接客の当たり外れがわりと激しい気がするので、良いスタッフに当たると普通に嬉しいかも。

    だから、個人的にはオーストラリアのウエイター・ウエイトレスは違法飲食店でなければ基本給も高いし、外食の値段自体が高いのになぜ更にあげる必要があるの?という話とはまた別なのかな、とは思ってます。

    よっぽどサービスが良かった時だけとか、ありがとうと思った時だけという人もいましたが、それで良いと思います。

    じゃあ、どうして私はチップを置くのかなと考えたら、ただお互い気持ちよく利用したいからでした。基本的に私、いつもだいたいお店の人にありがとうと思ってるんですよ。なので、普通にやっちゃうんだろうなあと。なんか、良い子ちゃん発言みたいですみません(笑)

    でも、お釣り取っておいて、というレベルだったり、小銭程度ですよ? いつも必ずではないですし。

    たまに私がチップをあげると予想外みたいな顔をされる事もありますが、その後だいたい笑顔で「Thank you!」と言われて、それが気持ち良いからというのはあるかもしれないです。

    だから、私はチップを渡すのはある程度はマナーであげるのが当たり前という認識でいたのですが、ツイッターを見ていたらマナーというのは言い過ぎなのかな?とも思いました。別に払わなくてもアメリカのように追いかけては来ませんしね(笑)

    ただ、店員さんは1日に何十人もの人を相手にしている訳で、オージーがチップを置いていくのに慣れていると、やっぱり無意識にでも比べられるのは仕方ないでしょうね。

    ちなみに、私が裕福層だからチップを置く余裕があるのではないか?と思う人がいるかもしれませんが、全然です。つい1年前までパートナーと私が一生懸命に働いてカツカツでしたから。

    おわりに

    まあ、常識というのは多数決ですし地域や層によっても変わってくるので、ない人の中ではないし、ある人の中ではあるんでしょう。

    こういう曖昧でややこしいところも、オーストラリアらしいといえばオーストラリアらしいと言えるかもしれません。