大人気だったマスターシェフの『ズンボ・パティスリー』はなぜ閉店したのか?

今でも時々 “ズンボ 現在” という検索ワードでこのブログに辿り着く人がいます。

という事は、まだ「あれ?ズンボってどこ行っちゃったの?」と思っている人が多いんでしょうね。

そう、あの一世を風靡したマスターシェフのアドリアーノ・ズンボ氏のお店『ズンボ・パティスリー (Zumbo Patisserie)』は2018年頃、姿を消してしまいました。

ズンボ氏は今でもパテシエ活動はしてるようなのですが、とにかくあの人気だったお店はもうないんです。

一体何があったのか?

知りたい人がいるようなので、オーストラリアのニュース記事を頼りに書いていきたいと思います。

人気店でもお店の維持は難しかったらしい

Zumboバルメインにあった本店

早い話が経営不振だったそうです。

「え⁉︎ あんなに流行っていたのに?」とびっくりする人も多いのではないでしょうか?

『ズンボ・パティスリー』は、2007年にシドニーのバルメインに小さなお店をオープンしてから、2017年までにシドニーに4店舗、メルボルンにも4店舗まで拡大していた人気店でした。

にも関わらず経営が行き詰まってしまった原因は、もともと競争が激しい業界なので色々あるようですが、いちばんの痛手となったのはメルボルンのサウスヤラに作った高級ハイティーのお店『Fancy Nance』だっだそうです。

他の店舗ではマカロン$3、クロワッサン$4、ケーキ$8で販売していたのに対して、『Fancy Nance』では$45〜$65のデザートコースが提供されていました。

しかし、いかに甘いものが好きなオーストラリアの人々からも「甘いものばかりを食べ続けるコースはきつい」との声が上がっていたようです。

Eri
あ…私も大好きなチョコレート専門店で “チョコレート尽くしのセット” を食べて気持ち悪くなった事があるので分かります。

土地代や人件費が高いシドニーで、次々と入れ替わっていくお店を常に見て来ているので「維持するのは大変なんだろうな」というのは容易に想像出来るものの、あれだけネームバリューがあってもビジネスが成功するとは限らないんですね。

手を広げなきゃ良かったのに…なんて今更思っても仕方ないですが、残念に思っている人は多いはず。

ただ、2016年から Netflix で配信が始まった『Zumbo’s Just Desserts』は2020年に入っても人気で、日本でも日本語吹き替え版が観れたようです。(私、Netflix 使ってないので今は分かりませんが)

日本の人たちの観た感想も上々のようですよ。

では、そんな『ズンボ・パティスリー』のお店を懐かしみながら、ちょっと振り返ってみましょう。

『ズンボパティスリー』はどんなお店だったのか

Zumbo2018年10月はまだオープンしてました

私もギリギリこのブログで紹介した事があったのですが、いちばん多くの人が行っていたのはシドニーの QVB店ではないでしょうか。

私は特にこのグルテンフリーのケーキが気に入っていて、値段も手頃でおいしかったですし、冷蔵庫に入れる必要がないという事で野外での誕生日会などでも重宝してたんです。

Zumbo

もちろんズンボといえばマカロンが有名ですが、他にも思わず見とれてしまうようなきれいで派手なケーキや面白い季節イベントものなど色々あって、見た目も楽しませてくれました。

それに QVB の記念日には金ピカのマカロンが売られていたらしいですよ。

Zumbo2012年、スターカジノにあったズンボの様子

スターカジノにあったくるくる回転寿司のようにデザートが回るという発想は面白いなと思いましたし、2014年〜2015年に発売されていたティムタムとのコラボも楽しかったんですけどね。

それに新しくサーキュラキーに出来たレストランやカフェが多く入っている Gateway Sydney のビルの中にも新店舗が出来ていたのに、そのあとすぐ消えてしまうなんて、誰が思ったでしょうか。

Zumbo箱もかわいかったんですよ

マスターシェフのアドリアーノ・ズンボ

せっかくなので、このお店のオーナーだったマスターシェフのアドリアーノ・ズンボ (Adriano Zumbo) についても書いておきましょう。

彼は幼い頃から地元 IGA スーパマーケットを所有するイタリア系移民である両親からビジネスセンスを学び、イタリア仕込みのコーヒーやスイーツなどの味を覚えて育ったそうです。

そして彼の名前が有名になり、ビジネスがどんどん軌道に乗り大きくなったのは、言うまでもなく『マスターシェフ (Masterchef)』という番組の出演者がきっかけでした。

2009年にテレビに登場した彼は、クロカンブッシュ (Croquembouche) というシュークリームタワーチャレンジから始まり、頻繁に番組に出演。

2010年に彼のラズベリー・ビートルートとブラックオリーブのマカロンで作った “Tower of terror” チャレンジが放送された後、バルメイン店のマカロンは3日でいつもの4倍である5000個が売れたそうです。他には “V8 vanilla cake” なども有名です。

本も何冊か出していて、最初の本は2011年の『Adriano Zumbo’s fantastical kitchen of other-worldly delights』でした。

日本のアマゾンを見たら、すごい値段で売っててびっくりです。

DVDも出していて、YouTube チャンネルも残っています。更新は止まってますけどね。

今後のお店が再開するメドは立っていないようですが、当時のウェブサイトは一応まだ残っているので、もしかしたらまたいつか動くのかも???なんて期待してしまったり。

現在『gelatissimo』とコラボ中⁉︎

なんと、gelatissimo でコラボしているという情報をもらいました。

11月27日(金)から期間限定で3種類発売したみたいですね。おいしそう。

Adriano Zumbo with our Aussie Classics with a Twist

  • Chocolate Wagon with Davidson Plum
  • Iced Man-GoGo
  • Salted Caramel Lamington

 

おわりに

本当は閉店したと気付いた2018年に情報を書こうと思っていたのですが、当時はまだ有料情報しか出てなくて遅くなってしまいました。

とりあえずアンサーになったでしょうか?

ズンボは今でも人気のマスターシェフである事は変わりないですし、Instagramで見るカラフルでユニークなスイーツの数々は見ているだけで楽しくなってしまいます。

またいつか派手でかわいいズンボのマカロンを手に取ってみたいものです。

 

(参考: The fall of Adriano Zumbo’s dessert empire – Financial Review / Fancy Nance: Adriano Zumbo’s high tea on steroids – review | Dessert | The Guardian / Web results Who is Adriano Zumbo, the Man Behind Netflix’s ‘Zumbo’s Just Desserts’? | Decider)

 ]]>

NO IMAGE

Acknowledgement to Country

This website would like to acknowledge Gadigal peoples of the Eora nations, Aboriginal and Torres Strait Islander people, the traditional custodians of this land and pay our respects to Elders both past and present.このウェブサイトは伝統的な土地の所有者であるエオラ、ガディガルの人々を含むアボリジナルおよびトレス海峡諸島の人々、そして過去と現在の長老に敬意を表します。