2020年、西オーストラリア州の有名ビールメーカー『ゲージローズ (Gage Roads)』 がシドニーのレッドファーンに『アトミック (Atomic)』をオープンしました。
建物は大通りに面した目立つ外観で、シドニーでよくある工業地帯のブリュワリーと比べると、わりと入りやすいのではないかと思います。
提供される料理はアジアンテイストで、スタッフさんたちもフレンドリーです。
レッドファーン駅はセントラル駅から電車でわずか2分ほど、そこから徒歩7分ほどの場所にあるので郊外と言ってもそんなに遠くはありません。
こんなビールです
レッドファーンにあるブリュワリー
もともと昔の古い倉庫だったというアトミックの建物の壁には、インパクトのある大きな絵が描かれています。
ネットで検索すると、まだ絵が描かれてない黒っぽい建物がたくさん出てくるので、これらはおそらく描かれてからそんなに経ってないのではないでしょうか。
最初来た2022年8月19日には、外の壁の一部はまだ絵を描いている最中でしたが、2週間後くらいに訪れるとポップな感じで仕上がっていました。
これからまたちょっと外観が変わるかもしれませんね?
では、中に入ってみましょう!
こんな感じの店内です。
中は意外と広いと思いました。いえ、広く感じるのはケグ (keg) というアルミニウムで出来た小さなビールタンクにビールを詰める工程を省いて、大きなタンクから直接グラスにビールを注ぐ仕組みになってるからでしょうか。狭いスペースを有効活用するためにそうしているそうです。
剥き出しになっている銀色の大きなタンクの効果か、店内は近未来的というか宇宙的というか、面白い味を出しています。
こんなステージも
低い階段を上がると、キッチンもあります。こういう感じなら女性ひとりでも来れそうじゃないですか?
ビール
さて、ではビールを注文しましょう‼︎
ブリュワリーのビールと言えば、やっぱり数種類のビールを少しずつ試せるテイスティングパドル。
6種類で$20なのですが、① XPA、② Hazy、③ Pale Ale の3種類はもう決まっていて、あとの3種類をメニューから選ぶとのこと。
ということで、いつものように2人で被らないように注文して、お互い頼んだものを味見。ざっくり感想も載せておきます。
- XPA 4.2%
さっぱりすっきりしていて飲みやすかったです。 - Hazy 4.5%
わりと苦味もあります。 - Pale Ale 4.7%
コクがある感じ。 - Lager 4.2%
味が濃くて、これぞラガー。 - Mando Sour 4.2%
マンダリンのビールだそうで、柑橘系の良い香りと飲みやすい酸っぱさ。 - Natty Sour 6.66%
サワーにしては落ち着いた味で、芳醇な香りでした。 - Brown Ale 5.5%
スタウトを薄くしたような苦味がありました。 - Oatmeal Stout 6.2%
オートミールを使った Breakie Beer だそうですが、普通のスタウト? - Amber Ale 5.8%
苦味のあるビール。
そして、単品で頼んだレモンホイップ (Lemon Whip) というビール!
これ、2022年クラフトビールとサイダーの祭典GABS で賞を取ったレモンメレンゲビールで、上にクリームが載っててとてもおいしかったんです。
※ 現在は提供を終了しています。
実は、最初に友人と現地集合で待ち合わせした時に私が遅れてしまったので、友人が先にこれを頼んで飲んで待っていたんです。が、バーナーが壊れたとかで焦がしなしのクリームだったそう。
だから、ここに2度来たのはこのビールを飲むためのリベンジでした (笑)
ね、これはテンションが上がりませんか?
一緒につけてくれた使い捨ての木のスプーンでクリームをすくって食べると、焦げが香ばしくてとてもおいしいんです。で、だんだんパフェを食べてるような感覚になって来て、ビールに到達すると「あ、そうだこれはビールだった!」と思い出させられる感じ。
ただ、1度目はビールだけ飲んだので「なんて甘くておいしいビールなんだろう!」とびっくりしましたが、甘々なクリームの後に飲むと酸味が強調されるので、一度ビールだけで飲んでなかったらビールも甘いとは気付かなかったかもしれません。(ショートケーキのイチゴみたいな感じですね)
写真を撮ったり色々していたら、クリームがグラスまで落ちて来て手がベタベタになっちゃいましたが (笑)
ちなみにツイッターで写真をシェアしたら、ビールとクリームの組み合わせの意外さと見た目のかわいさのせいか反応もかなり良くて、フォロワーさんのひとりがこの次の週に行ったそうなのです。
でもなんと、クリームを乗せたビールは終了していて缶しか売っていなかったとのこと。
…こういうこともあるので、ちゃんと確認してツイッターで紹介すれば良かったと反省。でも、きっとまた近いうちに面白くておいしいビールを作ってくれるのではないでしょうか。
とりあえず、缶は売ってるようなので (2022年9月)、飲みたい人はそちらを購入してみてください。
カクテルやワインも置いていて、Konpira Maru って日本語⁉︎ と思いきや、調べてみたらクイーンズランド州とビクトリア州にワイナリーを持つオーストラリアの会社で日本は関係ないようです。
メニュー上2つがナチュラルワインとのことで、私はいちばん上のスパークリングワインを頼みました。
食事
アトミックのシェフは日本のレストランで働いた経験もあるそうで、料理は基本的にアジアです。
テーブルについている QR コードからもオーダ出来ますが、コリアンダー (パクチー) がたっぷり入っている料理が多かったので、苦手な人は抜いてもらうように直接スタッフに頼んだ方が良いかもしれません。
頼んだのは Poke Bowl $18、Atomic Wings $16、Edamame $8。どれもおいしかったですよ。枝豆はガーリックとトリュフオイルがかかっていて、手がベタベタになりますが。
2度目は Edamame と Flash Fried Squid $18を。イカは柔らかくておいしかったです。
取り皿やフォーク、割り箸などはセルフで取りに行くようになっています。
グッズ
Tシャツや帽子などグッズも売っていて、オリジナルのホットソースなんかもあります。
おわりに
よく一緒にブリュワリー巡りをしている友人が、この周辺を車で通りかかった際に偶然見付けたブリュワリーでしたが、大当たりでした。
いずれ近くにウォータールー駅が出来るそうなので、そうなったらもっと知名度が上がって人気になるかもしれませんね。
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