「英語の習得は手段であって目的ではない」とよく言われますが、そもそも英語習得だけを目標にしてしまうとどこまで行っても終わりがなく、だんだん飽きてしまいます。
特に英語勉強初心者の時に「英語ってつまんない」というイメージを持ってしまうと後々まで苦手意識を持ってしまって損です。なので、好きな洋楽を聴いたり、興味のある分野の英語の本を読んだりと、気楽なところから始めても良いと思うんです。
かくいう私も英語の勉強が楽しくて仕方ない時期はとうの昔に過ぎ、最近はもう「こんなものでいいや」なんてだらけてます。人は明確な目標がなかったり必要に迫られる状況にならないとなかなか動けないものなので、まあ、そういう場合は趣味を通して英語を楽しめば良いのではないではないかと思ってます。
ただ、どんな本を選ぶかも大切で、あまり難し過ぎると「やっぱり英語は難しい」となって逆効果だと思うんですよね。
という事で、私の独断と偏見でこの間実際にシドニーの紀伊國屋と Dymocks という本屋さんを見て回ったので、初心者さんや中級レベルの人でも楽しめそうな本を私の手待ちの本も交えて紹介してみます!(単に本を紹介したいだけかもしれません 笑)
大人が読む本は…?
いつか読もうと思って本棚にある本たちの一部…
いきなりですが、私にはいつか読もうと思ってずっと読んでいないままの本が、日本語・英語に限らずたくさんあります…。
特に今はネットにも情報が溢れているので誘惑がいっぱいあって、なかなか英語の本を読むところに行きつかないんですよね💦
完読するコツ
ちなみに、私が色んな語学学校の先生に言われた英語の本を挫折せずに読むコツは、最初は分からない単語をいちいち調べずに「多分こういう意味だろうなあ」と当てながら読み進めていくという事です。そして、何度か読み返してみて、どうしても気になる単語だけ調べる、これでその単語は脳に定着します。いちいち調べていたらキリがなくて全然進まないですし、どうせ何度も忘れて何度も同じ単語を調べてしまいますからね。
オーディオブックもおすすめ
読むのが大変なら、オーディオブックを流しながら本を読むのもおすすめです。正しい発音でスラスラと物語が進んでいきます。
自身の子供の頃の辛い体験を小説にした『チャイニーズ・シンデレラ (Chinese Cinderella)』は長編でしたが、良かったですよ。
ただ、読み応えがたっぷりあるので、最初はハードルが高過ぎると思うのです。
昔、いきなり当時流行っていた『ダビンチコード』を読もうと奮闘していた知人がいたのですが、日本語で読んでも難しい本ですし、自分の英語レベルがあっていないと読むのが苦痛になり挫折します。
対訳付きの日英両方書かれている本は?
英語と日本語の両方書かれている本もありますよね。時々CDも付いていたりして便利です。
…が、いくら日本の事とは言え、あまり興味がない分野だとやっぱり離脱しますし、英語と日本語を読むので原文の2倍読むという事になり大変です。それに、個人的には英語と日本語をいちいち訳して勉強するのはおすすめしません。
とは言え、滞在先の事を知るのも大切ですが、日本の事を英語で説明できるようになるのはもっと大事だと思うので、こういう本も大いに利用すれば良いと思ってます。
でも、私のように「日本語の本でも読み終わっていない本があるのに、その倍時間がかかる英語の本を完読できるのだろうか…?」と思っているなら、もう少しハードルを下げて子供向けの絵本を読んでみるのも良いかもしれませんよ。
絵本
「え?子供の本?」と思うかもしれませんが、初心者だとその子供の本でさえ知らない単語がゴロゴロ出て来ますし、絵が多いので右脳と左脳両方を使って英単語を覚えるので効率が良いんです。何よりもきれいな絵は癒されますしね。
個人的にイギリスの『Mr. Men』『Little Miss』シリーズがかわいくてオチも面白いので好きです。小さな冊子は$5以下で購入できますし、キャラクターにはそのキャラクターの特徴を表す名前が付けられているので勉強になります。
このシリーズをオーストラリアで買うなら Kmart が安いという情報もありました。あと、なぜかよく郵便局に売っているのも見掛けます。
小さい頃に読んだ絵本なんて親しみやすくて良いかもしれません。
日本アニメの本なんていうのもありですね!
昔懐かしい絵本
私は日本で『スイミー』を描いたレオ・レオーニのシリーズを集めていた事があるのですが、小さい頃に読んでた絵本は特別親しみがわきます。
他にも本屋さんに行ったら「あ、懐かしい‼︎」と思う絵本がたくさんあるはず。
オーストラリアの絵本から学ぶ
オーストラリア独自の動物や文化、言葉などが出てくる絵本もたくさんあるので、そこからオーストラリアを学んでみるのも良いかもしれません。
例えば『ポッサムマジック(Possum Magic)』はオーストラリアのベストセラー絵本のひとつです。
ちなみに私は子供がいないので、家にある絵本は一冊だけでした。
これ、西洋人が入植し始めたごく初期のオーストラリアが舞台で、ニューサウスウェルズ州初代総督アーサー・フィリップと原住民ベネロングの物語です。下手に歴史書買うよりもとりあえずこっちで…と数年前に買ったもの。
ね?絵本でもバカにならないと思いませんか?
でも、それでは物足りなさを感じるという人は、児童文学なんてどうでしょう?
児童文学
児童文学と言っても侮る事なかれ (笑) 挿絵はあるものの、ぐっと長文になり文字が中心になって来ます。
オーストラリアンクラシックと子供向けに書かれた歴史の本
とはいえ、子供〜ティーン向けなので内容はそんなに難解ではいので楽しみやすいと思います。
フィンランドの作家さんが書いた私の好きなムーミンの原作小説、日本では文庫本サイズでしたがこっちではしっかりした本でした。
世界中で読み継がれる児童文学の定番
探せばおとぎ話やアニメに出てきたような、いかにも外国 (笑) っぽい雰囲気のきれいで立派な本もあって、見ているだけでワクワクしてしまいます。
漫画
ベルギー漫画『タンタンの冒険 (Les Aventures de Tintin)』
あと、漫画なんかどうですか?
絵本のコーナーに子供向けの漫画も置いてあったりするのでそれを読むのも楽しそうですし、それがちょっと子供っぽ過ぎると思うなら、シンプソンズやバッドマンなどもあります。
私は昔、シンプソンズが好きで集めてました
あと日本の漫画の英語版も良いと思いますよ〜!
日本の漫画を英語で読む
ワンピースやらベルサイユのばらやら
シドニーの紀伊國屋には日本の漫画の英語版がたくさん売られています。ちょっと高いですが、馴染みのある漫画を英語で読むのはなかなか面白い体験ですよ。「へー、これってこういう表現になるんだなあ…」なんて思ったりしてね。
詩集
ちょっと欲しくなった本
詩集…。詩は文章自体は短く完結するものの、時代背景の知識やスラングなども理解して想像力が豊かでないと難解かもしれません。ただ、きれいな絵付きの詩集ならイメージを膨らませてその時代に思いを馳せやすいかなあ…と思いました。
『ワルチングマチルダ 』を書いた Banjo Paterson や Henry Lawson などのオーストラリアで有名な古い詩は、パブリックドメインとしてネット上にも載っているものが多いので、まずそちらを読んでみるのも良いかと思います。
他の詩人の情報は『オーストラリアの歴史が生んだスワッグマンに関する話』にも書いてます。
あと、こちらは今年の誕生日にパートナーのお母さんからいただいた、ニュートンやシェイクスピアなど歴史的偉人の有名な名言集。セリフが1ページづつ載っているだけなので取っつきやすいです。(なぜタイトルが “俳句” なのかは疑問ですがw)
日本で親しみがある名前やセリフも、英語で聞くと全然分からないというのも結構ありますからね〜。
趣味・専門書
料理本など、その本を見ながら何かをする事が目的である実用的な本も良いですよね。
園芸とか工作とか何でも良いのですが、自分が楽しめるもの。英語の折り紙の本もたくさん出ているので、オーストラリアの子供に教える時にも役に立ちそうです。
ペットの本。
アート系の本は絵ばっかり見て字を読まないというウワサも…(笑)
スポーツなんかも良いかもしれませんね。
私は昔の名残りで解剖学やセラピー、ヒーリング系の本もいっぱい持ってます。こういう専門書は専門用語も多いですが、日本でもこういう職種に携わっていた人は興味深いのではないでしょうか。
あと、トリビアクイズとか、無限に種類がありそう。
ちなみに、個人的には料理本ならスーパーマーケットに置いてある無料冊子のレシピも使えると思います。全部カラーだったりしますし、結構クオリティ高いですよ。
旅行
それから旅行の本!私、ガイドブックはずーっと『地球の歩き方』を愛用していて、写真は多いしきれいにまとまっているので大好きなのですが、英語の英語のガイドブックは字がぎっしり詰まっていて情報量が全然違うので最近は両方使っています。
しかも、色んな種類があるんですよねー!
オーストラリアで売られている日本のガイドブックがたまたまうちにあったので見ていたのですが、それはそれで面白かったです。
英語学習本
最後に、英語の勉強本もこっそり紹介してみたりして…(笑)
文法の勉強ならやっぱり『Grammar in Use』が良いと思います。値は少し張りますが、オーストラリアの語学学校でも時々これをそのままコピーして授業で使っているくらいですからね。日本語版もあるようですが、絶対に英語は英語で勉強した方が良いです。
赤本が初級、青本が中級、緑本が上級で、よく中級レベルなら青本からするのがおすすめというのを聞きますが、私個人的には中級でも赤本から始めた方がもっと良いかなあ〜と思ってます。例えば “the” と “a” の違いとか、“s” がつく国とつかない国とか、ものすごく基本的な事から丁寧に分かりやすく書かれているので。
おわりに
ここまで書いてきたものの実は私、本自体は別にたくさん読むというほどでもなく気が向いたらという感じです。それに、もうだいぶ前から電子書籍に移行してしまいました。
でも、やっぱり実体のある紙の本は、見ているだけでも何となくワクワクしますね。たまには良いものです。