④ 3月下旬 日本との温度差を考えた新型コロナウイルス日記

3月に起こった出来事を時系列で記録しようと思って始めた『新型コロナウイルス日記』ですが、書き残しておきたい事がたくさんで、とても1記事では終わりませんでした。

そりゃ、実際の出来事と周りの動きと私自身の個人的な話を全部詰め込もうとしてるので、仕方ないかもしれませんね。毎日毎日本当に濃くて、数日前の事が大昔の話のようです。

とりあえず、この記事で3月の記録は終わりですが、ちょっとまた長くなりました。

③ 3月下旬 ワーホリも大変だなと思った新型コロナウイルス日記

 

[adchord]

3月25日 (水) 日本も感染が広がる

世界中に拡大してしまった新型コロナウイルスですが、欧米では1日に数千単位で感染者が増えているのに対して、日本は最も早く感染が広がった国なのにも関わらず数十人程度。増えるペースが遅いのはなぜなのか、首を傾げる人はたくさんいました。

日本を肯定する人は “日本人はキレイ好きだから” “ルールを守って予防をちゃんとするから” “オタク文化が根付いていて外に出ないから” だから感染が広がらないんだ、などの説を展開していたのですが、反面 “日本政府はオリンピックを開催したいので感染者数を誤魔化しているのではないか?“ という説を支持する人も多くいました。

https://www.news24.jp/

そして、まるでそれを裏付けるようなタイミングで、24日に東京オリンピックの延期が決まってから急に感染者が増加。25日には東京都内の感染者は過去最多の41人に登ったので、ますます感染者隠蔽説が濃厚になって来たのでした。(…が、単に検査をしてなかったので見つけられなかっただけという話も。)

同時に日本でお花見に大勢人が集まっている写真や、「感染した時はした時」と遊び歩く若者たちの映像がインターネット上に出回り、海外在住者の多くが「ひいいい〜、この世界が大変な時にいいい〜⁉︎ 日本やばい、危機感なさすぎ‼︎」となってました。特に海外では新型コロナウイルスの脅威を身近に感じている段階だったので、日本との温度差は違和感でしかなかったと思います。

でも同時に、日本で絶大な人気を誇る志村けんさんが感染した事で、気が引き締まった人も多かったはずです。

私も自分の身の回りで色んな事が起こり過ぎて、コロコロ変化していくオーストラリアの状況についていくのが精一杯でしたが、ここでハッと日本に意識が向きました。

3月26日 (木) 海外勢ヤキモキ

オーストラリアはついにクイーンズランド州の入州も制限。州境の道路は閉鎖され、主要道路では警察による車両検問が行われるとの事。入州した人は14日間の自主隔離を義務付けられ、病状の有無に関わらず違反した場合は最大13,345ドルの罰則が科される可能性もある…と。

他州では、自主隔離が必要な人がちゃんと家にいるか、警察による抜き打ち自宅訪問が始まっていました。

この日、東京の感染者数は新たに過去最多の47人が確認され、小池小百合知事が外出自粛を市民に呼びかけています。…が、実際のところ週末だけ自粛しても、平日に満員電車出仕事に行ったら意味ないのでは?という話ですよね。

あと、日本政府が新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策として「和牛券」を発行するという案が検討されているという話も「は?何なの?それでどうやって生活しろと?」という雰囲気が半端なく、かなり話題になりましたよね。

海外から見る日本は

海外にいる日本人 (オーストラリアやアメリカやイタリアなど色々) から見ると、日本は何でそんなに呑気なんだ、危機感がなさ過ぎる!とヤキモキしたのですが、まあ、それも無理はないと思うんです。あっという間に感染が広がって、あっという間に国が閉鎖されたのを目の当たりにしているのですから。

この時ふと、覗かなくなって3年くらい経った Facebook を久しぶりに覗いてみたのですが、知り合いの人が「ここ数日の東京の感染者の増加は尋常じゃないので、どうかこれから少なくとも3週間家にいてください。」というような内容を東京都医師会長が書いた文章をシェアしているのが目に入り、やっぱり…と思いつつ、ますます怖くなりました。

ツイッターも「日本は危機感がなさ過ぎる!」という趣旨のツイートで溢れていましたが、海外に住んでいる身としては、自分の知り合いやニュースでしか日本を知る事が出来ないんですよね。

自分の国にも危機感ない人がたくさんいるという事はすっかり忘れて、多くの人が (当社比) 「日本は危機感がなさ過ぎる!」と思ったのでした。

当事者にならないと分からない?

今回は、ひとりひとりがいかに明日は我が身と思って行動するかが大事なポイントなのですが、私はその時、去年の10月から1月終わりに起きたブッシュファイヤーの事を思い出していました。

同じ国にいても、シドニーが大変な時にメルボルンでブッシュファイヤーについてつぶやいた人は、ほとんどいませんでした。

12月終わり頃になって、メルボルンの町が煙って来てからみんな騒ぎ出し、更に日本が注目し出したのはその後でした。もちろん、それでもとてもありがたいのですが、10月から大変だった人たちがいたわけで。

でも、私もその前の年に起こったタスマニアのブッシュファイヤーはかなり酷いと聞いてはいましたが、やっぱり実感がなかったのです。つまり、当事者がどんなに騒いでも、届かない人には届かないんですね。

人は自分が当事者になるまで問題視しない人が多いというのは、今までの人生でも何度も経験して来た事です。海外からどれだけの声が伝わるでしょうか…。

そして、中国や日本が大変な時に、他の国にどれだけ伝わっていたのでしょうか?

平和な部屋から覗く世界?

世界の喧騒とは裏原に、私はすごく平和で安心感がある場所にいるのが少し不思議でした。

私の住むアパートはオーストラリアでいちばん大きな都市のど真ん中にあり、ニュースや SNS を見なければ、まるでいつも通り何もない日常と変わらないんですよね。ここはまるで空中の隠れ家のようだな…と。

https://www.abc.net.au/

ただ、私の住むこのニューサウスウェルズ州はどこの州よりも感染者が多く出ているので、一歩外に出るのは怖くなっていました。

それと、全然関係ないのですが、せっかくこのリラックス環境があるのに、引きこもりを始めてから YouTube 禁止令が出たのは辛かったです。パートナーの仕事はインターネット必須なので、もしもの為に使うなと。

ああ、インターネットと言えば2019年〜2020年に実装され始めた5世代移動通信システム (5G) の陰謀論もありましたね。電波が免疫を抑えたりウイルスを拡散しているとかなんとか。いやー、陰謀論やらデマやら色んな話が飛び回って、本当にカオスです。

3月27日 (金) 日本とコンタクト

とりあえず、今まで各国で起こった事を踏まえると、これから日本も感染者が爆発するとしか思えませんでした。正直、今頃自粛してももう遅いだろうと。

ワーホリの人たちも、もしビザと蓄えがあるなら下手に動かない方が安全だと思いました。

で、今更ですが、ここで初めて「あ、日本にいる友人たちと連絡を取ってみよう」と気付いたのです。

私、数年前からプライベートでも関わる人がかなり限定されていて、もともとあまりマメに連絡を取り合うタイプではない上に、自分の事に忙しいかったのもあり気が付いたら日本の友人と何年も音信不通でした。変な話、自分に友達がいる事を忘れてたというか…。(友達、ごめんなさい。)

でも、とにかく今私の周りで起こっている状況と今後の日本に起こりそうな事を伝えてみようと思って、特に SNS をあまりしない友人中心にメッセージを送ってみる事に。

返事が来ない人も何人かいましたが、結果としてはトータル8人くらいとは連絡がつきました。

友人たちの反応

長い間連絡とっていなかったのに、いきなり連絡して驚くかな…と心配もありましたが、取り越し苦労でした。まるで、ついこの間も一緒におしゃべりしてたような違和感のなさでホッとしました。やっぱり友達って良いものですね。

「そうなんだよね〜、絶対あやしいよね〜!」と情報にも注意してる人もいれば「え?そうなの?」という感じの人や「何が本当か分からないから、でも一応ありがとう」という人など反応は様々。

連絡した人たちは地元の友達やオーストラリアで出会った友達やインターネットで知り合った友達など、住む地域も環境も様々ですが、年齢層が私くらいの年代 (3〜40代) という事もあるのか、みんな冷静に受け止めているような印象でした。

とりあえず、私はオーストラリアの今の状況を伝えて、気を付けるようにと伝えましたが、私がわざわざ言うまでもなかったのかも?という気もします。

でも、国をまたいで状況を確認し合えるパイプが再び繋がった感じが心強く、連絡して良かったです。

どの国も危険

それよりも、オーストラリアのニュースによると、メルボルンのセントキルダビーチも人が大勢いたそうで、公園にも人がいっぱいいたというツイートを見ましたし「何が日本人は危機感ないだよ、オーストラリアもだよ…!」と呆れるのでした。

そして、25日にイギリスのチャールズ皇太子が感染して話題になりましたが、イギリスのジョンソン首相も感染を発表。

2月頃には東京のオリンピックが中止になったらイギリスで受け入れるという話が出ていたくらい、新型コロナウイルスは他人事と思っていたであろう国だったんですけどね。

3月28日 (土) 信じる事にした

朝から、また他の友人に送ったメッセージの返事が2件ほど入って来ました。

その友人も「日本の対応って海外と比べてやっぱりゆるいよね!」という調子で、更にもうひとりの友人は他の友人とも随時情報交換しているそう。

あれ?ウワサに聞いた危機感のない日本人になかなか当たらないぞ…?と思いました。

何を信じるか

日本は1月からずっと自粛して、マスクの着用や手洗いなどをしてた人が多かったみたいですよね。それに疲れたのと、桜が咲いたのとで気が緩んだのかもしれません。

大勢で花見をしている画像や若者が出歩いている様子や若い人が出歩いているような印象の動画は、日本全体のどれくらいなのでしょうか。

「危機感がなさ過ぎる!」と言っていた海外勢は多いですが、生の声では今年は花見客が全然いなかったという話や、若い人よりお年寄りの方が出歩いてるという話なども何度か聞きました。

うーん、印象操作?

まあ、ワーホリなどの若い世代は日本の友達は普通に出歩いている!とよくつぶやいてましたし、日本の親御さんと温度差があり過ぎて口論になった人も少なくなかったようですから、危機感のない人もそれなりに多いのでしょう。

でも、海外にいる側は、外野側から自分の持っている情報を頼りに口しか出せないんですよね。

それなら心配でヤキモキするよりも、日本だってきっと大丈夫と信頼して見守る方が精神衛生的にも良いのではないかという結論に至りました。というか、実際に連絡を取ったら不思議な安堵感が心の奥からわいてきたのです。

もう政府を頼っていては間に合いません。個人ひとりひとりが自覚して気を付けていくしかないです。

もちろん、仕事は休めないし毎日満員電車に乗って通勤しないといけないような日本の状況は個人で変えるのは至難の技かもしれません。でも、何も対策しないよりはマシ。危機感を持っているのといないとでは全然違ってくるのでは、と。

そう思ったら少し元気が出て、気持ちが落ち着いて来ました。

外に出るのが怖くなった

この頃の私はというと、家にいる分には安心なのですが、アパート下のスーパーマーケットに行くのも少し怖い状態です。信号の押しボタンにも “触らないように” と張り紙をしているくらいですから、物騒じゃないですか…。

何かに触れるだけで「ああ消毒しなきゃ」と思うし、店頭に並んでいる商品だって「これは本当に触って大丈夫なのだろうか?」というレベルです。

そして、引きこもりを始めてから近くのイタリアンで初のデリバリーをしたのですが、こうやって働いていてくれる人がいてありがたいと思う反面、外から来たものはやっぱり心配になります。

とりあえず、こんな立派なお肉は最近食べてなかったので、おいしくいただきました。

3月29日 (日) 差別はどこでもある

ここ数日は日本の事ばかりに気を取られていましたが、オーストラリアも大変でした。

1日中コロナコロナ言ってたら疲れてしまいますから、そろそろまた自分の生活のペースに戻さないとと思いつつ、結局はニュースが気になって深みにハマっていく日々。

公共施設は10人以下から2人に制限され、ますます厳しくなるルール。

https://www.health.gov.au/

オーストラリア政府が、新型コロナウイルスの情報がひと目でわかる専用アプリもリリースされました。

今回の事で、ワーホリの人たちも日本の友達と価値観が合わない人がはっきり分かったと話していましたが、確かに非常時になってから価値観が合わない人がはっきりと浮き彫りになってしまう現象が起こっています。

3月30日 (月) 志村けんさんの訃報

朝から志村けんさんが昨夜70歳で亡くなったと、朝からツイッターでは大騒ぎでした。この事は日本だけではなく、もちろん海外にいる日本人も大きな衝撃を受けたのです。

志村けんさんは3月17日にけん怠感などの症状が出たあと、東京都内の病院で重度の肺炎と診断されて入院し、25日に所属事務所が新型コロナウイルスへの感染を公表しました。

その後、治療が続けられていましたが、事務所によりますと、29日午後11時すぎ、新型コロナウイルスによる肺炎のため、東京都内の病院で亡くなったということです。

感染したら肉親とも誰とも会うことも出来ず、遺体は接触感染しないように袋に入れられて仮装されるのだ、そしてお通夜も告別式など人が集まる事も出来ないのだ、という事をこの事件によって知った人も多かったようです。

小池知事がそれを「最後の功績」と表現して大炎上していましたが、確かに影響は大きかったようで、それを受けて感染を身近に感じる人も増え、日本で大勢集まるような行事をキャンセルする動きもちらほらあったみたいです。

友人への呼びかけ

しかし、それでもピリピリしている海外にいる日本人からすると、かなりゆるい日本の人たちの生活は焦燥感を掻き立てられるものでした。

特に、ついこの間まで日本で普通に暮らしていたワーホリの人たちは、日本の友人に注意喚起するのは少し勇気のいる行為だったよう。

インスタライブなどで日本の友達に呼びかけしてる様子は「今時だなー」と私には新鮮でしたが、とりあえず私のツイッタータイムラインの大半が「お願いだから家にいて」という呼びかけで埋まりました。

あ、28日にはヒカキンさんも呼び掛けてましたね。

個人でどこまで出来るのか

ところで海外から日本に戻った人たちですが、日本に着いても空港で検疫も隔離もなかったので「え???」となって、自主隔離した人も多かったと聞きます。

が、実際もし自分がその立場だったら、どこまで出来たのだろう…と思います。私は地方出身でとても誰かに迎えに来てもらえるような距離ではないし、レンタカーを借りて長距離を運転と言っても運転免許を持ってない人もいますよね。公共交通機関以外に帰る方法がない人もいるはずです。

それなら空港近くのホテルで自主隔離という方法もありますが、日本政府が規制してない中、自腹を切って2週間ホテルに滞在するのが難しい人もいるのではないかと。

そして、いよいよ帰国して来た人を責める動きも目立って来たようです。

喧嘩するなよ

これは日本人には限らず、日本に帰国した途端に今までの事は忘れて友達と遊び歩く人もいます。で、こういう人たちが悪目立ちしてしまうんですよね。

ただ、ここできちんと対応しなかった人は、きっと後で後悔するでしょう。責められても文句が言えない立場になってしまうわけですから。

そして、帰国者が感染を増やしたという偏見を持つ人もどうかと思います。日本では既に潜伏していただけで蔓延していたのは明らかですし。

何か不幸な事が起こるとスケープゴートを作ってそのせいにしたくなるのは人間の悪い癖ですが、今はインターネットがあるので、差別を受けても昔のようにひとりで泣き寝入りする時代でもありません。

偏見ヤローは放っておいて、堂々としていれば良いと思います。

何となく、日本側は海外からの帰国者を悪者にし、海外からは日本で出歩いたり故郷に帰省したりする人を批判し、対立してる印象も受けました。

世界が大変な時に日本人同士でディスりあって、一体何をやってるの?と思ったのですが、まさかこの後ワーホリ VS 永住者 みたいな対立があるとは…。
謎の『ワーホリ vs 永住者 』勃発事件で思う、見えない敵と戦う人たち

3月31日 (火) 外が色んな意味で怖い

毎日東京の最多記録が更新され、この日78人、累計521人になりました。

朝からツイッターのタイムラインがまだ志村けんさんとコロナばかりで埋まっていて、改めて志村けんさんの影響力ってすごいなあと思いました。

夕方になってからアパート下のスーパーマーケットに行くと、外で叫んでいる人がいて少し恐怖でしたが、お店のアジア人の店員さんは相変わらずフレンドリーで和みます。

そして、あまり品揃えのないこの店でベーコンを発見!まるで宝物を見付けたような気分でした。

新聞配達も徹底対策されていた

ところでパートナーは紙の新聞を取っているのですが、私はこれも触るのが不安でした。出来るだけポストに触りたくないし、紙なので消毒も出来ませんし。

なので、その事でパートナーに文句を言ったのですが、彼によると配達先から “新聞はひとりの人間しか触らないように配慮しています” というメールを受け取っていたそう。早く教えて欲しかった…。まあ、100%信用は出来ませんが、徹底しているなと思いました。

あと、スペイン王室のマリア・テレサ王妃も感染により他界しています。この後、スペインの感染者数はイタリアを超えていくのです。

つづく

オーストラリアはどんどん厳しくなっていきます。

ソーシャルディスタンス (人と人の間を1.5m 開ける) や不要な外出、その他の違反者は千ドル以上の罰金 (金額は州によって違う) や刑務所に入る事もあるとの事。

え…?何これ?地球全体が映画の世界いるみたいで全然気持ちがついていきません。この事態に世界中が付き合っているなんて、とても不思議です。これは現実⁇

…こうして3月が終わりました。