お得なミュージアムパスでシドニーの歴史博物館や歴史的建造物を巡る

この博物館は2023年現在無料で入れますので、どんなところがあるのか参考としてご覧ください。

意外とあまりよく知られていないオーストラリアの歴史を体験するには、博物館巡りがいちばん良いかもしれません。

オーストラリアにおける西洋文化は17世紀から始まりましたが、特にシドニーは最初に開拓地が出来た場所なので、こうやって国が形成されていったのか…と感慨深いものがあります。

もしもたくさんの歴史的博物館を回りたいなら『シドニーミュージアムパス (Sydney Museums Pass)』を購入すれば、10カ所の博物館や歴史的な建物がお得な値段で見学が出来ます。

ただし有効期間が1カ月なので、期限内に全部回るのは少し大変かもしれませんが、全部行けなくても最低2カ所行けば元は取れるので悪くないですよ。

※ 現在 COVID-19の制限により一部の施設は閉鎖されていますので、詳しくはウェブサイトでご確認ください。

シドニーミュージアムパスとは

シドニーミュージアムパス (Sydney Museums Pass)は、Sydney Living Museums が運営する10の博物館及び歴史的建造物をお得に巡れる1カ月間有効のパスです。

以前は旧造幣局 (The Mint)キャロライン・シンプソン図書館 (Caroline Simpson Library) もリストに入っていましたが、現在は無料で利用出来るようになっているのでチケットは必要ありません。

チケットの購入はオンラインか各博物館で出来ます。

Adult $24 $35
Child (5–15歳、4歳以下は無料) $16 $28
Concession $16 $28
(Full-time students, seniors, pensioners, ISIC, YHA, HI, Nomad, VIP members)
Family $50 $75
(2 adults and 2 children or 1 adult and 3 children)

※ 2年でかなり値上がりしました。

注意事項

  • 有効期間は1カ月です。
  • ひとつの博物館に1度しか入れません。
  • 博物館で特別イベントがある時は、チケットが使えなかったり、一部入れない場所があったりします。
  • ミュージアムパスの交換や返金、譲渡不可です。

2018年にこのチケットを利用してみたのですが、1カ月で10カ所はやっぱりちょっと大変だと思いました。

チケットは、博物館に入場する時にスタッフに見せるとペンでチェックを入れてくれる仕組みで、意外とアナログでした。

たくさんのチェックのついたチケットを見て「わあ、いっぱい行ったんだね!」と言われたので、もしかしたらあまり全部制覇する人は少ないのかもしれません。

ミュージアムリスト

これがミュージアムパスで行ける博物館・建造物のリストです。シティにある博物館もあればちょっと遠い場所もあるので、上手くスケジュールを組んでくださいね。

シドニーシティ内の博物館 (徒歩可能)

  • The Mint (旧造幣局)  1811年
    10 Macquarie St, Sydney NSW 2000
    月〜金  9.30 – 5pm   ※ 入場無料
  • Caroline Simpson Library & Research Collection (キャロライン・シンプソン図書館) 1984年
    10 Macquarie St, Sydney NSW 2000 (The Mint の建物内)
    月〜金  10am – 4.30pm   ※ 入場無料
  • Hyde Park Barracks Museum (ハイドパーク バラックス) 1819年
    Queens Square, Macquarie Street, Sydney NSW 2000 (The Mint の隣)
    毎日 10am – 5pm
  • Museum of Sydney (シドニー博物館) 1995年
    Corner Phillip and Bridge Streets, Sydney NSW 2000
    毎日 10am – 5pm
  • Susannah Place Museum (スザンナプレイス)1844年
    58–64 Gloucester Street, The Rocks, Sydney, NSW 2000
    毎日  2pm – 5pm (2時、3時、4時と1日3回ツアー開催)
  • The Crime Museum at the Justice and Police Museum (犯罪博物館) 1856年
    Corner Albert and Phillip Streets, Circular Quay, Sydney NSW 2000
    土・日のみ  10am – 5pm
  • Elizabeth Bay House (エリザベスベイハウス)1835年
    7 Onslow Ave, Elizabeth Bay NSW 2011
    金・土・日  10am – 4pm

公共交通機関で行ける郊外の博物館

  • Elizabeth Farm (エリザベスファーム) 1793年
    70 Alice Street, Rosehill NSW 2142
    水〜日  10am – 4pm
  • Vaucluse House (ボークルーズ・ハウス)1805年
    69a Wentworth Rd, Vaucluse, NSW 2030
    水〜日  10am – 4pm
  • Rose Seidler House (ローズ・サイドラーハウス)1948年
    71 Clissold Rd, Wahroonga, NSW 2076
    日曜日のみ  10am – 4pm

車がないと行きにくいかもしれない博物館

  • Rouse Hill House & Farm (ルースヒル & ファーム) 1813年
    356 Annangrove Rd, Rouse Hill, NSW 2155
    水〜日  10am – 4pm
  • Meroogal 1885年
    Cnr West & Worrigee Sts, Nowra, NSW 2541
    土曜日のみ  10am – 4pm

これは一覧ですが、もっと詳しいインフォメーションは次をご覧ください。

英語が出来なくても大丈夫?

基本的に全て英語になりますが、各博物館には日本語で訳された地図や説明の紙が置いてあり、場所によっては日本語のオーディオガイドが借りれます。

行く前に建物の概要をウェブサイトで確認しておくとスムーズに理解できるかもしれませんね。私もこのブログで紹介していきたいと思います。

各博物館のスタッフはみんな親切でフレンドリーな印象を持ちましたが、こっちから積極的に話し掛けるともっと詳しく色々と説明してくれる場合も多いですよ。

 

各ミュージアムの詳細

では、ひとつひとつの博物館を見ていきたいと思います。

旧造幣局

旧造幣局 (The Mint)
10 Macquarie St, Sydney NSW 2000
月〜金 9.30am – 5pm ※ 入場無料 / レストランあり

最寄り駅はSt James Station です。

歴史的建造物が多く並ぶマッコーリストリートにある旧造幣局は、マッコーリ総督によって1816年の植民地時代に病院として使用された後、1855年〜1926年の71年間は硬貨を製造する場所でした。

現在は Sydney Living Museums の本部が置かれていて、オフィスや会議室などのレンタルスペース、レストラン “No.10 Bistro”、売店、次に紹介する図書館などが入っています。

キャロライン・シンプソン図書館

キャロライン・シンプソン図書館 (Caroline Simpson Library & Research Collection)
10 Macquarie St, Sydney NSW 2000
月〜金 10am – 4.30pm ※ 入場無料

旧造幣局の建物内にあるこの図書館には、オーストラリアの建物、インテリア、家具、庭園などの歴史のコレクションが所蔵されていています。

ハイドパークバラックス

ハイドパークバラックス (Hyde Park Barracks Museum)
Queens Square, Macquarie Street, Sydney  NSW 2000
10am–5pm ※ パスがない場合は$12 (2018年)  

最寄り駅はSt James Station です。

旧造幣局のすぐ隣の敷地に建っているハイドパークバラックスはオーストラリアの囚人遺跡群 (Australian Convict Sites) のひとつとしてユネスコ世界文化遺産として登録された建物です。

マッコーリ総督の指揮のもと1819年に流刑囚の建築家フランシス・グリーンウェイ (Francis Greenway) によって建築された男性囚人宿泊所で、その後1848年〜1886年には移民女性の保護施設となり、1887年〜1979年には政府の施設として利用されていました。

1階は入職当時のシドニーや囚人たちの様子を、2階は女性移民たちが生活していた様子やこの敷地から発見された出土品などの展示を、そして3階では実際に囚人たちが寝泊まりしていた部屋などを見る事が出来ます。

ここでは10の博物館の中で唯一日本語のオーディオガイドが借りれます。

シドニー博物館

シドニー博物館 (Museum of Sydney)
Corner Phillip and Bridge Streets, Sydney NSW 2000

毎日 10am–5pm ※ パスがない場合は$12 (2018年)  / レストランあり

最寄り駅は Circular Quay です。

このシドニー博物館は、イギリスによる入植が始まった1778年当時に最初の植民地総督邸宅 (First Government House) があった跡地に建てられています。初代植民地総督のアーサー・フィリップ (Arthur Phillip) が原住民 Gadigal族 と最初の接触を持った重要な場所でもあり、初代から8代までの総督がかつてここに住んでいました。

館内の規模はそんなに大きくありませんが、この辺りにもともと住んでいた原住民たちの事やシドニーの変化して行く町の様子、活躍した人たちなど、ひと通り知る事が出来ます。映像などもありますが英語の文字での説明が多い印象です。

定期的に変わる特別展示物もあります。

スザンナプレイス

スザンナプレイス (Susannah Place Museum)
58–64 Gloucester Street, The Rocks, Sydney, NSW 2000
毎日 2pm – 5pm ※ パスなしは通常$12 (2018年)  / 当時を再現した雑貨屋あり

最寄り駅は Circular Quay です。

スザンナプレイス博物館は観光地で賑わうロックス (The Rocks) にあり、数回に及ぶ開発の危機に晒されてながらも生き延びた貴重な建物です。かつてここに住んでいた労働者階級の人たちの生活の様子が忠実に再現されていて、1844年〜1990年までに実際にここに住んでいた家族は100組以上だそう。

この博物館の中へは2時・3時・4時と1日3回開催されるガイドツアー (英語) でしか入る事が出来ませんので注意してください。ツアー予約は角にある20世紀初期の様子を再現したコーナーショップで出来ます。

懐かしい雰囲気の雑貨屋さんは無料なので、一軒の価値ありです。

犯罪博物館

犯罪博物館 (The Crime Museum at the Justice and Police Museum)
Corner Albert and Phillip Streets, Circular Quay, Sydney NSW 2000
土・日のみ 10am – 5pm ※ パスなしは通常$12 (2018年)

最寄り駅は Circular Quay です。

この博物館は、かつて水上警察署と裁判所として使われていた建物です。1850年代のシドニーは流刑囚制度が廃止され、ゴールドラッシュや輸送と通信の発達などにより都市が拡大していった反面、拠点となる港付近は犯罪が増加していったので、1856年にこの水上警察裁判所が、1886年には警察署が建てられました。

犯罪に用いられた凶器などの展示、実際に使われていた裁判所や独房の様子など、シドニーのダークサイドな一面を見る事が出来ます。

エリザベスベイハウス

エリザベスベイハウス (Elizabeth Bay House)
7 Onslow Ave, Elizabeth Bay NSW 2011
金〜日 10am – 4pm ※ パスなしは通常$12 (2018年)  

最寄り駅は Kings Cross です。

賑やかなキングスクロスから少し離れた所にあるエリザベスベイハウスは、港が一望出来る閑静な住宅街の中にあります。

1835年に建築された当時シドニーで最も美しいと言われたギリシア復古スタイルの建物で、持ち主だった植民地書記官であったアレキサンダー・マクレー (Alexander Macleay) の邸宅をほぼ正確に再現した博物館です。

19世紀の部屋の様子は豪華で美しく、かつてこの場所には豊かな庭園も広がっていたそうですが、現在は住宅街になっていて、代わりに博物館前にきれいな庭園が作られています。

エリザベスファーム

エリザベスファーム (Elizabeth Farm)
70 Alice Street, Rosehill NSW 2142
水〜日 10am – 4pm ※ パスなしは通常$12 (2018年)  / ティールームあり

最寄り駅は Rosehill です。

この建物はオーストラリアの羊毛産業の発展させ、初めて商業的なワインの生産を行った人物、そしてラム酒の反乱の黒幕として知られるジョン・マッカーサー (John Macarthur) が家族と住んでいた邸宅で、彼の設計により1793年に建築されました。建築当時はまだイギリスがオーストラリアに入植してから間もない頃だったので建築技術がしっかりと確立されいなかったため、建築後も少しずつ建て増しや改装が施されて今のような外観になりました。

ボークルーズハウス

Vaucluse House
69a Wentworth Rd, Vaucluse, NSW 2030
水〜日 10am – 4pm ※ パスなしは通常$12 (2018年)  / ティールームあり

最寄り駅は Edgecliff ですが距離があるのでバスがおすすめです。

ボークルーズハウスは1827年に弁護士であり探検家である著名人ウィリアム・チャールズ・ウェントワース (William Charles Wentworth) が購入し、現在のような広い庭園を持つゴシック様式の建物になりましたが、もともとは1805年に変わり者と言われたアイルランドの騎士ヘンリー・ブラウン・ヘイズ (Henry Browne Hayes) が建てた石造りの家でした。何十年もかけて建て増しされていったその邸宅の中は驚くほど広く、当時の家具や調度品などのインテリアには目を見張るものがあります。

ここでもハイドパークバラックスのようなオーディオガイドが借りれますが、英語のみです。

ローズ・サイドラーハウス

ローズ・サイドラーハウス (Rose Seidler House)
71 Clissold Rd, Wahroonga, NSW 2076
日曜日のみ  10am – 4pm ※ パスなしは通常$12 (2018年)  

こちらもバスがおすすめです。

この建物は他の博物館と比べると年代が新しく、1948年に有名な建築家であるハリー・シドラー (Harry Seidler) が両親の為に建てた家です。その斬新でモダンなデザインは当時かなり話題を呼んだだけあり、戦後に建てられたとはとても思えないくらいおしゃれです。

ルースヒル & ファーム

ルースヒル & ファーム (Rouse Hill House & Farm)
356 Annangrove Rd, Rouse Hill, NSW 2155
水〜日 10am – 4pm ※ パスなしは通常$12 (2018年)

パラマタ近く、 Rouse Hill town centre から徒歩30分程かかります。

1813年に建てられた家と一帯のファームは現代に残る植民地時代の最も古い庭園で、ここにはかつて6世代に渡って家族が住み続けていました。年代物の家具や60年代に購入されたテレビ、家を補修した跡など、移りゆく時代を生きた人たちの軌跡を感じる事が出来ます。

家の中に入る事が出来るのは2時のガイドツアーでのみです。

メルーガル

メルーガル (Meroogal)
Cnr West & Worrigee Sts, Nowra, NSW 2541
土曜日のみ 10am – 4pm ※ パスなしは通常$12 (2018年)

最寄り駅はBomaderry ですが週末なので交通に制限があるかもしれません。

この博物館は Wollongong よりもかなり先のシドニーから車で南へ2時間以上、シドニー CBD から結構な距離があります。

ケネス・マッケンジー (Kenneth McKenzie) が妹の為に1885年に建てたターコイズ色のペンキで塗られたかわいい家で、4世代の女性が住んでいたので、手作り家具や個人的な日記帳、100年前の家庭用品などを見学出来ます。

 

おわりに

全部見ようと思ったらかなりのボリュームになるかと思いますが、実際に現地に行ってみると思わぬオーストラリアについての発見がたくさんあるかもしれませんよ!

 

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Acknowledgement to Country

This website would like to acknowledge Gadigal peoples of the Eora nations, Aboriginal and Torres Strait Islander people, the traditional custodians of this land and pay our respects to Elders both past and present.このウェブサイトは伝統的な土地の所有者であるエオラ、ガディガルの人々を含むアボリジナルおよびトレス海峡諸島の人々、そして過去と現在の長老に敬意を表します。