毎年11月の第一火曜日に行われるオーストラリア最大の競馬『メルボルンカップ』ですが、会場となるフレミントン競馬場は、2020年は新型コロナウィルスの影響で異例の入場制限が設けられ、関係者でさえ入場できない状況でした。
それでもレースは行われ、シドニーでも例年よりは少ないものの、各地でメルボルンカップのイベントが開催されています。
そして、今年は私もうちのパートナーに頼まれ、シドニーで最も大きいというロイヤルランドウィック競馬場のレストランで観戦して来ました。
ギャンブルに全く興味がない私としてはあまり気が進みませんでしたが、彼のクライアントさんも関わっているとの事でしたし、まあブログのネタになれば良いかと。
それに実は私、数年前にこの隣にある TAFE に通っていたので競馬場の外観はいつも見ていたものの、中に入るのは初めてだったのでちょっと興味はありました。
まずは服装で悩むよね
David Jones や Myer などで売っているメルボルンカップの帽子
とりあえず、参加決定となると、大変なのが服装選びです。
メルボルンカップではきらびやかな女性のファッションも注目されますが、私はあの格好はアジア人にはあまり似合わないと思っていて。うちのパートナーは派手な帽子に豪華なドレスを着て欲しそうでしたけど、マジで勘弁してと思いました💦
それにしても私、コロナのロックダウンからずっと、基本的に引きこもり生活してたんですよ。
シドニーはメルボルンほど厳しく取り締まりはないものの、私はもう何カ月も人と直接会ってなくて、レストランに座るのも極力避けている生活なのに、いきなりドレスアップしてオージーの中に放り込まれるこの落差 (笑)
という事で、適度に正装で派手すぎない服装が良いなあ…と悩んだ挙句、パンツにジャケットを合わせてました。靴もヒールがないのを選んで正解!
あと、派手な帽子の代わりに黒いヘアーバンドして、髪を巻いて。なかなか良い選択だったと思います。
実際の会場には背中がガバッと開いたドレスや丈の短いスカートの人もたくさんいましたが、カジュアルでも行けそうなワンピースやパンツルックの人もちらほらいて、帽子かぶっていない人もいました。
ロイヤルランドウィック競馬場へ
という事で、ロイヤルランドウィック競馬場。ここは、Australian Turf Club (ATC) が運営するシドニーで最も大きな競馬場だそうです。
余談ですが、毎年メルボルンカップの時期はちょうどシドニーのジャカランダが見頃なんですよね。駐車場の向こうにもたくさん咲いていたのが見えたので、時間があれば行ってみたかったです。
さて、チケットのバーコードを機械に当てて入り口を入ると、長い通路がありました。
長いトンネルの壁には、ミュージアムばりに競馬の歴史が色々書かれています。
TAB (Totalizator Agency Board) の車もここに。
パートナーによると、本当は他のレストランに行きたかったそうですが、数週間前に予約しようとした時はもうどこも満席だったそうです。
という事で、私たちのテーブルは特設会場のようなレストランでした。
レストランへ
と言っても、充分きちんとしたレストランですよ。
この席はひとり$275だったそうで (もちろんパートナー持ち)、こういう所にしては意外と安いと思ってしまった私は感覚がバグってるかもしれません。
でも$500の席とかも聞いた事ありますし、その上みんな賭ける事を目的で来ていると思うと、すごい出費ですよね。ドレス代とかもありますし…。
レストランの値段はお店でも違いますが、行われるレースの大きさによっても変わるんだそうですよ。
※ ちなみに、これはレストランを予約する場合で、観戦だけの一般席なら多分$50しないと思います。
食事をしながらワイン片手に賭けられる
テーブルには、コースメニューと一緒に今回の競馬のインフォメーションが書かれている冊子とペンが用意されていました。
この冊子にはランドウィックやメルボルンのフレミントン競馬場だけではなく、アデレードやブリスベンなどのレースも載っています。
レースは全部会場に設置されたモニターで観る事が出来て、もちろん午後3時のメルボルンカップの様子もここで観れます。(モニターがちょっと小さかったですが)
オーストラリアでは常にどこかでレースが行われていて、賭けたい時にいつでも賭けられる仕組みなのですが、私はいつもこれで混乱するんですよねー。
馬券はスタッフのから買う事も出来ますし、ブックメーカー会社のアプリでスマホから賭ける人もいます。
いやー、あのたった数分間のために皆さん大騒ぎですね。
会場で馬券を買うと、こんな風な紙を渡されて、勝つと現金に変えてくれます。
ランドウィックで行われているレースは小さいモニターより生で実際に見る方が良いので、外に観に行く人が多いです。すぐ目の前ですし。
外にもまあまあ人。ソーシャルディスタンスは…ないですね。
隣のレストラン。
実際のレースの様子。
コース料理と飲み物
料理も載せておきますね。上の写真が飲み物リストです。
特記しておきたいのは、この『De Bortoli Woodfired Heathcote』のシラーズが飲みやすくて、おいしかった事。甘過ぎず適度にドライで、いかにもシラーズみたいな味なのですが、いつも赤ワインの匂いを嗅ぐだけで「おえっ」となるパートナーも何口か飲めたのはびっくりでした。

酒屋のいっしーさんによるとやっぱりこのワインは人気らしくて、お値段も$20前後でお手頃で手に入るそうですよ!
オントレの 『Poched ocean king Prawn』は、エビがプリプリでとってもおいしかったです。
メインはラムとダックの2種類あって、ランダムに交互にテーブルに運ばれます。私はどっちも苦手なんですけど『Seared caraway duck breast』はクセもなくておいしく食べれました。
こっちがパートナーの食べた『Roasted rack of lamb』。私は絶対食べれませんが、おいしかったそうです。結構大きいポーションですね。
デザートは『Textures of chocolate』。真ん中の白いものは、シャーベットをホワイトチョコレートでコーティングしたものです。
最後のアフターヌーンティーに『cocktail beef pie』。パートナーによると、ランドウィックの他のレストランでもシメにこのミートパイが出て来たそうで、謎だと言ってました (笑)
確かに何でミートパイなんだろう。
2020年のメルボルンカップレース
さて、3時のメルボルンカップが始まりました。
2020年は Twilight Payment というアイルランドの馬が優勝。
しかし、会場の小さな画面では分からなかったのですが、このレース出走中に期待されていた5歳の Anthony Van Dyck という馬が骨折してしまいました。よく観ると1番のピンク色の服を着たジョッキーが乗っている馬がレースから離れていくのが少し映っています。
残念ながら、すぐに獣医師による治療を受けたものの、安楽死を余儀なくされてしまいました。
競馬はなくなった方が良いのか?
2013年以降のメルボルンカップではレース中に馬が死ぬのは7頭目だそうで、近年、競馬は動物虐待だという批判の声も上がっています。
ただ、「競馬はもう辞めた方が良い」と外野が言うのは簡単ですが、私たち日本人と違って昔から競馬と深い関わりを持って来たオーストラリアでは、小さい頃から競馬に親しんで育つようですし、大きな産業のひとつでもあるのでなかなか複雑な気がするんですよね。
それにオーストラリアはサラブレッド生産大国で、ギャンブルの収益は政府の大きな収入源となっているみたいなので、そういう事も考慮する必要があるかと。そもそも競馬がなくなればサラブレッドは消滅してしいます。
ここら辺はもう少しリサーチが必要なので、またこれは別記事ですね。
とりあえず思ったのは、こういうニュースが流れるとよく知らない人は関係者をサイコパスのように批判しがちですが、生産者も調教師も馬主もジョッキーも、馬に関わった人たちみんな辛いし悲しいんじゃないかなあ…という事。うーん、難しいですね…。
最後に。
競馬場の出口でカラフルなバラの花が売られていました。$20って安いですよね?今、我が家のキッチンで良い匂いを漂わせていて、癒されています。
おわりに
最後は後味の悪い結果になってしまいました。
ここまで書いて来たのですが、相変わらず私はギャンブルには興味がありません。正直、何でわざわざお金を賭けて馬を応援しないといけないのかと…。
ただ、うちのパートナーは去年から馬主にもなっていますし、競馬に関わる人たちの思いや文化的背景には興味がありますので、引き続き見て行きたいと思います。
どっちにしろ、これからも今回のように、お付き合いする機会は度々あるでしょう。