新型コロナウイルスが世界で拡大している今、世界もオーストラリアも日本もあっという間に変わりました。
ツイッターでは少しずつコロナの話題が増え始め、買い占める人が出て来て多少生活に支障が現れていたものの、3月上旬までは普通に生活していたのに…。下旬になる頃には様子がガラッと変わってしまい、あまりにも急激な出来事に心がついて行けない人も多いかと思います。
4月の初めには張り詰めた空気を感じ、まるで戦争が始まった時のような今までにない恐怖まで味わいました。
そんな時、ツイッターでイタリア在住の日本人が日記形式で感染が広がるイタリアの様子を記録したブログが流れて来て、良いなあと思ったので私も記録しておこうと思います。
3月の日常が変化していく様子を日記形式で書いています。私の場合は主にツイッターから感じた主観や個人の考えが中心ですが、色々あり過ぎて4記事になってしまいました。(ちょっとディスる事も書いてますが、あくまでも私個人的な意見です)
【新型コロナウイルス日記 ①】3月上旬 オーストラリアで蔓延し始めるまで
【新型コロナウイルス日記 ②】3月中旬 感染者が拡大し、ついにパンデミック宣言
はじめに
上のグラフは3月が終わった時点です。中旬辺りから感染者が増えましたが、下旬にはロックダウンの効果が出て来たのか感染者伸び率が減って来ています。…が、まだまだ油断できない状態です。
3月31日までの感染者はトータル4707人、20人が亡くなっています。(Act 80, NSW 2182, NT 16, QLD 743, SA 337, TAS 68, VIC 917, WA 364)
2月下旬はまだ対岸の火事でした
まず初めに、2月3日に横浜港に帰港したクルーズ船ダイアモンドプリンセス号について書いておいた方が良いかもしれません。
感染が疑われるダイアモンドプリンセス号の乗客に対し、検査・隔離したにも関わらず下船した乗客から感染が拡がり、海外から日本の対応に対して批判の声が上がってました。
しかし、よくよく聞いてみると日本に停泊していたとはいえイギリス籍の船なので管轄権はイギリスにあったとか、感染者を発見して100%感染を予防するのは難しいとか色々複雑な事情があったようで、私は「やっぱり表面的なニュースだけ見てすぐワーワー批判して騒ぐのは良くないな」と改めて思った次第です。
特に私がいちばん嫌なのは「やっぱり日本はダメよねー!」となぜか嬉しそう (?) に日本下げ発言をツイートする在外日本人の存在です。日本が嫌いで海外に飛び出したんだかどんな恨みがあるんだか知りませんが “私は先進国に住んでるのよ” という優越感的発言が鼻につきますし、普通に不快な気持ちになります。
まあともかく、この頃はオーストラリアはまだ平和でしたし、私も「きちんとうがい手洗いをすれば大丈夫だろう」と思ってました。というか、どんなに心配してもそれしか出来ないと考えてましたし。
LGBTQI パレード直前のシドニー Pitt Street
2月29日、毎年盛大に行われるマルティグラのパレードも無事に終了。私の自宅はパレード会場のすぐ近くなので、遅くまで賑やかな声が聞こえていました。
私は人が多くて疲れそうなので家にいたのですが、今考えれば行かなくて良かったです。
中国の惨状は色んなメディアから流れて来て、現地から緊迫する中国の様子を伝えていたユーチューバーさんがバズったりもしていましたが、私を含め、まだまだ対岸の火事だと思っていた人が多かったはずです。
私も普通に出掛けてましたし、シドニーの町にもいつも通り大勢の人が歩いてました。
3月1日 (日) 感染よりも誰かの恐怖が伝染する方が怖かった
日本は早くから感染が広がった国という事もあり、ツイッターの在外日本人の間でも関心が高かったようです。タイムラインは正直ウンザリするほど新型コロナウイルスの話題が頻繁に飛び交ってました。
私は「ビクビクしてても仕方ないので淡々と予防するだけ」と思っていたのであまり気にし過ぎないようにしてたのですが、それよりも「差別された!」というツイートが目立って来ていたのが気になってました。
差別が怖かったのではなく、まるで世の中が差別だらけのように見えてしまう、SNS のトリックに引っかかる人が増えるのが怖かったんです。
と言うのも、よくよく差別内容を読んでみると「え?それが差別?」と思うものや「今更?」というものが多く、そういうツイートする人が2〜3人いるだけで、オーストラリア中がそういう人ばかりなんだと感じてしまうものだからです。
そりゃ悪い事があれば「こんな事されたの!酷いでしょ?」と誰かに言いたくなるのは分かりますが、そういうネガティブな事は拡散されやすいので「ひどい!」と共感し合うコメントの方が増え、ムダにビクビクしたり自意識過剰になる人が増えるのが嫌でした。
それに、そういう話題が大好物なオジサンやオバサンもいるので、ちょっと面倒なんですよね。
3月2日 (月) 買い占めを初めて見た日
この頃、日本のマスク・トイレットペーパー買い占め騒動に遅れて、オーストラリアでも買い占めが始まっているというツイートをポツポツ目にするようになっていましたが、私はちょっと半信半疑でした。
でも、夜にワールドスクエアの Coles に行ったら、それは本当でした。
ツイッターではトイレットペーパー、ハンドジェル、ウエットティッシュなどが品切れだとの事でしたが、確かにトイレットペーパーはなくなってはいたものの、まだキッチンペーパーは大量にあるのを確認。
いつものお米も大きいサイズなら売っていて、パスタも品薄気味でしたが問題なく買えたので「まあ、そのうち収まるだろう」とそんなに深刻には考えてなかったです。
だって、オーストラリアの自給率は100%以上なんですよ?
トイレットペーパーは家に6ロールほどあり、ハンドジェルも数年前に買ってなかなか減らなかったなものがあるので「やっと消費出来る機会が出来て嬉しい」くらいに思ってました。
ウエットティッシュもある、マスクもブッシュファイヤーの時買ったものがある、と思って余裕があったんです。
3月3日 (火) 買い占めてたのはお前か〜‼︎
昨夜に買い忘れた物があったので昼前にまたワールドスクエアに行くと、すっからかんだったトイレットペーパーの棚に少しトイレットペーパーが戻ってました。
「ほら、全然心配する事ないじゃん」と思いつつ、この時3〜4人くらいのアジア人がトイレットペーパーやパスタなどを大量にカゴに詰めているのを目にしたので「この調子だとまた前夜のようになくなるだろうな」と昨夜すっからかんだった棚が頭をよぎります。
とりあえず、トイレットペーパーはまだ家にたくさんあるので買わず、私は普通に欲しかった物だけ購入。
そもそも、トイレットペーパーをたくさん買っても家に置く場所がないので、邪魔ですからね。一体買い占めてる人たちはなぜ慌てて買う必要があるのか?かなり冷ややかな目で見てました。
まさかこの後、本当に入手が難しくなるなんて、この時は信じられなかったです。
ちなみに、シドニー郊外 (クローズネスト) の Coles はパスタの棚も空っぽだったそうで、ツイッターの情報を見ていると、シティはまだマシだったかもしれません。
3月4日 (水) いたって平和で何事もなし
パートナーが前日、1週間のタスマニア出張から帰って来たので、のんきに2人でお土産のクレイフィッシュを料理して食べたりして、まったり過ごしてました。
これだけ話題になっている新型コロナウイルスについて、パートナーは何かいうかと思いましたが、特に何も言ってなかったように記憶しています。
3月5日 (木) じわじわと広がる感染
3月1日に先月帰国したダイヤモンド・プリンセスの乗客だったオーストラリア人のひとりが新型コロナウイルスに感染して亡くなって以来、シドニー郊外でオーストラリア2人目の犠牲者 (95歳の女性) が出たと発表されました。この女性が入所していた老人施設では数人の感染者が確認されています。
そしてこの日、オーストラリア政府は中国やイラン、韓国からの入国を規制し、イタリアも制限をかけ始めました。
3月6日 (金) 誰の見解が正しいのか?
ちょっとブログの写真や調べたい事などがあって、ハイドパーク南側の近くにある自宅からサーキュラキーまで歩きました。おそらく4時間以上は外にいたはずです。
マーティンプレイスではちょっとした企業のイベントなども行われていましたし、特に差別らしいものもなく、いつも通り人がたくさんいて平和でした。
夜に日本のオリンピック延期になるかもしれないという話をパートナーとしたのですが、やっぱり去年行こうと言っていたパートナーに「行かない方が良いから見合わせよう」と言っておいて良かったと思いました。もともと色んな問題があったので、嫌な予感しかしなかったんですよね。
ネット上では新型コロナウイルスのデマや憶測も多く、人によって温度差や見解が様々で、実際のところどうなんだろう?というのがこの時の正直な感想です。
3月8日 (日) 女性が掴み合いの喧嘩
朝からニュースやツイッターでオーストラリア人女性がトイレットペーパーを巡って喧嘩をする動画がモザイクなしで流れて驚きました。差別用語を叫んで掴み合う姿はエグかったです。
この時に「え、買い占めってアジア人だけじゃないんだ…?」と思った人は多かったはず。
普段、海外は最高で日本はダメと発言している在外日本人の方々は、日本のトイレットペーパー買い占めに対して散々「日本人はダメだ」とか「情弱」とか馬鹿にしていたように思いますが、この時はおとなしかったです。
イタリア封鎖
この日、イタリアでは死者数が急増した為、ミラノのあるロンバルディア州と14の郡、人口の約4分の1を封鎖しました。
https://www.eficiens.com/coronavirus-statistics/
2月20頃からイタリアを始め、世界全体に広がっていった感染。この数日後、ロックダウンされたイタリアで、アパートのバルコニーから住民が楽器を演奏したり歌ったりして励まし合う姿は印象的でした。
ネット炎上があちこちで
ネット炎上も色々起こりました。
日本でトイレットペーパーがなくなるとデマを流した犯人が特定されたなんていう話も話題になってましたが、ブログ界隈という小さい世界でも若者の支持を集めるインフルエンサーが「新型コロナで記事を書いてお金を儲けるチャンス」と言って炎上してたり。
かわいそうだなあと思ったのは人気ユーチューバーのヒカキンさんで、数年前に撮影用でトイレットペーパーをたくさん買った時の画像をあたかも買い占めたように拡散した人がいて、それを信じる人もいるんだという事にもびっくりです。
おわりに
でもこの時は、オーストラリアが3月終わりには生活がびっくりするほど変わってしまうとは、考えてませんでした。
3月11日に世界保健機関 (Who) が新型コロナウイルス感染拡大はパンデミック (世界的大流行) に相当すると表明してから、シドニーに住む私たちの生活もかなり変わってしまったのです…。
② へ続きます。
【新型コロナウイルス日記 ①】3月上旬 オーストラリアで蔓延し始めるまで
【新型コロナウイルス日記 ②】3月中旬 感染者が拡大し、ついにパンデミック宣言